住吉湯


【2006.4.15】  
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住吉湯
横浜市南区井土ヶ谷中町110
045-741-4432
15:30-23:00、6、16、26日休(休日は翌日休)、番台。


アクセス:京浜急行線の井土ヶ谷駅(横浜から各駅停車で5駅目)で下車、車道を南下してすぐの路地を右折して駅裏の方に向かう。さらにすぐの路地を左折してまた南下していく。横浜南郵便局の交差点を渡ってさらに進んでいくと5(6)差路に出る。左斜め前の道を進み、しばらく行った突き当りにある。徒歩5分ぐらい。

コメント:外観は一見すると比較的モダンな造りの
一軒家銭湯のように見えたが、結構以前に建てられたものらしい。雨樋などに古い意匠が残っている。正面は小売商店にみられるような軒の造りだが、風情のある暖簾がかけられており、また玄関を入った正面には草花が一杯に生けられた大壷が飾られていて、なかなかセンスがいい感じだ。で、その花びんの裏には実は章仙作の七福神の乗った宝船のタイル絵があって、隠れるように見えている。玄関の踊り場は8の字形というか扇状に広がっているのが珍しく、合理的でありながら感じもいいと思った。下足錠はおしどり。

引き戸を開けて中に入ると左手に
番台脱衣場はこじんまりとしているが、きれいにまとまった感じで落ち着いた雰囲気がある。男女の境は鏡壁になっており、それに平行して縦に島ロッカー(片面)がひとつある。その裏側には大きなソファーとテーブルが背中合わせに置かれている。また、外壁側にも壁ロッカーがある。さらに脱衣場の手前側には灯篭のある坪庭があり、その左側に外トイレが設置されている。トイレに続く縁側が木製ではなくて、トイレと一続きになったような白タイルで造られているのが変わっている。体重計はYAMATOのアナログ体重計で、縦長の冷蔵庫あり。天井はきっちりと格天井になっており、壁の高いところに2段に渡って窓が廻らされていて、それがけっこう壮観な感じで趣がある。

浴室、これが今日のメインイベントと言うか、とにかくここは「タイル絵の宝庫」なのだ。いきなり、男女境の壁の上に縁どられた4服のタイル絵が眼に飛び込んでくる。正面には富士山のペンキ絵(覚書はないが、渓流の奥に富士山が描かれていて、おそらく中島さんのタッチ?)があって、その下にも横長に見事な鯉の滝登りを描いたタイル絵(章仙作)がある。壁側のものは左から渓流(章仙作)、弁慶と義経(源二?作)、兼六園(章仙作)、最後が日本勝景・瀬戸内海・鞆の浦(柏ゴウ御初二??作、まったく読めない!)の4作で、いずれも見事なできばえ。
ブレーク:ここで広島県福山市・鞆の浦(とものうら)についてコメント挿入。
鞆の浦温泉(とものうらおんせん):檜で出来た露天船風呂から眺める景色は最高とのこと。

http://www.geocities.jp/onsengakusi/tomonoura.htm(鞆の浦温泉)
http://www.sawasen.jp/kawaraban/annai/indexmap.html(昔の絵)
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/kanko/kanko/tomo_area.html(福山市マップ)

島カランは1列で、そこにはシャワーも鏡もない(全体のカランの配置は6-4-4-6)が、床やカラン回りのタイルはそれほど古いものではないようだ。湯温・湯量は良好。そして、
浴槽は浅・深湯の典型的な2槽で、小さな底バイブラがあり、今日はどちらの浴槽もじっこうの薬湯となっていた(湯温は42℃強といったところ)。なかなか気持ちのいいお湯で、ペンキ絵やタイル絵をながめつつ満足・満足と言う感じ。

というわけで、横浜は市内の一角の静かな住宅地に佇む住吉湯はレトロなタイル絵で満ち溢れ、オーナーのセンスもよく花々で装飾された、居心地の良い街のお風呂屋さんだった。女将さんは比較的お若くてエプロンなどを掛けて張り切っているが、周辺地域の開発が進んでいてマンションや真新しいモダンな一軒家が多く立ち並ぶエリアに変貌しつつあるのが気になった。
帰りは珍しく(かな)郵便局そば、小さな路地の焼き鳥屋さんでビールと焼き鳥(これが無性に食べたかったので)に舌鼓(隣の居酒屋の方がおいしそうだったが)。

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