訪問記 【2009.4.18】
最近できた神奈川県浴場組合のサイトにはペンキ絵の写真がけっこう映っていて、早川さんのペンキ絵がのこる5軒の写真を見てみると、なかなか秀作ぞろい。中山浴場の霧に煙る山並みはすばらしいし、太平館(港北区)の大きな小山が描かれた絵はめずらしい。太平館(西区)は訪問済みだが、何と赤富士で、桜湯と矢部の湯のペンキ絵が定番中の定番の岩に波がしぶき飛ぶの図。特に中山浴場のペンキ絵に惹かれて真っ先にここを訪問することに。
中山浴場は駅からも至近の街道沿いに建つ昭和中期的な一軒家銭湯。外観は予想以上に美しい造りだった。何がすごいかというと屋根から壁からすべてが並々のトタン張りなこと。年季の入ったトタンも色合いと言うのは実に美しい。暖簾は「銭湯浪漫」の縦長の3連。玄関から中に入るとなんと下足錠が富士錠(一部が横向き松竹錠、おしどり錠が混在)。さっそく脱衣場へ。
白壁とフラットなアイボリーの天井で、明るく綺麗な印象。番台は後ろ向きに改装されていて一応フロント風。女将さんはまだ若くて現役バリバリという感じ。随所にプロはだちな草花の飾りがあって、いかにも良く手入れされている感じ。島ロッカーは2列、体重計はTANAKAのアナログ体重計。男女境は鏡壁で、坪庭などはない。
浴室へ。お目当ての早川さんのペンキ絵、まだまだ美しい感じ。でも組合のサイトで見たものとは違う。しまった。サイトに載っていたのは女湯側の絵だったのだ。見たかった絵が見られないのは残念だったが、男湯側の絵もそれはそれですばらしい絵だった。平成19年9月5日、富士川、早川と描かれていて、男女境に跨るように富士山が描かれていて、左手は富士川の渓流。奥の山々のグラデーションが美しく、見たかった絵に近い。段差の低い川幅一面の滝はこれも早川さんの定番の一つ。川の中央の離れ小島に大きな松の木が一本。これも早川さんが好きな配置なのかな。
浴槽、今日は薬湯で、シンプルな深湯・浅湯(背ジェット2基)ともにワイン湯(湯温は42℃ぐらい)。浴槽カラン回り、床などは比較的綺麗なタイルに貼りかえられている。カランはちょっと珍しくて、扇マークはあるものの透明プラスチック製の四角、桶はケロリン黄桶(大)で、椅子は普及版だった。カランの配置は7-6-6-6(島カラン1列)。
というわけで、中山浴場は外観がトタン張りで美しく、すばらしい早川さんの秀作のペンキ絵があり、綺麗に手入れされている現役ばりばり銭湯だった。
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