山域 飯豊前衛 二王子岳
コース 内ノ倉川 七滝沢
〜増水している沢は恐るべし〜
日程 平成25(2003)年7月11日〜13日(前夜発1泊2日)

 ガイドブックで5段100mや7段130mの滝を持つ七滝沢を知り、見に行こうということで挑戦することにした。
データ
アプローチ

11日
 新宿23:09(ムーンライト越後)〜新潟4:52/4:58〜新発田5:20

コースタイム
7月12日

 新発田5:30〜(タクシー)〜内ノ倉林道入口6:10、6:30〜七滝沢出合7:40
 出合発8:10〜20m滝上B.P.18:00
7月13日
 B.P.6:30〜二俣12:46〜登山道16:00〜二王子神社キャンプ場18:30

7月11日


毎度のことながら電車での移動。今回はムーンライト越後。数年前の飯豊縦走のとき以来の乗車であり、前は村上までの直通運転だったのだが、現在新潟までの運転に変わっていた。そのため、新発田へは乗換えが必要となった。 
 帰宅客の中をムーンライト号に乗り込む。この列車新潟までになった代わりに特急車両を使うようになったらしい。
 定刻より数分遅れて出発し、高崎まで順調に進んだ。
 乗客も多くないので、モコモコさんは空いている席に移って仮眠した。

7月12日
コースタイム
内ノ倉林道入口6:30〜七滝沢出合7:40出合発8:10〜20m滝上B.P.18:00


 新潟で乗り換えて新発田へ。新発田からは予約していたタクシーで内ノ倉ダム奥の林道入り口まで移動(約5,400円)。
 小雨降る中、七滝沢出合へ林道をひたすら歩く。タクシーの運転手さんの話では昨日かなりの雨が降ったらしく、モコモコさんと増水しているかが心配だなあなどと話しながら、途中朝ご飯を食べるために休憩して1時間ほど歩くとようやく出合に着いた。

心配した通り増水している。なんとか内ノ倉川を渡渉して、出合で支度をして出発。
しばらくは大きな岩のゴーロを行くのだが、水量が多いので苦労する。途中にあるナメ滝と長い淵は泳いでいくこともできるそうだが、とてもではないが今日は不可能なので踏みあとを辿って巻く。
長い長いゴーロ歩きに疲れてきた頃、ようやく滝場が始まる。しかし、ここからが地獄であった。水量が多いので、水線突破は無理で、とにかく滝という滝は高巻くことになった。

 一番の楽しみにしていた大滝も雨とガスで一段目がようやく見えるくらいでその上は何も見えない。5段100mは踏み跡はあるのだが、雨で濡れているので結構気を使った。
 そのあとは大きな滝はないものの、ゴーロ滝やCS滝が多く、普通は水に浸っていけそうなところでも今日は飛んで越えなければならなく、かなりきつい。途中モコモコさんはへつりとCS滝で落、挙句には水流を飛んだときに足をすべらせて流れへドボン。普段なら笑ってすませられるが、なんと水流が強く流され始めた。途中の流木にしがみついたが、戻れない様子。下を見るとゴーロ滝となっていて落ちる危険があったため、山人が手伝いなんとか戻れた。 
ここから滝場が始まる
水量が多く滝が怒っているみたいだ。
 モコモコさんはしきりに「きついねー」を繰り返している。ようやく7段130mに着くが、例によって見えるのは1段目のみ。さっさと巻きに入る。ひたすら巻き登る。ガスで視界が利かないのと疲労のため現在地がつかめない。何度も確認を繰り返すがさっぱり見当もつかないのと高巻き途中沢を横切ったので、確認のため一度降りてみるとちょうど4段60m滝の下にでた。ガイドではロープなしで快適に登れるとあるが、1段目を登ると、相変わらず増水中で、まるでダムの放水のような滝が続いている今日は、登るのは危険と判断してさらに巻く。

巻き終わると駄目押しで20m滝が待っていた。ここは左から巻くが、ずっと巻きつづけてきた身にはこの巻きがひどくこたえた。
短い巻きであったが、ようやく巻き終えた感のある20m滝上は、一転して穏やかな流れになった。予定ではもう少し先へ行きたかったが、思わずの増水で遡行に時間がかかり、予定からかなり遅れて体力的にも限界だった。
左岸にちょうどいいBPがあったところで泊まることにした。
 今回は焚き火も点かず冷え込んでさみしいビバークだったが、夜行できた疲れもあり、すぐに寝てしまった。


7月13日
コースタイム
B.P.6:30〜二俣12:46〜登山道16:00〜二王子神社キャンプ場18:30

 今日は昨日に比べて大分水位が下がったみたいだが、まだ水量は多い。
しかし、天気は昨日よりは良さそうだ。
 出発してすぐに小ゴルジュ状になる。特に難しいところも無いが、昨日のうちに抜けるのは無理だったろう。これをすぎるとしばらくは穏やかな流れが続き、居心地の良さそうな泊まり場がいくつかみられた。ここで竿をだしてみるとあっというまに岩魚がつれた。しかし、20cmの大きさだったため流れに帰した。
 1度でも釣れたので満足として竿をしまう。薄日が差してくる頃に6mヒョングリ滝が現れた。これは左壁を登るのだが、相変わらずの水量でとりつくのに苦労した。

 しばらく快適に進む。核心も越え今日は楽勝か?と思った頃、釜を持った小滝が現れた。ここは直接越えられないため、右から巻き上がり、少しトラバースしたところから潅木を支点に少しの斜め懸垂で下降する。ちょうど石があり、足を置くと強い水流に足をとられあっという間に滝下に流されてしまった。ザイルがついたままだったため抜け出すのに苦労した。再度巻き上がるところからやり直し。
 今度は下降したあと流心を飛び越えて突破した。山人が末端を確保しながらモコモコさんも降りてきた。順調にいくかと思ったら足を滑らせ山人と同じ目にあいそうになるが、なんとか突破。予想外に時間をくってしまう。
 今日初めての10m以上の滝である17m滝は、水量があるものの(ガイドブックの写真では砂地がみえていたところでも水位は足首上くらいまであった)今回で唯一快適に登ることができた。
←17m滝
今回唯一快適に登れたところ

後日ガイドや他の記録を見たら砂地が完全に出ていたので+15cmの増水だったようだ
6mヒョングリ滝
ためしにヘつっていこうとしたとき岩魚があわてて逃げていった。
 その後現れる3段10m滝を歓声を上げながら進み、右壁に残置ハーケンがある小滝は水量が相変わらず多く水線通しが無理なため左から巻く。
二俣につくと、左俣にテープの印があるところを右俣に入る。
2段5m滝は、手前の右の踏み跡から上がり、途中の小沢を少し上がったところから滝に向かってトラバースして、その先も人一人が歩けるくらいの幅の棚状を辿るとすぐ上の5m滝も一緒に巻き終わったところに出た。

 用水路取水口をすぎての15m滝を水流を浴びて直登する。水が冷たく、少しの間でも水につけていると手がかじかむくらいだ。その答えは5mくらいの滝を息を切らせて登っていくとあった。源頭は大きな雪田となっていた。傾斜が急であったため雪田上をモコモコさんは歩きたがらず、結局延々と草つきと草原の中間くらいの傾斜のところを潅木を使いながら登りつめると登山道にでた。
←水流を浴びての登り
水が冷たくつらい
10m3段三つ釜 きれいだ
 予定から大幅に遅れ、もはやタクシーを登山口まで呼ばないと今日中に帰れない時間になっていたが、携帯電話が通じない。モコモコさんは帰りもムーンライト越後か寝台特急あけぼので帰ることになるのかと思っていたらしい。途中の定高山でもう一度携帯電話をみるとなんとアンテナが3本立つではないか。助かった。タクシーの予約も無事に取れ一安心。登山口まではよく手入れされていて歩きやすく、誰もいないキャンプ場になんとか明るいうちにたどり着くことができた。
 新幹線は最終になってしまったが、タクシーに連絡がついたお陰で新発田で夕食をとることができた。
 
七滝を見ることが出来ず残念だったが、非常に内容の濃いいい沢だった。
全身筋肉痛になったが、もう一度今度は晴れた日に訪れてみたい。お腹一杯になりました。
 


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