++ 注意 ++

ここから先は、原作無視のアラボロパロディ小説があります。
管理人の趣味のみで書きなぐったような小説です。
原作の設定のみしか受け付けない方は引き返しましょう。
大丈夫な方は、どうぞ下へお進みください。






























Dr.Fraud









深夜の病棟は、静まり返っていた。
時折聞こえるサイレンの音以外は、遠くで忙しそうに働く看護婦の気配だけ。




 外科病棟のボロミアの個室は、ナースステーションから一番離れた角にある。
「具合はどうですか?」
 傷の痛みに目が覚めると、男がひとり枕元に立っていた。
 なんだか見覚えのある顔だと思っていると、
「アラゴルン?」
 まさかと思って目を凝らすが、やっぱりそれはアラゴルンだった。
「どうしてあなたがここに…?」
 思いがけないところで見た恋人の顔に、ボロミアは傷の痛みも一瞬忘れて問うていた。
 それというのも、すべてボロミアの現状にある。


 ボロミアが交通事故でこの病院に運ばれたのは今朝のことだった。一方通行の道を歩いていて、標識を無視して進入してきた車に撥ねられた。
 擦り傷や打撲はそんなにひどくはなかったものの、右足がポッキリ折れていて、結局しばらく入院することになったのだ。
 そんなところに、お互いの仕事場に通勤するため今朝別れたばかりの男の顔があれば誰だって驚くだろう。
 しかしアラゴルンは落ち着いていた。
「私の仕事は何だ?」
「医者」
「ここは?」
「……病院」
「理解できたかい?」
「でもここに勤めているとは知らなかった。と言うかあなたは大学の研究室にいるんじゃなかったのか?」
 ボロミアが搬送されたのは州の救急指定病院だ。いくら外科医でも大学で研究医としての仕事をしているアラゴルンがいる理由にはならない。
「言ってなかったかな。昨日から一週間あまり外科の臨床指導に来ているんだよ。私もたまにはこうして現場に出ないと腕が鈍るしね。で、そこへちょうどあなたが運ばれてきた、というわけさ」
 清潔な白衣に似合わぬワイルドな風貌で、アラゴルンは笑って言った。
「それより、そろそろ痛み止めが切れる頃だと思うんだが、どう? 辛くないかい?」
 言われて、とたんにズキズキとぶり返したような気がして、ボロミアは痛みに眉をひそめた。
「痛い……」
「だろうね。ポッキリだから。どら、熱はどうかな」
 節高い大きな手が、前髪をかき上げるようにして額にそっと添えられた。
「ああ、やっぱりある。寝汗もかなりかいているみたいだし、湿布も変えるからついでに着替えをしよう」
 言うなりアラゴルンはボロミアのパジャマを脱がせにかかった。
「え、でも医師にそんなことまで…っ」
 そういうのは看護婦の仕事ではないだろうか?
「みんな忙しいからね。幸い私にだってそれくらいのことはできる」
 首をかしげている間に上半身を剥かれたボロミアは、肩と脇腹のガーゼを剥がされて低く呻いた。
「痛かったかい?」
「いや…。これくらい我慢できる」
「嘘はいけない。こんなに赤く擦り切れて。さぞ痛かっただろうに。きれいな肌なのにもったいない。交通事故で運ばれてきたのが、あなただとわかった時の私の気持ちも察して欲しいよ」
 そんなにひどい傷ではないが、ボロミアの身体には事故の時に負った切り傷擦り傷があちこちにある。愛しい人の傷だらけの痛ましい姿に、アラゴルンは慰撫するように首筋から胸元へ指を滑らせた。
「アラゴルン…」
 さぞ驚いたことだろうと思い、ボロミアは心配させたことを詫びるように目を伏せる。
 だが、恋人の甘い感傷もそこまでだった。
 傷のひとつひとつを、丁寧にアラゴルンの指がなぞる。それが夜の愛撫を思い起こさせて、ヒクリ、とボロミアの咽喉が震えた。
 触診のはずなのに、まるで性的興奮を誘うような触れ方に、ボロミアは一瞬戸惑った。
「ちょ、ちょっと、アラゴルン…」
「けっこう熱は高いな。こんなに高いと節が痛んで苦しいだろう?」
 言われてみれば、そうかもしれないとボロミアは思った。
「骨折をすると、だいたい二・三日は発熱するからね。今夜あたりが一番苦しいはずだよ」
 アラゴルンは長い指先で汗の滲む額にかかる髪を優しくかき上げて言った。
「熱が出るのは身体が元通りに治ろうとしている証拠だが、このままではあなたの体力が持たない。少し解熱剤を処方しよう。それと痛み止めも」
 そう言うと、アラゴルンは上半身だけでなく下半身の服まで剥ぎ取ろうとした。
「な、何するんだ…っ!?」
 慌てて抵抗するボロミア。
「ほら、動かないで。言うことを聞きなさい」
「……っ」
 子どもをあやすような口調とは裏腹に、男の腕は強引だった。
 抵抗するボロミアを押さえつけて、骨折していない方の脚に乗り上げ、無理やり下着ごとパジャマを引き下げる。
 片足を固定された状態でロクな抵抗もできない上、無茶な動きをしたせいで、ボロミアはズキリと走った痛みに悲鳴を上げた。
「や、……っ、い、痛っ…」
「ほら、だから動いたら駄目だって言っただろう?」
 痛みに涙ぐむボロミアの耳元に、優しく囁く声は悪魔のようだ。
「どう…して、こんなことを……」
「熱を下げるにはここから薬を入れるのが一番早いからだよ」
 そう言ってアラゴルンの指が触れたのは、ボロミアが想像したこともない恥ずかしい箇処だった。
「――― ッ!! い、いや、いやだっ…そんな恥ずかしいことはできないっ」
「何をいまさら。毎晩私にかわいがられている処じゃないか」
「それとこれとは別だ!」
 夜のことをこんなところで持ち出すのは反則だと思う。合意の上でお互いにムードづくりをしているときと比べられるのはあんまりだ。
 言わば素面の状態でことに及ぼうとする男のあまりな言いぐさに、痛みも忘れてボロミアは必死で身を捩った。
 だがあっさりと抵抗を封じ込んだ男は、両膝の裏に手を添えると、片足を浮かせたままM字にボロミアの股間を開いた。閉じられないように、すぐさま身体をその間に入れる。
「観念しなさい。そんなに恥ずかしがって、もしかして私を煽ってるのかい?」
「ふ、ふざけるな……っ」
「かわいい蕾だ。普段は何も知らない処女のように慎ましいな」
 息がかかるくらい近くに顔を寄せて、男がボロミアの秘処について形容する。
 いくら部屋が薄暗いとはいえ、見られていると感じるだけで羞恥心が苛まれて、ボロミアの心は焼き切れそうだった。
「このままでは痛いかもしれない。薬を入れる前にたっぷり解してあげるよ」
 これ以上何をする気だと思ったとたん、

 ちゅ…

 暖かいモノがそこを這った。

 ちゅ、ちゅく…、ちゅ…

「や…っ!」
 男の舌だった。
 生暖かい感触が、ボロミアの恥ずかしい箇処を這いずり回る。
 あまりのことに呆然とするボロミアをよそに、男は襞のあわいから丁寧に唾液をまぶして硬い蕾をほころばせようとさらに深く口付けてきた。
「あぁ……う…く……っ、…め…てくれ……っ」
 普段、性行為のときでさえ、そこを弄られるはつらいのに。
 どんなに嫌がっても執拗にそこを嬲る男のせいで、ボロミアの蕾はすっかり感じやすい性感帯になってしまっていた。嫌だと思っていても、身体の方が先に反応してしまう。

 まずい……このままでは……っ

 ボロミアは焦ったがもう遅い。
 やがて内部にまで侵入してきた舌先に花蕾はわななくように収縮し、いっそう激しく蠢く舌に、下肢の力が抜け落ちた内股はヒクヒクと痙攣を繰り返すばかり。
「いや……いや…だ…っ、あ、ああぅ…こんな…―――――ッヒ、アアッ・・・」
 なんとかして逃れようと男の頭に手を伸ばすが、緩く激しく蠢く舌先に翻弄されてどうにもならない。手は男の頭に添えられたまま、髪に絡んだ指先さえも力なく震えただけだった。
 ボロミア自身も、後ろを嬲られる快感に涙をこぼすほど反応してしまっていた。
「おやおや、私は治療をしているつもりなんだがね」
 エレクトしたボロミアに、男は口の端を上げて微かに笑みを浮かべる。
「このままでは薬を入れただけでイッてしましそうだ」
「………っ」
 羞恥心に頬を紅潮させながらも睨むと、アラゴルンは取り出したセロファンの包みを開いて、何かを口に含んだところだった。
 淫猥に緩んだ隙間に指を入れて少し開くと、再びそこに口付けて、含んだ物をゆっくりボロミアの蕾の中に押し込んでいく。
「あ、ああ…っ、なに……をっ」
 それは小指の先ほどのカプセルだった。
 硬く、小さなそれは、男の舌先に押し込まれて、どんどん中に入ってくる。
「もう少し我慢して。奥まで入れないと効かないからね」
 舌先で入れた後は、指でさらに奥まで押し込まれた。内壁を擦るように刺激しながら進入してくる異物に、はしたなく甘い声が上がる。
「はあぁっ…!」
「どうした? 気持ちいいのかい?」
「ち、違…う…」
「嘘はいけないね。こんなに蜜を溢れさせて。もうイきたいんだろう?」
 男の言うとおり、ボロミアの中心は中を刺激されるたびに溢れる蜜で濡れ光っていた。
 無理やり刺激されて引きずり出された熱が内部で荒れ狂い、ボロミアを攻め立てている。
「いいよ。このまま一度イってしまいなさい」
 内部に埋めた指はそのままに、アラゴルンはボロミアの中心を咥えた。同時に、中の指を曲げて擦るように刺激する。
「ひ……あ……ああ…っ!」
 堪える間もなく熱が弾けて、ボロミアは達していた。
 しかも、無意識に内部の指を締め付けた相乗効果で、それは一度ではおさまらない。
「う…くぅ…ひっ……く」
 過ぎる快感は拷問に等しい。
 ヒクヒクと痙攣する下腹部に合わせてしゃくりあげていると、男の手が優しくボロミアの頬を包んだ。
「そんなに泣かないで。あなたを苛めたいわけではないんだ」
 ぽろぽろと涙を零すボロミアを、アラゴルンは優しい声で慰める。
「何がそんなに嫌だったんだ? 薬を処方するのも、そのために痛くないようにここを解すのも、みんなあなたのためなのに」
「だって……だって…こんな…」
 百歩譲って医療行為と言われても、感じてしまうものはしかたがない。どんな刺激にも、男に与えられれば快感になってしまう己の身体を持て余し、ボロミアは制御できない辛さに泣いた。
「こんな、私ばかり……っ、感じてしまうのは…恥ずかしい…」
それらすべてを男の冷静な視線にさらされていればなおさらだ。
「どうして欲しい? ボロミア」
 途切れ途切れに言い募るボロミアが羞恥にキュッと硬く目を閉じるしぐさを抱きしめたくなるほど愛おしく思いながら、アラゴルンは囁くように問いかけた。
「指、指を抜いて……」
「それは……、薬が中で溶けてしまうまではこうしていないと出てきてしまうんだよ」
 そう言いながら、男の指は栓の役割以上の動きで、ボロミアの内部を微妙に擦り上げる。
「ああ…、はぁ……ん…っ」
 悪戯な指の動きに蕩けそうになった肉襞は、もはや指では物足りなかくなっていた。
「だったら……」
 もどかしさに無意識に腰を揺するボロミアに、アラゴルンはようやく何を求められているかを悟った。
「だったら、他のモノで栓をしようか。例えば…」
 くつろげたズボンの中の高ぶりをそっと押し付ける。
「これを代わりになんてどうだい?」
「ああ…」
 溜息のような喘ぎが答えだった。
 ゆっくりと引き抜いた指の代わりに、アラゴルンは己の熱い塊を挿入する。
「は、ああっ……く、うぅっ」
 狭いそこを無理やり進む熱塊の刺激に、入れられただけでボロミアの前はまた弾けてしまった。
 堪え性のなさを恥じていると、男が、
「いいんだよ、我慢しなくて。イきたいだけイってかまわないから。ほら、こんな風に」
「や、ああっ、んん……や、ま、また……っ!」
 軽く腰を揺すられただけで、ボロミアの背中を痺れるような電流が走り抜ける。
 硬く逞しい男の雄根が抜き差しされ始めると、何度も絶頂に追い上げられた。
「何度でもイかせてあげるよボロミア。これから毎晩ね……」
 男の激しい動きに翻弄されるボロミアに、最後のほうは、聞こえていたのかどうか。
 だが、その後ボロミアは、男の言葉どおり、入院中ずっとこのイカガワシイ医療行為(という名のセクハラ)を密かに施されることになる。


 ボロミアの骨折が完治したのは、それから二ヶ月後のことだった。










如何様医者と哀れな患者のお話。
スズヒナ様とこのチャットで盛り上がって勢いで出来てしまった小説です。
モエるシチュエーションについて熱く語り合ってたらこうなってしまいました<爆>。
突っ込みどころ満載ですが、深く考えないで読み流してくだされ〜…。
ちなみにタイトルの意味はドクター詐欺師ってやつで、まんま如何様医者。
1000Hitを踏んでくださったスズヒナ様に捧げます。

2003/10/04 さくら瑞樹著