山域 飯豊連峰
コース 滝川 赤石沢
〜雪渓のある沢は怖いなー〜
日程 平成15(2003)年7月20日〜21日
データ
アプローチ
7/18

 東京22:30〜米沢5:17(実際8:20着)
7/19
 米沢〜小国 りふれ(泊)

コースタイム
7/20
 りふれ8:20〜滝川林道終点10:00/10:30発〜赤石沢出合11:38〜魚止滝14:30〜15mCS滝手前BP17:30
7/21
 BP5:40〜地蔵岳11:15〜大日杉小屋14:30

7/18
 連休に1日休みを取り4連休として赤石沢と石滝川をはしご遡行の計画を立てた。

7/19
 夜行バスで米沢へ向かう。この連休を利用して山へ行こうという人がたくさんいて、みな大きなザックを持っている。今回は3号車まで出動していて我々は2号車への乗車となる。
 郡山で何名か降りたあとなぜかバスが止まったままだ。しばらく停車していたがやがて走り出したので安心していると、郡山ICでまた止まってしまった。結局車両故障で予定より3時間遅れでの米沢到着。これでは今日予定していた沢はこなせない。
 同乗していた人達も飯豊に行く予定だったが、日程が足らなくなってしまい断念するとのことだった。
今回は福島在住の父(今後山人パパという)も一緒で車を出してくれているのと天候もよくないので、予定を大幅に変更して今日は入渓点の確認をして小国町にある「りふれ」という町営の宿に泊まることにした。


7/20

りふれは温泉ではないが、きれいで山菜中心の美味しい料理が食べられるいい宿である。
 予定を変更した今日は、石滝川を遡行するはずであったが、雨が本降りでかなり水も濁っているので、さらに予定を変更して赤石沢へ向かう。
 林道終点につく頃には雨も上がってきた。
 滝川へは踏みあとを辿ると堰堤を越えて楽に立てる。滝川の穏やかな川原歩きを約1時間で赤石沢出合に着く。
 出合からも川原歩きが続く。山人パパもなれてきたようだ。
赤い石の小ゴルジュになるころ日が差してきた。

赤い川床の小ゴルジュ
楽しめるところ

その後快適に進み、大ヒド沢をすぎたあたりから竿をだして釣りあがってみるがさっぱりだ。ぼうずのうちになんだか怪しい雰囲気が。なんとこんな緩やかな流れの標高の低いところでスノーブロックがある。幸い左から簡単に低く巻けるが、先が思いやられる。その予感は当たってしまう。スノーブリッジ(SB)である。下流側は既に崩壊していて、とてもくぐれない。なんとかSBに這い上がり、左から草つきを少し登ったところにある潅木に支点を取り懸垂下降で沢床におりる。山人パパは初の懸垂下降である。
モコモコさんは「ここを越えたら先に行くしかないよ」といってくる。山人は適当なところで戻ってもいいと思っていたが、モコモコさんはやる気満々に見えた(実際はモコモコさんは、SBから降りないでそのまま戻ろうと思っていたらしい)ので先に進む。幸いSBは現れないので順調に進み、12m魚止滝に到着。ここは左から巻く。
スノーブリッジを越えてほっとしたところ 12m魚止め滝
 ここから滝といっても小滝なのだが、結構面倒でしかも曇ってきて水も冷たく権現沢出合手前のちょっとした小滝に時間を取られてしまう。権現沢出合付近で泊るするつもりであるがポイントがみつからない。仕方なく先に進むと15mCS滝手前になんとか泊まれそうな場所を見つけたので、今夜の宿とする。本当は15mCS滝上までいきたかったところだが、豪勢な焚き火ができたことでよしとする。



7/21

まだ先は長いので5:40に出発。夜明け頃から雨が降り始め憂鬱である。
15mCS滝は手前左岸から入る沢を少し登ってから小尾根をのっ越して巻く。
滝上はゴーロでグングン高度を上げ始める。水が非常に冷たい。上流からガスが降りてくるまさかと思うとその通り沢が左に曲がるところから沢は雪渓で埋まっている。結果として予定の宿泊地は雪渓の下で、昨日の場所が唯一の泊まり場であった。
 雪渓上を黙々と歩いていくと、滝があるところですっぽり抜けている。しかたなく高巻くことになるが、ここが急な草つきの上雨でドロドロで非常に登るのに苦労する。何とか先の雪渓上へ下降し、二俣まで雪渓を歩くことになる。
 二俣を左に入るとすぐにある3m滝は、晴れて岩が乾いていたら登っていけるのだろうが、今日は危険な気がするので巻くことにする。山人が草つきに足をかけると一瞬わけがわからなくなり、転がっていた。モコモコさんによると滑って落ちたあと1回転半したらしい。ヘルメットをかぶっていて良かった。
延々と続く雪渓。
幸い傾斜がきつくないので比較的楽に歩ける

 ここは二俣へ戻り、スノーブロックに乗り上げたところから草つきをあがり右から巻く。
雨で濁った水が流れる小滝をヨイショヨイショと登ってグングン高度をかせぐ。7mナメ滝や10m滝を登り、沢を詰めていくといつのまにか水流がなくなっている。しかも右により過ぎてしまったらしいので左にトラバースして進路修正をする。あと少しで地蔵岳というところで重要なことに気づく。水をくみわすれたのだ。この後の6時間はかかる下山を考えると水汲みに下ろうかと思ったが、モコモコさんと山人パパの少し歩いても地蔵岳の水場で汲んだほうがいいという忠告に従い先に進む。少しのヤブの中の登りで地蔵岳に着く。ちょうど飯豊本山から縦走してきた登山者に水場の様子を聞くと水を汲めるということなので、くみに行く。
 下山は鍋越山経由のヤブ尾根である。突入するなりヤブである。踏み跡はあるが、あまりはっきりしていない。5〜6分行ったところでモコモコさんと山人パパから「この調子じゃいつ着くか解からない。時間と安全をお金で買おう。」といわれる。確かにこれからでは明るいうちに降りられるかわからないので、引き返して大日杉小屋へおりることにする。
 大日杉小屋の管理人さんに頼んでタクシーを呼んでもらい、タクシーを待つ間に着替えと荷造りを済ませてソーメンを食べる。食べ終わった後小屋の管理人さんにお茶をご馳走になる。小屋は数年前に建て替えたとかでとてもきれいである。管理人さんもとてもいい感じである。
 迎えに来てくれたタクシーで林道終点まで送ってもらい車を回収。これでこの林道をのべ5回通ったことになる。


 総括
 ガイドブックには2級とあり、やさしい沢のはずであるが、やはり飯豊の沢。ぴりりと辛い個所があり充実した遡行になった。しかし、こんなだらだらと梅雨が続いているのに総雨量が少ないらしく、雪渓が全然とけていない。はやく雪渓が融けるくらいザーっとの雨降りのあと梅雨明けしてほしいものだ。


活動記録に戻る

トップへ戻る