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桜湯 sakurayu
横浜市磯子区滝頭2−5−11
045-751-2507
15:30-22:30
10、20、30日休、番台

 



訪問記 【2009.4.18】

磯子の桜湯へ。場所は駅からかなり離れた住宅街のど真ん中でかなり見つけにくい。ところでこの辺は銭湯銀座で桜湯を探している内にいくつも他の銭湯の煙突が眼に飛び込んでくる(一つは金晴湯、もう一つは天神湯かな)。

桜湯は、ビル銭湯ならぬ、四角いアパート銭湯と言った感じ。アパートなのか経営者の自宅だけなのかは不明。とにかく玄関前に看板建築のような造りがあるだけで、煙突(発射台型でエンジ色の縁取りあり)がなかったら、銭湯と解らないかもしれない。牛乳石鹸のピンクのかわいい5連の暖簾、下足錠はおしどり錠の斜めのもの。


脱衣場に入ると右手に番台。島ロッカーは2列。男女境は鏡壁。島カランの上には植木がいっぱい並べられている。床は木で、天井はフラットながらも焦げ茶色のベニア、各所に残るドアーも木製で、中は全体に落ち着いた雰囲気。体重計はKEIHIN SCALEという初めて見たアナログ体重計。ただし、壊れて針が動かず、横に家庭用の体重計が置かれていた。女将さんはあたりの優しい方で、偶然お客さんが誰もいなかったので、頼んで早川さんのペンキ絵の写真をいっぱい取らせていただいた。


浴室。ペンキ絵は見事としか言いようのない、早川さんの秀作。平成19年8月10日、伊豆、早川と書いてある。男女境に大きく立派な富士山。中山浴場が同じ年の9月で、ここのはその1ヶ月前に描かれたことにある。富士山の描き方が同じ、で平成18年ごろの富士山とタッチが違う。敢えて言えばテクノ富士山と言う感じ。なんか直線的に雪線、反対側に紫の線、これが割りと定規手描いたように平行で、テクノっぽいのだ。なんかこれはこれでいい感じ。この頃はこういう書き方に凝っていたようだ。で、真ん中は洞穴が2つもある海岸線、大きな岩に波しぶきが弾け飛んでいる。岩肌が基本紫、ところどころに赤茶色がするどき描かれていて、色のコントラストが美しい。油が乗り切ったときの作品と思う。とにかく完璧な仕上がりと言う感じ。


ペンキ絵下には欧風の古城と湖が描かれたタイル絵、男女境壁には海に鳥居が建つ和風の図(宮島?)のタイル絵で、ペンキ絵以外のも見どころが多い。浴槽はシンプルな狭い深湯と大きな浅湯(背ジェット4条)の二つ。湯温は43℃ぐらいのいいお湯だ。島カランは1列で、カランの配置は6-5-5-6、カランは海老茶の5角(Waguri)で、桶はケロリン黄桶で、椅子はM字緑椅子(大)。カラン回りは割り合いきれいなタイル貼りだが、真新しいものではない。壁にはマーブルグリーンの昔タイルの帯が残っていて、雰囲気がある。大黒柱もタイル貼りで、なかなかレトロファンにはうれしい佇まいだ。


というわけで、磯子の桜湯は、すばらしい早川さんの秀作のペンキ絵が残る昭和中期的な感じのくつろぎの銭湯だ。お客さんはちょっとずれてどどどっと入ってきた。

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