本牧湯

【2004.5.22】  
本牧湯Part2へ続く
本牧湯
神奈川県横浜市中区本牧町1−124

平成16年5月末で
廃業?、フロント。
東急東横線からみなとみらい線に直通で入り、終点の元町・中華街駅で下りる(4番出口)。山下町(マリンタワー口)のバス停で99番系統の横浜市バスに乗ると、本牧通りを通る。本牧1丁目のバス停で降りて(ここまで10分もかからない?)、横断歩道を渡って横浜銀行脇の路地に入る。少し行って左折してすぐの右側。バス亭からから2分。JR山手駅から歩くと20分ぐらいらしい。


コメント:昭和中期的、千鳥破風2重構造の銭湯。そんなわけで懸魚などはなく、というよりも6年前の改装で、玄関周りはモダンな造りになっている。それでもラジウム鉱泉と書いた立派な暖簾が掛かっている(本当はそれよりも黒湯の天然温泉が売りのはずなのだが)。脇に温泉の調査表が看板になって貼ってある。左の壁には残念ながら建築計画の看板が(今月一杯でマンションに建て替え予定らしい)。男女共通の入り口から中に入ると左手にフロント、で左右の暖簾をくぐって脱衣場へ入る形式。脱衣場内に飛び出すようにサウナを造っているので、脱衣場狭し。サウナを背にL字状にロッカーがあって、その中央のスペースにテーブルと長いす。男女境近くの、フロントスペースの裏側に洗面台がある(ドライヤーは家庭用小型で20円)。入り口に亀岡式の大きなアナログ体重計あり。
さて、洗い場に入ってみるといきなり、びっくり。正面は多くな正方形のタイルを用いたタイル絵で、堂々と広重の東海道53次の箱根の図そのものの写し(と思われる)が描かれている。タイルの一部にデジタル式湯温計が組み込まれているので、そんなに古いものではなさそう(やはり6年前の改装後か?)。左半分の山間から滝が流れ落ちている図柄で(これは原画にはないはず)、実際にその場所からお湯が(ラジウム石を通って)流れ落ちている。で、その下が電気湯、左に4点ジェット座湯2基の深湯(43℃)になっているのだが、どちらもスイッチが切られている状態。そしてその左側に天然黒湯温泉の熱湯(43℃)、ぬる湯(42℃)と続く。ところが浴槽群はそれで終わらない。中央の片面カラン付きの島カランの裏側、浴室中央の場所に歩行湯(ここには大きなジェット流2基があり、スイッチも健在)とジャグジ様の円形バイブラ湯(湯温は42℃ぐらい)が並んで取り付けられている(この2浴槽の間に意味不明の止まり木状の柱あり。これはいったい何だ?)。さらに右手前には脱衣場に続くようにサウナ室があって、その手前には広めの水風呂(18℃にきっちり設定されている)がある。左手前には立ちシャワーブース2基。そんなわけで浴槽だらけでなんだが「浴槽のジャングル」という感じがする。実際に体を洗うスペースも狭いこと。カランの配置は7-6-8。カランは超新しいロケット型プッシュタイプなどが取り付けられており、湯量・湯温等は良好。
で、肝心の黒湯なんだが、真っ黒くてぬっとりととしていていかにも温泉力のありそうなすばらしい温泉だ。熱湯・塗る湯の温泉、滝風呂、ジャグジー、水風呂と順繰りに入り続けると、終わりなき極楽の世界となる。
そんなわけで、とにかく黒湯のすばらしい、小さいながらもパラダイスのような銭湯なのだが、後継ぎがいないということで、マンションに転業予定らしい。それにしても銭湯廃業後は圧倒的にマンションになることが多い様だが、どんなもんだろうかと思うときもある。まとめて手放して銭湯は誰かに継いでもらい、自分たちはそのお金を何かほかのことに使えばよいのになあなどとも思ったりもするだが、他の場所に土地買ってマンション建てるのではやはり手数料が掛かりすぎるわけだし。しかし、次世代の若い後継ぎの人の仕事として考えても、マンション経営というのもなんだか夢がないような気もするが・・・。


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