主要人物紹介

(きく)
一ヶ谷衆頭目の一人娘。
女子ながらも次期御頭として周囲から期待され、また、本人もそれに応えるべく日々尽くす努力家。

小太郎(こたろう)
菊に命を救われて以来、常に側にくっついている少年。
泣き虫・弱気・イヌ属性の三拍子。

高次(たかつぐ)
一ヶ谷衆 現・頭目の側役を務める手練れの忍。
九郎とは義理の兄弟。(実母が九郎の父の後妻)
名字は真島
(ましま)

御頭九郎(おかしら/くろう)
一ヶ谷衆 現・頭目。菊の父親。
正式な名は、葛木九郎景勝。

北の方菜津(きたのかた/なつ)
一ヶ谷衆 現・頭目の妻。菊の母親。
下級武士の家の出であるため、彼女は忍でも何でもない。

小春(こはる)
高次を慕い、一ヶ谷へとやってきた少女。
番外編 『紫雲〜』に登場。

シエ(シエ)
高次の生母であり、先代頭目の後妻。
番外編 『紫雲〜』に登場。


用語集

■ 一ヶ谷衆
  
(いちがやしゅう)
菊や小太郎たちの属する忍軍。
戦国の終焉した世に於いてでは以前程の隆盛は無いが、それでも近隣に名の馳せた忍衆である。
■ 側役(そばやく) 御頭の補佐として最も側近くに仕える忍の役職名。
組織の運営に関わる訳ではなく、あくまでも御頭の右腕として、刃となり盾となり、血命を賭して尽くす。
■ 投げ打ち 手裏剣などの投擲技術を指す。
■ 高次の道場 鬼の棲む場所として里の子供達の間ではかなり有名。
■ 犬 菊の中では『可愛い』と同義語。
■ 北の方(きたのかた) この話中では御頭の妻の敬称として使用。
でも忍屋敷が寝殿造りという訳ではありません念の為。
■ 連銭葦毛
  
(れんせんあしげ)
葦毛に灰色の丸い斑点の馬。平家物語の一文が有名。
ちなみに連銭葦毛=虎葦毛、そこから取って虎御前、故にトラ、です。
■ 上忍・下忍 忍社会を大きく分けた時の序列名。
現代社会で言う所の役職者が上忍、一般職務者=下忍。
作中では、葛木家の一族が上忍、里人の大半は下忍。
■ 苦無(くない) 地面や壁に穴を穿つ為の忍道具。
■ 火縄(ひなわ) この場合は火縄銃の事。
■ 棒手裏剣 放射形の通常型に対し、短剣状になっている手裏剣。
■ 飛薙(ひさなぎ) 【ネタバレ反転】
 小太郎の元服名。 側役を拝命した時に役目と同時に賜ったもの。これも命名は菊。
【ネタバレ終わり】
■ 葛木家(かつらぎけ) 一ヶ谷衆頭目一族の家名。九郎や菊の名字。
幕府や諸藩からの隠れ蓑として、表向きは周囲一帯の地主を兼ねた豪農を装っている。