山域 守門岳・浅草岳
コース 大原スキー場〜守門岳(往復)・ムジナ沢〜浅草岳〜早坂尾根・下黒姫沢から黒姫(途中)往復
〜快適スキー環境、うれしいよ!音松荘! 〜
日程 平成15年3月21日〜3月23日
データ アプローチ
3/20;東京19:56〜浦佐21:44/22:09〜小出22:18
3/21;小出5:36〜大白川6:25〜大原スキー場7:15

コースタイム
1日目 3月21日   (大原スキー場〜守門岳往復)
大原スキー場リフト上9:30〜東藤平山12:00〜守門岳13:40/14:00〜東藤平山(下降点)14:20〜大原スキー場15:30
2日目 3月22日 (ムジナ沢から浅草岳(早坂尾根))
五味沢(浅草山荘前)6:30〜ムジナ沢下降点7:55〜滝・高巻き点9:13〜1484m峰10:25〜浅草岳山頂11.30/12:05〜早坂尾根1200m地点12:25〜尾根末端13.15〜右沢林道13:50〜ホテル大自然館前14:25〜音松荘14:40
3日目 3月23日 (下黒姫沢から黒姫(途中まで))
五味沢7:35〜林道終点8:20/8:40〜二又9:20〜1164m峰鞍部11:45/12:30〜林道(途中の小沢出合)13:45/14:30〜五味沢14:44

1日目 3月21日   (大原スキー場〜守門岳往復)
コースタイム:大原スキー場リフト上9:30〜東藤平山12:00〜守門岳13:40/14:00〜東藤平山(下降点)14:20〜大原スキー場15:30

 只見線の始発に乗るために、夜行バスで小出まで行くつもりであったが、バスの予約が取れなかったため、前夜に小出まで入っておくことにした。
 節約のため駅寝をするつもりだったが、モコモコさんから「夏ならいいけどまだこの時期はやめよう。それに小出駅は天気が悪くてもいい寝場所はないよ。」と言われ、宿に泊まることにした。新幹線と宿代で痛い出費となったが、着いたときは小雪が舞っており宿に泊まることにして正解だった。お陰で初日はいつもと比べて体が楽だった。ちなみにモコモコさんは夜中に花粉症で鼻水が止まらなくなりティッシュで鼻栓をして寝ていたためにのどが痛いといって余り調子はよくなさそうだ。

朝一番の只見線に乗り込んだ。我々の他に乗客はいない。
只見線は好きな路線の1つで何回か乗っているが、相変わらずいい感じだ。
大白川へ着くと、駅の周りは何もなくタクシーもいない。タクシーを頼むとここまで来るのに4000円もかかると言われたので、大原スキー場まで歩いていくことにした。歩き始めようとしたら、駅の係員らしき人に「山に行くのかいい?、いいねえ」との言葉をもらった。
 スキー場までは結構な距離があり、思ったより時間がかかったがどうせリフトは8:30にならないと動かない。のんびり支度をして、守門岳へ行くというグループと一緒にストーブで温まりながらリフトが動くのを待った。

リフトが動き出すと皆いっせいに出発した。我々も少し遅れて出発した。
リフトを降りて少し林の中を滑り降りたところでシールをつけて出発した。
 10数名程先行しているので、楽に歩いて行ける。赤布が随所につけられており、静かな林の中の気持ちの良い登りが続いた。
 だんだん尾根がやせてくると東藤平山からの枝尾根に出会った、小さな雪庇があったが問題なく上がれた。少し進むと傾斜が急になりしかも尾根がやせているためスキーを担いであがることになった。

 先行者のお陰でしっかり踏み固められており、スキーを担いでいてもさほど苦しくはない。途中雪庇が割れ始めていた。急登はまだ続くが、スキーで登っていけるようになったのでスキーをはいていく。
一汗かいたころようやく稜線についた。稜線から守門岳へはいままでの急傾斜がうそのようになだらかな稜線となって続いている。
展望もよく気持ちがいい。
少し長めの休憩をとり、守門岳向けて歩き始める。モコモコさんの計画では手前の子烏帽子までであったが、折角なのでモコモコさんを説得して守門岳へ行くことにした。
枝尾根から稜線を見る。稜線手前が急傾斜であることがよくわかる

 途中大きな雪庇に深い亀裂が入っているところがあった。最近は雪が少なくなってきているというのにこの雪庇の大きさである。昔の大雪であったころはどんなのだったのだろう。
←雪庇に亀裂が入り始めた。深さ4m程か?
↑守門岳からの滑りを楽しみに登る
守門岳にだいぶ近づいた頃、山頂下の急斜面をトラバースしている人がいるぞ。危ないなあと思ったら動物だった。遠くだったのではっきりといえないが多分熊の親子だろう。
 山でのお約束「近くに見える山は実際は遠い」の通りなかなか着かない。登ってきた急斜面の下りで時間がかかりそうなので、モコモコさんと話し合った結果13:30までに着かなければ引き返すことにした。
 最後の登りで先行者が続々と滑り降りてくる。早く滑りたい気持ちで頑張るとタイムリミットの10分遅れで頂上についた。
 天気に恵まれて山頂からの眺めは最高だった。記念撮影を済ませてシールをはずして下りにはいる。

山頂から袴腰を見る

 最初少し急な片斜面だったが、気持ちよく小烏帽子の鞍部に着いてしまった。モコモコさんも転びながら楽しそうに降りてきた。
 鞍部からは緩やかな下りになり、あっという間に東藤平山直下の下降点に着いた。
 下降点からは急に傾斜がきつくなる。モコモコさんははたして降りられるかと少し降りたところで待っていると結構スムーズに降りてきた。これなら大丈夫かと思い、往路を忠実に降りていくと、木が密集していて非常に滑りにくい。モコモコさんは転びまくっている。そして、なんと雪庇の亀裂に落ちてしまった。

 右足と上半身が見えているだけで重心は完全に入り込んでいて自力での脱出は不可能らしいので、亀裂におちないように気をつけて、山人が脱出の手伝いをした。
 本人の話によると、亀裂が見えたので向きを変えたら逆にそれが原因になっておちてしまったとのこと。
すっかり戦意喪失してしまったので、スキーを担いで降りることにした。
 楽に降りられるかと思ったら、気温が高かったので雪がグサグサになっていて時折股までもぐってしまう。
 スキーをつけられるくらいまで傾斜が緩やかになったが、余りにもつかれたためシールをつけて下ることにした。 そこからも結構苦労したためスキー場に着いた頃には汗でびっしょりになってしまった。
 結局まともに滑れたのは、守門岳から東藤平山間とゲレンデしかなかった。このコースを楽しむにはまだ修行が足りないと思った。
 モコモコさんとそんな話をしながら宿の送迎の車を待った。
今夜の宿は音松荘。山菜中心の料理はとてもおいしかった。
 疲れていたこともあり早々と寝てしまった。


2日目 3月22日 (ムジナ沢から浅草岳(早坂尾根))

コースタイム:五味沢(浅草山荘前)6:30〜ムジナ沢下降点7:55〜滝・高巻き点9:13〜1484m峰10:25〜浅草岳山頂11.30/12:05〜早坂尾根1200m地点12:25〜尾根末端13.15〜右沢林道13:50〜ホテル大自然館前14:25〜音松荘14:40

 今日も天気がよさそうだ。
今日は同宿の人皆浅草岳に向かう様子だったので、込み合わないうちに登ってしまおうと思い、朝ご飯をお弁当にしてもらい早朝出発。
 出発一番乗りかと思ったら先行者がいる様子。前日にかなり人が入った様子で、たくさんの跡が残っている。
 ムジナ沢へ降り立つと、所々雪崩れた跡と水流が現れているところがあり、少々緊張することもあったが、沢自体はとても広くこちらを滑るのも快適そうだ。
 滝の高巻き地点で腹ごしらえをしていると後から続々と浅草岳を目指す人がやってきた。
 沢の二又あたりから左の尾根に取り付く。急斜面でクラストしているところもあったが、昨日とは違って、すべてスキーを履いて登ることができた。
 1484m峰にあがると一気に周りが見渡せるようになる。
広々としたムジナ沢 鬼が面の岸壁が見えた 前岳からみた浅草岳
 前岳まで鬼が面へ続く稜線がよくみえる。鬼が面方面から登ってくる人が見えた。前岳をすぎると田子倉湖もみえるようになる。
 のんびり写真を撮ったりしながらお昼にちょうどいい時間に山頂へ着いた。
 山頂はすでに何人もの人がいるため少し離れて休憩をとろうと移動したら、今度は山人が雪庇の亀裂に落ちてしまった。昨日のモコモコさんほど落ち込まなかったのでなんとか自力で抜けられた。
 風があり気温もさほど高くはないが、眺めがいいため30分ほど休憩をとった。
 シールをはずしていよいよ滑降。この尾根は昨日守門岳から見えた尾根でありとても楽しみにしていたのだ。幸いにして1人降りたきりで、他の人は皆ムジナ沢を下るらしく、早坂尾根は貸切になりそうだ。

 早坂尾根は広大で、一枚のバーンとなっていて快適にとばせた。
途中テントを立てていた人がいて、登ってきた人となにやら話している。この尾根は滑るには快適だが、登るとそうとう時間がかかって大変だろう。 
 すべりを楽しんでいるとあっという間に1206m付近まできてしまった。このあたりからしばらく傾斜が緩くなるので、休憩するついでにワックスをぬった。
 ほとんど傾斜がなくなったために歩くことが多くなった。1145m付近で林道へ下降する尾根を探しながら歩いていると、ちょうど登ってきた人達に会った。話をすると、早坂尾根は登るのには楽だが、何しろ時間がかかるので残念だがココで引き返すとのことだった。

広大な早坂尾根

 ここからトレースをありがたくいただいて五味沢へ向かった。
傾斜が急になると素晴らしいブナ林の中の滑降となった。モコモコさんも問題なく降りてきた。やがて沢状になった。モコモコさんはなんどか転んだが、吾妻のボブスレーコースに比べると天国である。あっという間に林道に出た。
 林道は滑らないという情報があったため、シールをつけていこうかと一瞬考えたが、しばらくは下りらしいのでシールははらずに様子を見ることにした。
 トレースがついていたお陰で結構良く滑った。なにもしないで、ただスキーを滑らせていくのも結構疲れるもので何度が立ち止まって足を休めた。
 ガイドではこの林道滑走でかなり時間をとっているが、今回はあっと間にホテル大自然館前の除雪終了点に着いた。
 今夜もお世話になる音松荘へ戻ってすぐにお風呂に入らせてもらった。
夕食は鹿鍋だった。初めて食べたがとても美味しかった。
今日もいい気持ちであっという間に寝てしまった。


3日目
 3月23日 (下黒姫沢から黒姫(途中まで))

コースタイム:五味沢7:35〜林道終点8:20/8:40〜二又9:20〜1164m峰鞍部11:45/12:30〜林道(途中の小沢出合)13:45/14:30〜五味沢14:44

 とうとう最終日。
今日はいけるところまでのんびり行こうということで下黒姫沢から黒姫へ向かった。林道入口への橋は雪で埋まっており、音松荘の女将さんに入口を聞いておかないと少しわかりずらくなっていた。
 入口に1台車が止まっていた。どうやら先行者がいるらしい。
林道へ入るとたくさんの跡があった。浅草岳ほどではないがここも昨日までにたくさんのひとが入ったみたいだ。
 林道を歩いていくと、気温がドンドンあがるに従って、最初は凍っていた雪面がやわらかくなると同時に暑くなってきた。
 林道終点から下黒姫沢へ降りて沢をつめていく。

下黒姫沢の下部は所々水流が顔をのぞかせているが、つめていくと流れも雪で埋まって見られなくなる。
 沢は広く気持ちがいいのだが、何しろ暑い。昨日までは標高が低い間は樹林帯だったり、気温が低かったりしたのだが、今日は気温も高く直射日光&照り返しで真夏のようになっていてペースが一向に上がらない。
 そんなこんなで尾根に上がるまでに予想外に時間がかかった。 
  尾根にあがって登っていくと絶好の幕営適地があった。天気も良いしブナ林の中でとても気持ちがいいところでもう1日余裕があったらぜひ泊まりたいと思った。

下黒姫沢をつめていく

ここでまたのんびりとしてしまったため、完全に黒姫まで行くのは時間的に無理だとわかり、11:30をタイムリミットととして登った。
 少しの急登をがんばると11:30を少し過ぎて見晴らしのいいところに着いた。どうやら1164m峰鞍部に着いたらしく、昨日行った浅草岳や目的地だった黒姫の眺めが素晴らしかった。
 初日にここにくればよかったねなどとモコモコさんと話しながら写真をとったりしてゆっくり休んだ後、下ることにした。
 ここからの下りは実に快適であっという間に下黒姫沢までおりてしまった。本当にスキーは乗り物だと感じさせられる瞬間だ。
 その先も特に問題となるところもなく沢を下る。沢が大きく右に曲がる手前でモコモコさんが「ここから少し登ったところから林道に出たほうが快適だ思う。」というので沢から少し上って、シールをつけていくことにした。
 途中少し小沢の形がでてしまっているところで登り返しがあったがモコモコさんが予想した通り林道へ簡単にでることができた。
黒姫がきれいに見えた 休憩地点からの美味しい斜面を下る
 林道は傾斜があるので良く滑る。
途中流れがでていた小沢の水を使ったラーメンを食べていると、単独の人が降りてきた。話を聞くと、その人は黒姫だけでなく袴腰までも行ってきたとのこと。
 暑さで簡単に撤退してしまう我々とはえらい違いだ。見習うべきところである。
 休憩場所から県道まであっという間に着いてしまった。
県道へでると出発時に止めてあった車がちょうど発車した。どうやら単独の人の車だったらしい。
 このコースは最終日でのおまけのようなつもりでたてた予定であったが、おまけにするにはあまりにももったいないコースであった。
 次回もう一度挑戦しようと心に決めて、音松荘で入浴させてもらった後五味沢を後にした。 

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