ロックオン





失言だった。

「ちったぁ女以外のことを考えられねぇのか」

女の尻ばかり追っかけているルパンに、もっと仕事の方に熱を入れて欲しくて言った言葉だったのに。

「女を見たら口説くのはオレのポリシーなの。それっくらい知ってるでしょ」
「だから、たまには女以外のことにもちゃんと眼を向けてねーと、大事なもん取り逃がすって言ってんだ」
「なんだ、次元ちゃん。それって嫉妬してるわけ? オレがおまえ以上に女に構ってるのが気に入らないのか?」
「ば、ばか言ってんじゃねー。オレはただ、女にうつつを抜かして仕事に穴開けられたら大変だから…」
「真っ赤になっちゃって、可愛いねぇ次元ちゃんは。う〜ん、でも困るな。女も大事だけど、それ以上に大事な次元ちゃんに逃げられたら、オレもう悲しくって死んじゃうかも」

 ルパンはわざとらしく悲しそうな顔をして、

「じゃぁ、今夜は次元ちゃんを構い倒すことに決定!」

 なんてぬかして服を脱ぎ始めた。

「おいおい、何をやる気だよ」
「もちろんナニだよん」

 誰がやるって言ったよ、おい!
 くだらないシャレを言ってる暇もあればこそ。
 オレの銃を扱う腕より早く服を脱いだかと思うと、あっという間に器用な長い手はオレのタイを抜いてシャツを剥ぎにかかっていた。

「おいっ、冗談だろ?! こんなところで始める気かよ」

 リビングのソファなんて、いつ誰が入ってくるかわかんないところなんて絶対イヤだ。それくらいの羞恥心はわかって欲しい。

「もう、次元ちゃんたら恥ずかしがり屋さんなんだから」

 スラックスを一気に引き抜いて、いざ圧し掛かってきたルパンは、オレの羞恥心を汲んでくれたのか、オレを横抱きにして隣の寝室に移動してくれた。そんな細かい気遣い見せるくらいならやめてくれればいいのに…。

「さぁ、これで心置きなく可愛がってやれるぜ」
 
 ベッドはお誂え向きにダブルときてやがる。
 シーツの肌に擦れる感触が、いやに生々しい。

「や、やっぱよそうぜ、ルパン。こんなごつい男を抱いても楽しくなんかねーだろ、な?こんなことするなら、女の方がいいに決まってる」
「だーめ。オレのマグナムの照準はもう次元にロックオンされちゃったから変更できないの。いい加減観念しようね」
「い、イヤダ、あ、ア…ァ、ンンッ!」

 オレの言葉は聞き入れることなく、その夜は朝までしっかり構い倒されてしまうことになったのだった。


〜FIN〜





初めての挿絵つきSSです。しかもフォトショによる初ルジ。
さくらは昔マンガとか描いていたのですが、最近はずっとお話ばかりでした。
こんなヘタクソな絵ですんまそんって感じです。
妄想だけは頭の中でフルカラーなんだけどぁ……。
さくら瑞樹著