山域 朝日連峰
コース 大鳥〜以東岳(往復)
〜停滞もたまにはいいな〜
日程 平成15年10月27日〜10月30日
データ
地形図(25000/1):大鳥池

アプローチ
10月27日
東京駅6:28〜新庄駅9:58/11:09〜余目駅11:48/12:08〜鶴岡駅12:24/12:35〜大鳥13:55〜朝日屋旅館(宿泊)

コースタイム
10月28日(2日目)
朝日屋旅館7:45〜泡滝ダム8:15〜七滝橋9:30〜大鳥小屋10:45〜オツボ峰13:00〜以東小屋14:05
10月29日(3日目)
以東小屋(停滞)
10月30日(4日目)
以東小屋6:40〜オツボ峰7:25〜大鳥小屋8:30〜七ツ沢橋9:25〜泡滝ダム10:45〜大鳥13:45


10月27日(1日目)

列車を乗り継いで、バスに乗り換えてようやく大鳥の集落に着いた。大鳥登山口を通り越して、大鳥少年の家まで乗ってしまった。宿に入るには時間が早いので、一時間程、その辺を散策しようと思っていたので結果的に乗り越して良かった。国道349号を西大鳥方面に歩いていくことにした。八幡神社まで行き、帰る途中に台車に山ほど地元の根菜を積んだ腰の曲がったおばあちゃんに根菜をいただいてしまった。
「今日、朝日屋旅館に泊って明日山に登るんですよ」と話したら「朝日屋旅館のももってけ」とさらに野菜を頂いてしまった。大鳥の方はなんて親切なんだろう。昔の日本がここにあるなとふと考えてしまった。そんな感じで、ブラブラと時間を潰して15:00ごろ宿に向かった。
げんごろう ふな つりぼり無料 おばあちゃんに頂いた根菜
朝日屋へ行くと玄関には岩魚の魚拓がたくさん張っており、釣り人ならウズウズするに違いない。早速、先ほどの根菜を食べてもらおうと渡したがなんだかんだでなぜか、私が部屋まで持ち帰ってしまうことになった。今回は一人さびしい山登り。いつもならモコモコさんと一緒だが平日なので私一人なのであります。夕食を食べて風呂に入り、昔の別冊夏「渓流」を枕本にしながら寝ることにした。


10月28日(2日目)
コースタイム;朝日屋旅館7:45〜泡滝ダム8:15〜七滝橋9:30〜大鳥小屋10:45〜オツボ峰13:00〜以東小屋14:05

翌朝、昨日の根菜を私は一株だけ頂いた。残りは女将さんに食べてもらうことにした。それとは別に女将さんに柿を2個頂いてしまった。人情味溢れるいい宿だった。若旦那の車で泡滝ダムへ送ってもらう。
天気は全体的に曇りだがまずまず良い。大鳥小屋までは、水場がいたるところにあり水筒いらずの山だ。途中、縦走してきて昨夜狐穴小屋に泊ったという単独の男性と会う。「雪はあるところでくるぶしぐらいまでありますよ」とアドバイスをもらう。大鳥池はすっかり静まり返っていた。葉っぱが落ちて見通しがいい。ここがあの熊の毛皮を広げたような形の大鳥池かと思いうれしくなってしまった。しかしながら登らないと大鳥池の形は拝めないので、しばし休憩したあとオツボ峰コースに取り付くことにした。

大鳥小屋

三角峰までは急登りできつい。朝日屋旅館の若旦那が秋にオツボ峰コースを整備したと車の中で話していた。所々、立派な足場が作られており歩きやすかった。ただただ、頭が下がる思いです。森林限界を越えると風が強くなってきた。あの大鳥池もよく見える。以東小屋も遥か遠くにポツンと確認することができる。三角峰峰を過ぎたあたりから雨が降ってきた。視界もガスが立ち込めてきて悪くなってきた。風雨で不快指数がグーンと上がった。急いで雨具を着込んで、冬用帽子と手袋を装備した。
三角峰あたりから望む稜線 以東岳へ続くアップダウンのある稜線
オツボ峰で一服。行動食を食べる。意外とここから以東岳までは遠かった。途中、雪が靴に入るのでスパッツを着けた。ガスと雨と風の中、いやらしいピークに騙され騙されようやく以東岳に着いた。装備を解いて、水場に行くことにした。一面雪で覆われており、なんだか場所が分からない。適当に東沢へ下る。耳を澄まして沢の音のほうに行く。ちょうど5分ぐらいのところで豊富な水が流れている水場を発見!二回も来たくないので、6リットルぐらい気合を入れて汲んで以東小屋に戻った。小屋はとても立派できれいでうれしくなった。使用料1500円を入れてくつろぐことにした。私一人の貸切だ、お店を広げてラジオを聞きながら夕食を食べて寝ることにした。明日の天気は期待しないほうがよさそうだ。小屋からは村上方面の町の明かりが見えてきれいだった。山形県内に雷注意報が出ていたがここは影響がなかった。



10月29日(3日目)

以東小屋(停滞)

朝4時に起きて外の様子を窓からのぞく。風と雨が強烈に吹いている模様。こりゃだめだ。再び明るくなるまで寝る。6:30にもう一度起きる。寒いがトイレに行くことにする。南側の窓にべったりみぞれがたたきつけられている。上下雨具を着込んで小屋のすぐ脇にあるトイレに駆け込む。
 縦走は無理だ。停滞決定だ!宿泊延長の手続きをする。こうなったら寝るしかない。またもや、寝ることにする。9:00に起きてラーメンを作り食べる。朝日屋に頂いた柿を食べる。そのあと、小屋日記を読んだり、シュラフにくるまってゴロゴロして過ごす。
 もうすぐ12:00になるが、風と雨がビュービュー吹き荒れている。ラジオでは山形県内に強風注意報が発令されていると告げていた。暇すぎるので、二階にある小屋日記を読んだりしながら午後を過ごした。
 15:00から夕食の用意を始めて、今日も一人さびしく宴会をして17:00過ぎには寝ることにした。相変わらず外は風雨が強く、小屋がきしむ音が聞こえる。



10月30日(4日目)
コースタイム;以東小屋6:40〜オツボ峰7:25〜大鳥小屋8:30〜七ツ沢橋9:25〜泡滝ダム10:45〜大鳥13:45

天気のほうは、昨日と比べて風がだいぶ衰えた。しかし、ガスと雨がまだある。二日間もお世話になった以東小屋に別れを告げ、完全装備で行く。当初は直登コースを進もうとしたが、ガスと積雪のためコースが分からないので不安になり一分ほど進んでオツボ峰コースに変更することにした。顔面に雨があたり、メガネの視界を遮る。うつむきかげんに歩を進める。風と雨に翻弄されながらようやくオツボ峰だ。ここから、歩きやすくなるのでピッチを上げる。早く樹林帯に逃げ込みたい。石につけられている赤○のマークがありがたい。三角峰を過ぎると、グングンと高度を下げる。やがて、大鳥池が姿を見せる。大鳥小屋も見える。小屋の前で休憩。雨も小雨となり、雨具も要らないくらいだ。山の上は相変わらずガスが立ち込めていた。

七曲りの急坂を下る。途中途中にある沢の水がおいしい。七ツ滝沢橋へ着く頃は、なんと空に青空が部分的に顔をのぞかせた。天気は回復に向かっているらしい。あ〜恨めしい。途中雨具を脱ぎ身軽な格好になる。スタート地点の泡滝ダムに到着。ここからは、長い長い孤独な林道歩きを3時間だ。朝日屋旅館に着く頃はもう、うんざりしていた。しかし、また来てみようと思わせる魅力を持っている不思議な山だった。

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