山域 |
尾瀬 平ヶ岳 |
コース |
鳩待峠〜山ノ鼻〜平ヶ岳(往復)・山ノ鼻〜鳩待峠〜悪沢岳(往復) |
〜憧れの遥かなる平ヶ岳へ〜 |
日程 |
2002年5月2〜5月4日 |
データ |
|
1日目 5月2日
鳩待峠〜横田代〜山ノ鼻(泊)
今シーズン最後のスキーだ。
今年は雪の量が多くなく十分な残雪があるか心配だったが、宿泊予定の山小屋へ問い合わせたところまだ1m以上あるとのことだったので、予定通り出発した。
電車、バスを乗り次いでようやく昼近くに鳩待峠へ到着した。これだけ交通機関が発達してもやはり遥かなる尾瀬なのであった。
準備を済ませ、出発。
そのまま山ノ鼻へ降りてもいいのだが、折角なので横田代まで登ってから降りることにした。
登り始めはそこそこの傾斜があるが、すぐに緩やかな登りになる。そこからは、天気がいいこともあってハイキング気分で進んだ。途中カップルが追いついてきたが、途中で目指す方向が違うのかすぐに辺りは貸切の状態になった。
しばらくすると平坦な
横田代に出た。ここでシールをはずし、山ノ鼻へ一直線、、、のはずだったが、やぶがあちこちで出ていたため迂回しながらの下降となった。ようやく気持ちよく滑っていける所へ着いたが、そのまま滑っていくとまたもや藪。しかたなくヤブをよけながら沢へ下る。幸い沢に入ってからは下まで降りられそうだが、一箇所笹の罠にかかり、もがき苦しんだ。
|
いい天気だ。至仏山が良く見える |
モコモコさんもがんばってついてきた。罠のところは板を外したので問題なく通過した。思ったより時間がかかったが、山ノ鼻へ到着。
今回は身軽に行動できるよう山小屋に泊まることにしていた。小屋は、食事、布団、お風呂までついている。しかもすいていて相部屋にならず、個室で寝られてとても快適だった。
明日に備え早めに床に着いた。
2日目 5月3日
山ノ鼻〜平ガ岳(往復)
前日に用意してもらった弁当を食べ、荷物を小屋にデポして出発。
5月ともなると早朝でも大分暖かくなっていたが、やはり尾瀬だけあって、湿原上の雪は凍っていた。
途中至仏山のムジナ沢をみて滑りたい気持ちになりながら1時間ほどで猫又川の二俣についた。二俣にはテントが張られていた。静かな樹林の中で水も豊富にあるいいところだ。雪のお陰で、夏は立ち入り禁止区域でもこのときだけ自由に歩き回ることができる。
左俣沿いに歩いていくと谷が狭まってきた。奥の二俣も左に入り、支尾根にとりくつための登りにかかると我々が登ろうとしているところをカモシカが先に登っていた。カモシカはしばらくこちらを見ていたが、追いつかれることはないと解かったらしく自前のアイゼンをきかせてあっという間に登り切ってしまった。
|
|
猫又川二俣付近。いいところだ。 |
ぐいぐい登るカモシカ。
モコモコさんの太ももも見た目いい勝負をしているが、中身(質)は、、、 |
昨日同様いい天気で、ススガ峰に続く支尾根に登っただけで汗をかいた。
日焼け止めを塗ったりしてるうちに奥の二俣で追いついてきた4人組みが快調に登ってきて我々を追い抜いていった。
樹林帯の尾根をゆっくり登ることしばらくで、ススガ峰が見えてきた。
ススガ峰手前で景鶴山からきたという単独の登山者とすれ違った。みなそれぞれに残雪が与えてくれた道を思い思いに楽しんでるようだ。 ススガ峰に到着すると目指す平ヶ岳が先が長いことを告げるかのように姿を表した。
|
ススガ峰から見た平ヶ岳。すぐそこに見えるが、山頂へは右に伸びる尾根を延々といかなければならない。 |
ススガ峰からシールをつけたまま滑り降りる。気持ちよく滑り始めたと思ったら、目の前が切れ落ちていて、危うく転落するところだった。後ろを見るとモコモコさんが後をヨタヨタと滑っていて崖に気づく余裕がなさそうだったので、あわてて方向をかえるように叫んだ。
降りた後にモコモコさんに「崖下が見えてしまった。」と告げたところ、その崖を見たモコモコさんは「そのまま飛んでたら天国まで行っていたね。危なかったね。」と言った。
|
ここで飛んで着地に成功したらジャンプラージヒル優勝? |
その後は、ゆるやかな上り下りが続き快適な歩きとなる。山スキーのモコモコさんは思ったよりも足にくるらしく、疲れ気味でペースが落ちてくる。
このペースだと平ヶ岳までは時間切れでいけないかもなあと思っていると、とうとうモコモコさんから「このままじゃ平ヶ岳までいけないから私はここで留守番してる方がいいような気がする。テレマークスキーで一人だったらいってこられるでしょ?」と言い出した。
モコモコさんは留守番する決心が既についているらしかったので、言葉に甘えて「それじゃ行ってくる。」ということで、モコモコさんにツェルト渡して平ヶ岳へと一人で向かった。
|
モコモコさん留守番地点から来たところを振り返る |
白沢山へ少し登り下ると、平ヶ岳へ最後の登り。登りきると山頂はだだっ広く、まさしく平ヶ岳だった。
山頂で先に着いていた人に記念写真を撮ってもらい、もっとゆっくりしていたいところだが、シールを外し、くだりにかかる。いい斜面だ。ここがこの3日間で一番楽しいくだりとなった。
モコモコさんの所へ戻るのに登り返しがあるが、シールをつけずに登れた。
|
|
とうとう平ヶ岳山頂だ。平ヶ岳の感動的な初登頂だった。 |
モコモコさん留守番地点から見た平ヶ岳。
山頂からの斜面は最高だった。 |
モコモコさんが待っているのが見えてきた。モコモコさんの所へ戻ると、「早かったね。やっぱり私が一緒だったらとても行けなかったよ。」と出迎えてくれた。
往路は来たところを忠実に戻る。
来るときも長い道のりだと思ったが、帰りは行き以上に長く感じた。ススガ峰までようやく戻り、行たときより少し南を下降地点とし、沢に向かって滑った。なかなか快適だ。あまり降り過ぎないようにし、途中トラバース気味に奥の二俣を目指す。最後は急な下りになるのでスキーを外して降りた。降りたところはちょうど奥の二俣だった。
後は山ノ鼻まで戻るだけ。しかし、シールを外したままでも結構歩けるテレマークとは違い、山スキーのモコモコさんは、ちょっとの傾斜があると苦労している。朝はカチカチに凍っていた湿原は、あちこちが融けて水溜りになっていて、スキーの先がささりそうになり結構歩きにくい。そんなこんなで思ったよりも時間がかかり、小屋につく頃には薄暗くなってしまっていた。
お風呂にはいり、夕食時乾杯をしてスキーの機動力に感謝しつつ今日の余韻にひたった。今日は連休初日だけあって宿泊者が多いらしく、さすがに相部屋になったが、それでもゆったりと寝られた。
3日目 5月4日
山ノ鼻〜鳩待峠〜悪沢岳(往復)
最終日の今日は、鳩待峠まで夏道通りに戻り、笠ヶ岳経由で湯の小屋温泉へ下るつもりだった。しかし、天気が長くもちそうもないのであきらめるしかない。かといって、そのまま帰るのももったいないので至仏山手前の悪沢岳までピストンしてくることにした。
鳩待峠へは夏道を登るが、次々と人が降りてくる。さすが尾瀬大人気だ。鳩待峠に着いて荷物をデポしてから悪沢岳へ登りにかかる。道はトレースがはっきりついており、赤布もいたるところに見つけられているので、何も考えずに歩ける。途中雨がぱらついたりしたが、悪沢岳に近づくと至仏山もなんとかみえた。
写真を撮ったりしていると、次々とスキーやスノーボードをかついで至仏山へ向かっていく人が通っていく。
我々はここでUターン。シールを外して鳩待峠にあっという間に降りてしまった。
昨日はひたすら歩いたが、今日は短いが登り返すこともなく滑りを楽しくことができた。
|
悪沢岳付近から見た至仏山 |
バスの時間までたっぷりあるので、帰り支度をしてゆっくり休んだ。
バスに乗り、途中戸倉でバスを乗り換えて、例のごとくよだれを垂らしながら揺られていくこと約1時間半。沼田駅に着いたときは雨が降っていた。電車まで時間があり、お腹もすいていたので、モコモコさんが気になっていたというとんかつ屋「山彦」に入った。なんでもこのお店は山帰りの人がよく訪れる店だとか。入ってみてなるほど。今では手に入らないだろう年代物の山渓が積んである。出できた定食もボリュームたっぷり。
お腹も満足して帰りの電車に乗る。スキーを持っていると「この時期に?」という目でみられたが、それがまた快感なのだ。
今シーズン最後のスキーであった3日間は、非常に楽しむことができた。
活動記録に戻る
トップへ戻る