山域 吾妻連峰
コース 高山下りスキーツアー2003年
〜ラセッルラッセル〜
日程 平成15年3月9日〜3月10日
データ
地形図25000:1吾妻山・土湯温泉


アプローチ:東京駅6:00(やまびこ277)〜福島駅7:22/タクシー吾妻スキー場8:00(タクシー利用約6000円)

コースタイム
一日目 3月9日(土)
 
吾妻スキー場第二リフトトップ11:00〜追分13:40〜五色沼15:00〜一切経山鞍部16:15〜吾妻小舎18:15
2日目 3月10日(日)
 
吾妻小舎8:00〜鳥子平9:00〜高山10:100〜1515m付近11:10〜1024m付近12:40 〜土湯温泉15:00



一日目 3月9日(土)
コースタイム
吾妻スキー場第二リフトトップ11:00〜追分13:40〜五色沼15:00〜一切経山鞍部16:15〜吾妻小舎18:15

朝から東京駅新幹線ホームは大混雑だ。指定席が取れなかったので自由席の車両に並ぼうとすると、多くの人がすでに並んでいて、今から並んでも座れそうにない。仕方ないので一本遅らせて行こうと思い次の列車に並ぼうとするとそこも大勢並んでいてこれまた座れないことが判明!朝から、ホームを行ったり来たりして疲れてしまいました。結局、指定席の車両のデッキで落ち着くことにした。慌ただしくスキーツアーが幕開けした。

今回は八幡平で一緒だった後輩さいとーとパーティーを組む。山人、モコモコさん、さいとーの3人だ。福島駅は小雨が降っていた。早速タクシーに乗り込み吾妻スキー場へ向かう。さいとーの話によると福島は前日、雨がかなり降っていたとのことだ。山へ向かうに連れ小雨から雪に変わってきた。吾妻はかなりの雪が積もった模様だ。除雪車がちょうど作業をしているところだった。タクシーがケツを振って雪道を走る。乗っている私はちょっと心配になってしまった。前にトロトロ走る車がいた。タクシーの運転手さんが「向こうは四駆だげど、こっちは2駆だがら一回止まったら走れね」と呟いた。おいおい大丈夫か?心配していると前の車が進路を譲ってくれた。うー乗っていて疲れてしまった。

吾妻スキー場に到着した。ロッジの中に入ると従業員の人々がテーブルを囲んでコーヒーを飲んでくつろいでいる。なんかどうものんびりムードが漂っている。とにかく、準備に取り掛かることにした。リフトが動いていないので聞いてみると昨日雪が降り積もりすぎてリフトが動かせないとのことだ。待っている間、登山者が続々とロッジにやってきた。彼らもここで足止めをくうことになる。

9時ごろ一番下のリフトが動き出したが、二番目三番目のリフトは止まったままだという。痺れを切らして出発したパーティ−もいる。我々は、ただ待っているのも暇なのでとりあえず一本滑って上の様子を見ることにした。トップに上がってみると先ほど出発したパーティーが二本目のリフト乗り場の所でリフト開始を待っていた。まだ、時間がかかりそうだ。とりあえず二本滑ってロッジでコーヒーを飲んで待機した。

スキー場を登ることになった
第二リフトトップから出発準備をする

しばらくすると、二本目のリフトも動き出したとの情報が入ってきた。三本目のリフトが動くのは午後以降になるとのことだ。二本目のリフトが一番長いので乗れば後は何とかなる。二本目のトップからシールをつけて歩き出すことにした。雪は重く湿った感じだ。我々より先に数パーティーが先行した模様だ。一番最初のパーティーはかなり苦労していると思われる。暑いので、ジャケットを脱いで一休みする。モコモコさんもさいとーも調子は良いようだ。順調にペースを上げて行く。先行していたパーティーに追い付く。どこまで行くのか尋ねてみると吾妻小舎までとのことだ。「若いから後は頼むよ」など期待している。困ったものだ。どうやら、みんな同じようだ。誰かしら先行してラッセルしないといけない状態だ。
厳しいラッセル 稜線までもう少し
ラッセルしながら目印を追って進む
1750m付近のたいらな場所
とうとう我々が一番先頭になってしまった。先頭に立って重い雪のラッセルをする。山人、さいとー、モコモコさんの順番で交代ラッセルして行く。昨年、同じコースを歩いたとき過剰なルート標だなと思っていたが、今回改めてルートが新雪に覆われてしまった時には非常に心強いものだと思った。50分ほどラッセルしたら疲れたので一休み,あとは後続に頑張ってもらうことにした。

 休憩してトレースを辿る。しばらくして、慶応山荘との分岐点に到着する。先行パーティーに追い付いてしまった。追い抜いて先を進む。さらに先行パーティーを追い抜く。標高を上げるにつれ雪質がだんだん軽くなってくる。早々と我々が再びトップに立つ。慶応山荘からは急な斜面のラッセルになる。本来なら、風で雪が飛ばされている個所が雪で埋まっている。ここから、稜線まであと一頑張りだ。

稜線に上がるとそこは雪が風で吹き飛んでいるはずだが、今回は雪がついているのでスキーを脱がなくてもそのまま行くことが出来た。五色沼に直接滑り込んだパーティー三人が沼の上を横断している。なんだか、とってもかっこいい。ロマンを感じてしまう。

家形山の斜面をトラバースする。五色沼を横断したパーティーとちょうど合流した。「何処から登ってきたのですか?」と聞くと「吾妻スキー場からです」とのこと。よくよく聞いてみると慶応山荘から五色沼に通じる小さな尾根を登ってきたようだった。そういえば、慶応山荘手前で我々を追い抜いて行った2パーティーの中の1パーティーだ。

稜線に出てもスキーを履いたまま移動できた

さて後は標高差約100m、一切経山と前大巓との鞍部を目指すのみ。途中で、ツェルトを張って休憩する。ツェルトの中は暖かい。風が遮断されると、落ち着いて休める。休んでいる間に他のパーティ−は我々を追い抜いていってた。休んだところから1ピッチで鞍部に到着する。計画では前大巓周辺で遊んで吾妻小屋に行く予定であったがもう遊んでいる時間は無い。もうすぐ17時になろうとしている。シールを外して滑走準備する。酸ヶ平避難小屋までの斜面は昨年とは打って変わってパウダーの斜面が待っていた。

モコモコさんは昨年このバーンで悪戦苦闘しながら下った苦い経験を持つ。今回はパワーアップしたという証明をする覚悟で滑ると豪語している。最初の斜面は急だが、あとは徐々に緩やかになる。モコモコさんは今シーズン入っての数回のスキースクール通いの甲斐があってわりとスムーズに降りてきた。「私パワーアップした?」とモコモコさんが聞いてきた。「凄いパワーアップしているよ」と答えたら喜んでいた。人間誉められると良い効果になると聞いたことがある。これで、モコモコさんのさらなる上達を期待する。
急だけどいい斜面 気持ちのいい斜面
酸ヶ平避難小屋とモコモコさん? 浄土平へ向けて思い思いに滑る
酸ヶ平避難小屋から、吾妻小屋まではあと一滑りだ。ちょうど良い斜面を快適に滑る。楽しい斜面だ。さいとーも喜んでいる。あとは暖かい小屋でヌクヌクしよう。

吾妻小舎への最後の登りだ。シールを貼る。さいとーの様子がおかしい!シールが板に張り付かないのだ。さいとー曰く、一回も接着剤を塗り足したことが無いということ。それに加えて寒さのため粘着力が落ちてしまったようだ。脇の下に入れて温めたが失敗に終わった。仕方が無いので、さいとーには空身で蟹さん歩きで頑張ってもらうことにした。

ザックは山人が正面で担ぐ。ちょうどザックサンドイッチといった具合だ。山人はさほど苦ではないが、さいとーはかなり苦戦している。日頃から道具の手入れはしておくこと。さいとーは身をもって教えてくれた。
埋もれている
雪に埋もれた吾妻小舎

 さいとーの頑張りで吾妻小舎に18:15頃到着。吾妻小舎はすっぽり雪に覆われていた。そうとう、降り積もったようだ。管理人の遠藤さんに出迎えを受けた。早速靴を脱ぎ、雪を落とし小屋へ入る。暖かく心落ち着くオアシスである。ジャケットはを吊り下げ濡れたものを干して夕食の準備に取り掛かる。


テーブルを囲んでビールで乾杯!室内にはランプが灯されて落ち着いた雰囲気。ストーブがチロチロと燃えている。各テーブルでもそれぞれ宴会が始まっている。総勢13名・4パーティーといった具合だ。


寄せ鍋を食べて明日の行動に備える。ワイワイガヤガヤ飲んでいるうちに21:00近くになってしまった。今夜はここまで明日に備えて寝ることにした。


2日目 3月10日(日)
コースタイム:吾妻小舎8:00〜鳥子平9:00〜高山10:100〜1515m付近11:10〜1024m付近12:40 〜土湯温泉15:00


 フカフカの布団で寝たのでだいぶ疲れがとれた。6時30分に起床。外は晴れてはいないがまずまずの天気だ。昨夜の残り物を食べる。8:00に土湯温泉へ向けて出発する。鳥子平まではに9:00に到着。後続パーティーが来たので先に行ってもらうことにした。夏道とおりに山頂を目指す。ラッセルは先行パーティーと交代しながら進んだ。

10:10に山頂に到着。相変わらず風が強い。少し下って休憩をする。シールを着けて滑走準備をする。時間があるので弱層テストをしてみた。直径30センチ・高さ70センチぐらいの円柱をスコップで掘り出した。両手で抱え込んで軽く引いたらスパッとずれた。詳しくは解からないが注意したほうがいいようだ。
高山への登り

昨年のツアーではモコモコさんは高山からの最初の斜面で苦戦して長い時間降りてこられなかった。今年はパワーアップしたところを証明すると意気込んでいる。スクール通いが成果を発揮した。スムーズに標高を落としてきている。自信を深めるモコモコさんでありました。麦平付近で休憩をする。進路を東へとる。ルートをやや北側にとりすぎたらしい。間違えたらしく滑りにくい。12:00近くに正式なルートに合流した。そこからは、緩やかで広い斜面を好き勝手に滑る。立ち木に激突しないように注意しながら進む。
風が強い! 少し下ると滑りやすい
高山直下の強風地帯 高山から少し下った辺り
狭い尾根の急斜面を一気に下る。途中、モコモコさんが転んで後ろからきたさいとーがよけきれず転ぶ場面があった。そこを過ぎると、再び広い樹林帯の中を滑る。休憩していると吾妻小舎の管理人の遠藤さんが我々を颯爽と追い抜いていってしまった。休憩してから進もうとしていたコースは違っていたので遠藤さんに追い付かれて良かった。

非常に狭い道状の下りに入る。斜面がデコボコで左右に逃げられないので転びまくる。おまけに、デコボコすぎてボーゲンが弾かれてしまう。この場所を抜けるのにかなりの時間を費やしてしまった。シールを張って行けばよかったと今になって思う。

狭すぎるのだ!
ボブスレーコースで撃沈したモコモコさん

 やっと林道に出た。先に行った遠藤さんのトレースが続いている。非常に進みづらい雪質で遠藤さんの苦労が伝わってくる。後続はレールに乗ったように滑るが先頭は大変だ。結局、土湯温泉まで遠藤さんの後をついて行くことになった。最後の最後まで遠藤さんにお世話になってしまった。旅館錦滝で汗を流して今回ツアーは終了した。

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