鹿の湯


【2004.3.28】  
鹿の湯
栃木県那須郡那須町湯本181
0287-76-3098
8:00-17:00(11月-3月:8:00-16:00)
大人400円、子供300円
東北道那須ICより那須街道を経由して那須温泉方面へ道なりに直進して20分。


コメント:渓谷沿いにある湯治場。すぐ傍には硫黄の噴出している「殺生石」という谷あいの野原があり、温泉神社に続いている。鹿の湯から下の方に向かって民宿街が広がっている。以下は那須町教育委員会による湯本温泉源についての説明書き:
「那須七湯(元湯、大丸、北、弁天、高雄、三斗小屋、板室)の中で一番古く発見され、元湯または鹿の湯とも呼ばれている。伝説では、舒明(じょめい)天皇の頃(629年)那須山麓茗荷沢の住人、狩野三郎行廣が狩りに出て、大きな白鹿を射て傷つけ追跡した。そして茶臼獄の麓の谷あいに、矢傷を負った白鹿が湧き出る温泉に浴しているのを見つけた。これが温泉発見の初めと言われている。奈良の正倉院の文書「駿河の国正税帳」(738年)に「那須湯」とあるのはこの地の湯を指すものと思われ、奈良時代にはすでに湯治場として広く知られていたことがわかる。那須温泉、那須郷の発祥の地といえる。」
というわけで開湯1300年のそれはそれは有り難い由緒ある温泉なのだ。外観は川の両脇に広がった木造平屋の山小屋風。玄関を入って左側の下足箱には「おしどり」の下足錠が使われていて何となく馴染み深かった。フロントで400円を払うと領収書代わりの「御入浴券」をくれるのだが、「那須温泉株式会社」と書いてあってびっくり。
フロントから左奥へ続く長い廊下が川を渡る橋になっていて、橋を渡りきったところで左右男女に分かれていく。ここで暖簾を進むともう廊下の窓から湯治場の様子がよく見える。狭くて簡単な脱衣場で服を籠に入れて、湯治場へ降りる。この間の空間には敷居も何にもない。
さて湯船だが、女湯には41-46℃までの5段階の浴槽が5つ、男湯にはさらに41-48℃までの6段階の浴槽が6つあるようで、湯温を選んで入れるらしい。また、石鹸・シャンプー禁止ということで、やはり湯治場は体を洗うための処ではないということを再認識。とにかく結構な人出で、奥の湯船の周りには人々がたむろしている(3分入っては休むのがしきたりらしい)。なぜか一番手前の2浴だけ、空いていたのでここに入浴。42℃と書いてあったような。ということは一番奥の川の下流側にある浴槽が48℃?体を洗うわけでもないので、時間は余ってしまって湯船の周辺でまったりしているしかないのがよくわかった。結局この日は時間の関係もあって、下見のような烏の行水入浴をしただけで終了と相成った。次回は人の少ない時間帯にもっと奥のほうでまったりしたいものだ。
ちなみに温泉成分表によれば、泉質は「酸性含硫黄‐カルシウム‐硫酸塩塩化物温泉(硫酸水素型)(酸性低張性高温泉)」。源泉の温度は68.4℃の掛け流し湯で、pHは2.54と強い酸性、硫酸398(mg/kg)とカルシウム70(mg/ kg)を含み、溶存ガス成分として遊離硫化水素を29(mg/ kg)含む硫黄の温泉だ。

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