山域 奥只見 平ヶ岳
コース 大白沢シロウ沢本流ワカゴイ沢
〜ケロンパの怒りで震える〜
日程 平成14年9月14日〜9月17日
データ 地形図25000:1 平ヶ岳・尾瀬ガ原
 
アプローチ
東京駅6:08〜浦佐駅7:39/バス8:00〜奥只見ダム9:15/船9:25〜尾瀬口10:05/バス10:10〜砂子平10:20(下車) 

コースタイム
1日目 9月14日
入渓11:30〜クロウ沢出合15:10入渓11:30〜クロウ沢出合15:1
2日目 9月15日
クロウ沢出合8:00〜大ハゲ沢出合8:30〜80mゴルジュ入口11:30〜平ヶ岳沢出合13:00〜赤芝沢(幕営)15:30
3日目 9月16日
赤芝沢出合9:00〜15m2段滝11:10〜幅広の枝沢11:44〜奥二俣14:20〜幕営15:10
4日目 9月17日
幕場6:25〜平ヶ岳8:10〜鷹巣13:30



1日目 コースタイム:入渓11:30〜クロウ沢出合15:10


今回の沢は、アプローチまでが一苦労である。新幹線、バス、船、さらにバスへと乗り継いでようやく入渓点に到着だ。途中の砂子平でバスから降ろしてもらった。少し車道を歩き、怪しげな踏み後を辿って只見川へ到達した。只見川は少し濁っている感じがした。水流は結構強かった。我々が準備をしていると、一人の釣師が来てあっという間にヤマメを釣り上げてしまった。この沢は期待できそうだなと細く微笑む。色気を出して今回は竿を持ってきているのだ! 
 天気は曇りで、なんだか雨が降ってきそうな感じだが、本日はクロウ沢出合までなので焦ることはない。ゴーロを歩いているとケロンパ(カエル)を発見した。私はカエルのムチムチ感がたまらなく好きなので早速鷲づかみして感触を楽しむ。至福の時を過ごした後、ケロンパを山に帰した。ごめんよ。

やめてケロ!放してケロ!怨むケロ!
(顔にぼかし入れてます)


クロウ沢出合には誰もいなかった。幕営ポイントはクロウ沢左岸にいくつかあった。今日は貸切なので、一番いい場所を占領しタープを張り準備を進める。焚き木を集め一通り準備をした後、釣りに行くことにした。クロウ沢出合の3m2段滝で竿を垂らすこと5分。当たりがない。寒い。どうやら魚はいないようだ。釣りはやめにした。私はそれほど釣りには執着しない。
 モコモコさんのところに行き焚き火にあたった。夕食の支度をしていると、ポツリポツリと雨が降ってきた。持参したグランドシートを焚き火の上に張って何とか凌ぐ事ができた。結局雨は、夜中も降り続いたが、朝方には上がっていた。、


2日目 コースタイム:クロウ沢出合8:00〜大ハゲ沢出合8:30〜80mゴルジュ入口11:30〜平ヶ岳沢出合13:00〜赤芝沢(幕営)15:30

天気は曇りだったが雨が降ってないだけマシ。準備をして早速出発。今日の予定は赤芝沢の出合までだ。第一核心部の80mゴルジュがあり、そこはガイドで2人で約2時間費やしたとあったところ。そうゆっくりはしていられないので、小さな滝をドカドカ越えていくと、80mゴルジュが現れた。ザイルを出し私がザックを背負ったままで、一つ目の滝に挑んだ。が、むむむ・・・。完全に残置スリングに体重を預ける形になる。厳しい、いったん退却した。お助け紐とメインザイルを引っさげてもう一度挑む。今度は厳しいポイントの直前までザックを背負っていく。手前にザックを置き、お助け紐でザックを引き上げることにし、この方法でなんとかクリアした。

80mゴルジュ入口

次も、空身で取り付いた。やや、傾斜があり、残置スリングの距離が最初の滝よりも離れているのでちょっと難しかった。ゴルジュ内は吐く息が少し白くなるほど寒かったので、すっかり体が冷えてしまったこともあり、結構大変だった。しかし、最初の滝で、このゴルジュの突破方法システムを確立したので思ったよりもスムーズに進むことができた。ラストの10mも残置スリングを利用しクリアした。ここの突破にやはり1時間30分かかった。
 18m2段滝が現れた。最初は中央リッジを行こうとしたが、あと一歩がどうしてもでなかった。残置スリングもあるのに悔しい限りだ。そこで、水流を飛び越え左の藪を高巻いた。
 赤芝沢の出合はいいビバークポイントがなかった。この先本流へ行ってもゴルジュが続きよい泊まり場はありそうもないので、思い切って赤芝沢に求めることにした。20分ほど遡行すると、まあまあいい場所が見つかったので本日はここまでとした。焚き火も盛大になり、おいしく食事をとっているとまたしても雨がポツリポツリ降ってきた。あ〜。あのケロンパの怒りなのか?さっさと片付けをして、タープの下に潜り込んだ。

18m2段滝


3日目 コースタイム:赤芝沢出合9:00〜15m2段滝11:10〜幅広の枝沢11:44〜奥二俣14:20〜幕営15:10

幸い雨は上がっていたが、今にも雨が降り出しそうで今日も寒々している。20m滝を右から高巻いた。わずかな踏み後を辿り進みブッシュを掴みながらルンゼを下降した。その後特に問題となったところもなく、第二の核心部といわれるゴルジュに突入した。最初の核心部と比べると規模も小さい。足を突っ張ってクリアした。なかなか楽しいのだが、体が冷えて結構つらい。例によりザックは吊り上げ方式を採用した。10m滝が現れた。草混じりの右壁を登る。ホールド・ステップともに豊富にあるが高いので少し怖かった

 テントを持ってきていないため、稜線にあがっても仕方がないので本日の予定は源頭部まで。適当なところでビバークする予定だ。二俣を過ぎると、高い木々がまばらになって笹が多くなってきた。いい場所が見当たらない。第一候補として左岸にタケカンバの木が横に伸びている場所を選んだ。さらに先に進んでみたが、ここよりいい場所はなかったのでさきほどの候補地に戻り、笹を切り払い何とか二人が横になれるスペースを確保した。落ち着きカップラーメンの「赤いきつね」食べた。とてもうまい。しかし、ガスのパワーが弱くなってきている。朝までもたないかもしれない。
 それにしても、また雨が降ってきた、青空が見たいよ〜。おまけに少し風も出てきた。寒い。時間は早いがシュラフに包まることにした。


4日目 コースタイム:幕場6:25〜平ヶ岳8:10〜鷹巣13:30

何とか天気は雨は降らずもっている。しかし、油断を許さぬ状況だ。ガスはやはり、弱々しい炎をあげて虚しく消えてしまった。予備を持ってくればよかった。中途半端に温まった雑炊を食べた。ぬるまずい。しかし贅沢は言ってられないのでまずいといいながらもムシャムシャ食べた。

 さあ今日も曇り空の中の出発だ。やさしい小滝をぐんぐんと越えていく、辺りがだいぶ開けてきた。山頂はもうすぐだというところで雨が降ってきた。お陰でガスがかかっていてどこを目指せばよいのか分からなってしまった。ガスの中ちょっとした笹藪地帯を抜けると草原が待っていた。晴れていれば最高なんだがなあと言いながらのんびり歩いていくと、木道の登山道に飛び出た。山頂のすぐそばだった。雨が強く降ってきたので証拠写真を撮りすぐさま下山にすることにした。すべての装備を身に付けたまま鷹ノ巣を目指す。登山道はぬかるみ、泥水が溝を流れて泥沢のようになっていた。

 下山に約五時間かかった。尾瀬口までのバスがくるまで時間があるので、鷹ノ巣まで移動して清四朗小屋で休憩させてもらうことにした。
清四朗小屋でビールを頼んだ。するとぜんまいの煮物がサービスで付いてきた。うまい。ビールを飲んで、すっかりいい気分になってしまった。とっても居心地の良い素敵な小屋だ。雨は相変わらず降り続いた。
 今回は一度も太陽を見なかった。やはりケロンパの怒りだったのだろうか?その証拠にちょうどバスが来る頃に太陽が顔を覗かせ一気に晴れ渡ってきた。悔しい。ケロンパ恐るべし!

雨の中、草原を行く

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