大沢下りで滑る
山域 吾妻連峰
コース 大沢下り
日程 平成15年2月22日〜2月23日
データ
アプローチ
(夜行バス)東京駅22:30〜米沢駅7:30/(バス)8:00〜白布湯元8:50/(ロープウエイ)天元台9:10


コースタイム
1日目 2月22日
 天元台スキー場10:20〜中大巓11:00〜人形石11:20〜東大巓13:00〜明月荘14:00
2日目 2月23日
 明月荘8:40〜シール外し地点9:15〜渋沢(標高1480m付近)10:20〜砂盛11:40〜大沢駅12:50


1日目 2月22日

 
コースタイム:天元台スキー場10:20〜中大巓11:00〜人形石11:20〜東大巓13:00〜明月荘14:00


京駅からはいつものように夜行バスに乗り込むべくバス停へ向かった。
前回の八幡平のときに乗ったらくちん号は、実はスキーの持ち込み不可であるのを知らずにスキーを担いでいき、「今回は特別です。」ということで積んでもらったので、前のように持ち込み不可だったらどうしようとドキドキしながらのバス待ちだった。
 
今回は乗客が多いらしく2号車まででていた。受付をしてスキーをトランクに積んだ。何も言われずほっとした。
 山形行きの東北急行バスは、らくちん号ほど快適ではないが、やはり夜行路線バスであるのでそこそこ快適に寝られた。
 途中アクシデントがあり、予定を大幅に遅れて米沢に到着した。
 しかし、もともと待ち時間が沢山あったため、乗り換えるのにちょうど良い時間になった。
 元台で支度を済ませ、スキー場トップで登山届を出した。届けを出すと、先に9名程が同ルートで出発したとのことだった。
 今回は明月荘で1泊する予定なため荷物が重くなってしまったが、先行者のトレースのお陰で思ったよりも楽に稜線へ上がれた。
トレースが着いているので楽ちん! 自然の芸術じゃ!
 さあこれから出発だ!
(トレースが着いているので楽ちん!)
人形石にてエビの尻尾
(自然の芸術じゃ!)

 稜線へ出ると風も穏やかで視界もきく。晴れではないが絶好の登山日より。
凡天岩と中大巓への鞍部には単独スキーヤーも見られた。
 モコモコさんと写真の取り合いをしながらいくと人形石に着いた。前方の東大巓の斜面に取り付いている例の9人パーティーであろう先行者が見えた。

 人形石からの下りを楽しむため、シールをはずした。モコモコさんは「シールまたつけたりするのいやだし滑りにこだわらないからそのまま行く。」というので先に行ってもらった。
 コモコさんに大分遅れをとったが、スキーの機動力は素晴らしい。モコモコさんがヨチヨチ滑りをしているところをあっという間に追い抜いた。しかしながら、ザックが以上に重いので足に負担が掛かる。シュラフが入ると機動力が格段と落ちる。しかも銀マットをザックのサイドにくくり付けているので所帯じみている。

 部でシールをつけて待っていると、なんだか疲れた顔をしてモコモコさんがやってきた。どうやらお腹がすいたらしい。休憩させて機嫌を伺う。こうしないと、「私もう行きたくない」や「もういやだ」と不平不満を言い出すのだ。機嫌をとらなければ・・・。
 食べ物をお腹に入れて先に進むと、南方に猪苗代湖が見えた。さらに快調に進むといよいよ今夜の宿の明月荘が見えた。

コモコさんは「すぐに小屋に行って休みたい」言い出す始末。東大巓は目と鼻の先なのに・・・。さっき燃料を腹に詰め込んだはずなのに・・・。大幅に予定を変更させようとしている。、東大巓までは行こうと説得して東大巓へ向かった。(計画では東大巓の東斜面を滑り谷地平方面へ滑って遊ぶ予定だった)
 東大巓からは360°見渡せ最高の景色だった。谷地平まで滑っていきたかったが、モコモコさんはテコでも動かず、既に明月荘へ向かって歩き始めているので、残念だが今回はあきらめることにした。
銀マットに生活感がにじむ どこまでも行きたいな!
二日目最高な天気に恵まれた
(銀マットに生活感がにじむ)
昭元山・家形山・東吾妻方面を望む
(どこまでも行きたいな!)
 コモコさんの足がふと止まった。東大巓東方面の縦走路の斜面が非常に魅力的に見えたのだ。モコモコさんもこの斜面には魅せられたらしく、「ここだったら滑ってもいい。」といって山人がシールをはずしている間に「じゃあいってくるねー。ラララー」と滑り出していった(それでもシールをはすざなかった。しょうがないなあ)。
こんな景色に出会えるのはラッキーだ! 東斜面お勧めです!
幻想的な東大巓に圧倒されるモコモコさん
(こんな景色に出会えるのはラッキーだ!)
東大巓東斜面
(東斜面お勧めです!)
 高差にして約60mのオープンバーン。斜度良し。障害物極少。鞍部まで一気に滑り降りた。快適の一言。空身になって重装備から開放されて滑った。アドレナリンが頭から分泌された。このまま、どこまでも滑って行きたい感覚だ!しかし、今回はおとなしくシールを付けて東大巓まで登り返した。山人は東大巓山頂から明月荘へ向けてシールを外していく作戦をとった。モコモコさんはシールを付けたまま小屋へ向かうという。

 だしは快調だったが傾斜が緩くなると、シールなしではでこぼこに手間取り思ったよりも時間がかかって明月荘に着いた。シールなしだと結構疲れる。
 明月荘はまさしく吾妻の城のようだ。雪壁で周りで囲み、樹氷はさながら明月荘を守る兵士のようだ。明月荘は冬季入口が雪に覆われていて掘り起こしが必要かと思ったら、樹氷の兵士達のお陰か小屋の周りだけぽっかりと雪が少なくなっていた。
 入口の扉が壊れており、完全には閉まらない状態だ。早速小屋へ入り、ツェルトを張った。今夜は憧れだった厳冬期の明月荘に泊まるのでワクワクした。その横でモコモコさんは今回のために用意した象足を履いて喜んでいた。 

二人だけの貸切だ!
ツェルトを張って保温性を高めた
(二人だけの貸切だ!)
 を作ったりしているうちにあっという間に時間が過ぎたが、未だ誰も入ってこない。どうやらご今夜は貸切のようだ。早い夕飯を済ませてそそくさとシュラフに包まった。今回は寒さ対策ばっちりで、冬用シュラフだけでなく3シーズン用シュラフまでもってきているのだ。それと、シュラフカバーの三重モコモコ作戦だ。お陰で朝までヌクヌクと寝られたが、シュラフの内外の気温が大きくて起きるのが非常に辛かった。



2日目 2月23日
 コースタイム:明月荘8:40〜シール外し地点9:15〜渋沢(標高1480m付近)10:20〜砂盛11:40〜大沢駅12:50

:00起床。もっと寝ていたい気分だ。

小屋の中は予想外に気温が高かった。朝起きてツェルト内部の気温は1.6度だった。小屋の中もあまり変わらないと思う。モコモコさんはよほど三枚重ねが気に入ったらしくツェルトの外まで脱皮中の状態でシュラフに入ったまま出てきた。食の前に外を見るとガスっていた。今日は継森まで往復してから降りる予定だったが断念した。

外に放置して置くとこうなりますよ 東大巓北東斜面にも美味しそうなバーンが広がる
スキー板にエビの尻尾ができた
(外に放置して置くとこうなりますよ)
東大巓鞍部より明月荘方面を望む
(東大巓北東斜面にも美味しそうなバーンが広がる)

食を済ませ出発するためスキーを履こうとするとなんとスキーが、、、、、エビの尻尾で全体が覆われていた。
体操して準備をしているとだんだんガスが晴れてきて視界が良くなってきた。
視界がいいので助けられた フカフカ楽しいよ〜
これから滑走!拇森方面を望む
(視界がいいので助けられた)
樹林帯のパウダースノー!ワクワクします
(フカフカ楽しいよ〜)
今日は良い天気だ。モコモコさんに「こんな天気が良くなってきたからから、もったいないから継森まで行こう」と提案した。すると、「いやだ、降りるので体力使うから行かない」と省エネ宣言が飛び出した。モコモコさんは地球にやさしい?のではなく自分にやさしいのだった。こうなってはモコモコさんは手がつけられないのだ。後ろ髪引かれるようにして明月荘を後にした。


いい斜面だ、滑ればよかったな〜!
渋沢には魅力的なオープンバーンが広がっていた
(いい斜面だ、滑ればよかったな〜!)

楽しみの時間がやってきた。小屋を出発して30分も行くと、穏やかな斜面が見えてきた。ここが、通称「くじらの斜面」なのかと思いながら滑走準備に取り掛かる。しかし、一夜明けてもザックが重い。三重モコモコ作戦は滑りにも影響しそうだ。夜寒いよりは良かったのだと自分に言い聞かせ後は気合で滑ることにした。

沢左側の大地を滑る。緩やかな斜面で滑りやすい。粉雪ツリーランを楽しむことが出来た。振り返ると、今まで我々が滑っていた斜面よりもオープンバーンでよだれがでそうな場所が見えた。渋沢に直接滑り込んでいけば良かったのかもしれない。次回は直接滑り込もうと思う。1500m付近で急斜面になった。トラバース気味に渋沢に降りた。さらに沢筋に進むとらしいも所に出た。そこから先を行こうと思えば行けるのだが安全第一にシールを付けて少し戻り対岸を登ることにした。

モコモコさんも大喜びだ!
楽しいよ〜!うれしいよ〜!
スキーはやっぱり不思議な乗り物だ!

(モコモコさんも大喜びだ!)
ばらく登りシールを外して拇森方面へ高度を下げないようにトラバースすると、スキーの跡を発見した。栂森を経由するルートに合流したのだろうと思う。ここで安心して腹越しらいをする。後は砂盛を目指して緩やかな斜面を滑った。砂盛からは密度の濃い樹林を激突しないようふんばって滑る。
ここが「忠ちゃん転ばし」か?
パワーアップしたモコモコは急斜面でも適応できる?
(ここが「忠ちゃん転ばし」か?)

道にでた。林道は緩やかな下りでスキーが良く滑った。途中からスキーの跡が増えてなぜか圧雪されたような跡まである。???の答えは牧場にあった。牧場がスノーモービルのラリー会場のようになっていた。けたたましいエンジン音が吾妻の山に響いていた。林道の多くの跡はスノーモービルだったのだ。なんだか気分が重くなった。少し休憩をとり牧場を後にした。
 牧場から先はあまり傾斜がなく、しかも軽く登るところもあって長く感じた。いいかげん駅はまだかと思ったら大沢スキー場への案内が出た。ガイドにはリフトなどない静かなスキー場とあったが今日は大勢の子供達が遊んでいてとても賑やかだった。
 
へはあとわずか。スキー場から踏み固められた小道へ入ると日陰のため凍っていて暴走し始めた。「これはやばい。先に行ったモコモコさんはきっと大変なことになっているに違いない。」と心配したが、意外や意外。モコモコさんは「ワッハッハ、まるでリュージュだよ。」と楽しんで一気に駅(正確には旧大沢駅)に飛び出したらしい。山人はというと最後の最後でクラッシュしてしまった。

子供達がゴムチューブに乗って遊んでいた
かなりの賑わいの大沢スキー場
(子供達がゴムチューブに乗って遊んでいた)


※天気に恵まれた素晴らしい山行だった。しかし、明月荘に白いマジックで落書きがしてあったのには怒りを感じた。(ツェルトの左側に写っている絵)今度、訪れた時は消そうと思う。

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