岩下温泉

【2006.9.26】  
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岩下温泉旅館旧館
山梨県山梨市上岩下1053
0553-22-2050
09:30-20:00、月曜休、フロント。


立ち寄り湯:大人300円、子供200円。
本館にも内風呂・露天風呂あり、昼食付きご休憩(5250円〜)の設定あり。
http://iwashita.fruits.jp/

アクセス:JR中央線新宿駅から1時間半、山梨駅から車で7分、石和温泉駅から10分。山梨市北部の山間にあり、詳しい地図がないと徒歩ではなかなか行きにくそう。

コメント:勝沼周辺の温泉を検索していたらこの岩下温泉が見つかって、何でも
甲州最古の温泉で、1700余年の歴史があるいう。1700年前っていったら聖徳太子の時代よりもはるかに昔ということになるわけで、にわかには信じられないと思いつつも、訪れないわけには行かなくなった。

実際、岩下温泉旅館のすぐ手前には
走湯神社(そうとうじんじゃ)というのがあって、927年に編纂された延喜式の式内社にあたる金桜神社の縁起に、走湯神社のことがでてくるというからまんざら作り話でもないらしい。走湯神社には湯權現様と言われる少名彦命が祀ってあり、第十三代成務天皇(西暦131年から190年)の御宇(みよ)の頃から著名な霊湯として奉られていると言い伝えられている。それで明治のころに「1700余年」と記載されたらしいのだが、今では既に1800年以上になっていることになり、まさに縄文時代から存在していたらしい。

岩下温泉旅館はこの温泉地唯一の温泉施設で、明治8年に建てられた旧館が立ち寄り湯専用施設として利用されている。もともとこの旧館は昭和17年までは地元の共同湯として使われていたもので、その後は旅館として使われてきた時期を経て、現在また地元の人の共同湯として使われているという。外装の補修が行われているのか、外観はそれほどの古さを感じさせない。建物正面にはまだ旅館時代の玄関や看板類がそのまま残されており、小ぶりな破風屋根が趣を添えている。共同浴場の入り口は玄関左側に別途作られており、「ゆ」と書いたお洒落な縦長の暖簾が掛けられている。

玄関に入ってすぐの左側にある鍵なしの下足棚へ靴をしまって、上にあがる。右側受付部屋(畳の小部屋)にいる旦那さんに大人の入浴料金300円を払う。階段を数段登って奥へ行けば、すぐ左側に男性・女性の更衣室入り口があり、そして右側には
半地下の噂の源泉浴槽がむき出しになっている。つまり脱衣室から裸で出てきて、廊下を渡り、左右の石の階段を下って源泉に入りに行くことにになるわけで、当然のことながら混浴でしかありえない(が、もちろん?入っている人はいない)。源泉は28℃のアルカリ性単純温泉で、この有名な半地下の源泉浴槽では、ちょっと冷たい源泉がかけ流しになっている。

まずは内風呂に入ることにして男女別々の脱衣場へ。こじんまりした箱型のスペースで、左壁側の脱衣棚に脱籠が並んでいる。そそくさと服を脱いで浴室へ。ここもほんとにこじんまりしたスペースで、左側にカラン2基、右側にホースシャワーが1基設置されている。正面には窓ガラス、その下に
沸かし湯浴槽源泉のままの冷水槽が縦に並んでいる。規模的にはどちらも一人か二人でいっぱいという感じ。男女境壁がやや低く、脱衣場からは相手方の頭の先ぐらいが見えてしまう(もちろんお互いに立っている場合のみ)。源泉はいわゆる水風呂と思ったが、銭湯の水風呂よりはやや暖かく、やはり真水とは一味違う感じ。ほぼ無色無臭のアルカリ性単純泉なので、さらっとして入りやすい。沸かし湯の方で42℃ぐらいか。

そして最後に半地下の源泉浴槽。ここは結構だだっ広くて、
小型の室内プールと言った風情。とはいえ泳げるほど深くはなく、じっとしているほどの湯温でもないので、何となく半身欲で歩き回ってしまう感じ。横長の正面壁には木枠のガラス窓が並んでおり、天井も簡素なアイボリーに塗られた板張りで、昔の学校の教室といった感じでもある。角に祠があるのも珍しく、周囲の床タイルに源泉が溢れ出ている、というよりは漏れ出ているという感じ。

そんなわけで、岩下温泉は甲州最古、1700余年が本当ならば日本中でも屈指の古さと思われる霊泉といわれる冷泉であった。なお、本館の内装はかなりきれいに飾られており、露天風呂などもあって、一度泊まってみたくなるような隠れ家的ないい旅館だ。ランチ付き休憩などもよさそう。

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