太平館


【2006.6.13】  
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太平館
横浜市西区久保町24−34
045-231-8484
15:00-22:30、水曜休、フロント。


アクセス:相鉄線の西横浜駅(横浜から各駅停車で2駅目)で下車。南下して国道1号線を渡り、2本目の筋を右折してさらに左折して進んでいくと久保町商店街(サンモール)にでる(この商店街の交差点のアスファルトは紫色に塗られていて特徴的)。この道に出たら右折してすぐの左側。

コメント:太平館の面している
久保町商店街・サンモールは、こじんまりとはしているけれどもお洒落に飾られた横浜ならではという感じの可愛らしい商店街だ。サッカーワールドカップがドイツで開催中ということもあり、商店街には「SAMURAI BLUE 2006」の青い旗で飾られている。並木通りの歩道にはベンチが置かれ、至る所に灰皿が設置されていて、分煙が徹底されている。

太平館はこの商店街に面して建っており、
立派な千鳥破風と可愛らしい鯉2匹の懸魚のついた伝統的レトロ銭湯だ。上の屋根は新しめの緑の瓦だし、壁が白く塗られているので、明るい感じに仕上げられている。玄関周りもきれいに改装されており(横浜市浴場組合のホームページの写真とはだいぶ様変わりしている)、左右にコインランドリーがあり、特に右側は女性専用ということで一段ときれいに飾られている。暖簾も東京普及型の横長のものから関西風の縦長2連に代えられている。玄関正面いは章仙作の鯉の滝登りのタイル画が飾られており、太平館と書かれた旗をコウノトリが加えている図。タイル絵の上にはやはり太平館と書かれたきり絵(暖簾の前に銭湯の来客の図)も飾られていてとにかくお洒落にリニューアルされている感じ。

左側に男女共通の踊り場があって左側1面だけに下足箱がある。正面に進めば
改札風のフロントがあって、その左右に男女別々の入り口がある。右に回りこむ位置(玄関の正面裏)に小さな休憩所が設けられている(ここも駅のベンチのよう)。脱衣場に入れば、中央寄りに背の低い島ロッカーが並んでいる。反対側の入り口寄りには葦ずで飾られた枯山水風の坪庭があってこの庭に面してベンチとテーブル(灰皿)が置かれており、なかなかくつろげるスペースとなっている。また、外側の浴室寄りは脱衣場にはみ出す形で作られた乾式サウナ室(男性側のみとのこと、別料金で100円)造られている。全体に明るい色使いで洋風な感じに仕上げられているが、脱衣場の天井だけは昔ながらの立派な格天井だ。

浴室へ。これも組合のホームページに載っている写真とは様変わりしていて、とにかく島カランがモダンに作りかえられている。隣とはガラスで仕切られた
パドック形式のカランが中央に5-5の配置で造られている。なお、男女境壁のカランとともにすべてホース付きのシャワーが備え付けられている。右手前にはサウナの入り口があり、コーナーに水風呂(かけ湯風で小さい浴槽だが、無理して入っている人がいるので、やはり水風呂か?)がある。浴槽は洗い場の突き当たり左手に独立した薬湯(本日は温浴湯じっこうとかいてあるが、茶褐色ではなくて、ピンク色)があり、右側にきて2点ジェット付きの座湯2基のある深湯と、何にもないが浴槽の底にま鯉とひ鯉のタイルが1匹づつ貼られていて可愛いらしい浅湯とがある。湯温は43℃ぐらいと熱め(薬湯は彫りのあるおっちゃんが水で埋めまくり、おもいっきり薄まっている。節操ないよな)。

最後にビジュアルだが、これがしっかりいろいろあって、正面は早川師による男女に跨るように描かれた
富士山のペンキ絵で、平成17年9月7日、伊豆海岸と書かれている。また、男女境壁の上には横長にずらっと連なるタイル絵があり、章仙作と書かれていて、入り組んだ海辺の小島群の風景が描かれており、灯台と島の沖合いに2隻の船が浮かんでいるところなど、何でもないようでなかなかの力作だ。

というわけで、西横浜は久保商店街の太平館は、重厚なレトロ銭湯をモダンに改装した、リニューアルのお手本となるような和洋折衷の快適銭湯だ。

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