ひさご湯


【2004.2.11】  
内部の写真を見る

ひさご湯
台東区浅草2−24−3
03-3844-0750
9:00-20:30、不定休→廃業、番台。
浅草は花やしきの北側の裏にあり、花やしきのジェットコースターからも良く見える。駅で近いのは地下鉄銀座線の浅草駅だ。浅草寺を抜けてから西に折れて花やしき前を通り、建物を回るように北上すればひさご湯に辿り着く。浅草演芸ホールの筋を北上して、ひさご商店街に入らずに花やしきの方に向かって脇の筋を北上すればいい。浅草駅7分の記載。


コメント:とにかくちょっとお洒落な感じの一軒家銭湯だが、そうとう歴史はありそうで、伝統的な構造をしていながら一風変わっている。玄関周りはごく普通で、左右に下足箱あり、ドア‐をがらっと開けて中へ。番台で料金を払う。白壁に洋風の窓が付いていて中の作りはお洒落だが、こちらもかなり年季が入っている。島ロッカー2列で、外側壁際には横長の古い備え付けロッカーもあるが、鍵はすべて紛失している模様(TOKYO)。HOKUTOWとKeihokuの秤が並んで置いてあるのがすごい。
洗い場に入って、その構造がかなり変わっているのに驚かされる。コの字の中のように中庭が入り込んでいて、その手前の(部屋全体からすると)中央に縦長に浴槽が置かれている。奥が深湯で手前が浅湯のあっさりしたものだが、湯温は45℃ぐらいでマニア好みのいい風呂だ。で、カランは離れた左右の壁際にこれもコの字のスペースに左4-5-3、右に3-4-3の配置で備えられているほか、三角形の小さな島カランが左右にあって、それぞれ3つづつのカランが付いている。男女境の釜場の手前にタンクが置かれていて、それを取り囲むように壁カランが配置されているのだ。というわけで、正面壁もスペースがとても狭く、その狭いスペースに見事な渓流のペンキ絵(平成11年4月13日、上州、老神と書かれていて、早川師によるものか?)が描かれている。浴槽や洗い場床のタイルなどはむかしのままで、レトロ感満点のエキゾチックな風呂だ。
脱衣場でおやじさんと話していると(おやじさんは超話好きで、話し出すと止まらない)、「観音様なんていりゃあしない。なんのご利益もないんだから。坊主はベンツに乗って、夜はキャバレー通いしてるんだから。大手(の観光業者)がハトバスでいっぱいお客さん連れてくるけど、周囲の土地は駐車場用に買い占めるし、地元にとっちゃあいいことないよ。・・・・でも花やしきはいいよなあ。浦安の遊園地のどこが面白いんだろうね。遊園地はああでなくちゃ。ここ(ひさご湯)もいいお客さんが来てくれるからありがたいよ。」などなど・・・。演芸場や花やしきは地元の人に愛されているけど、神社仏閣が地元の人とうまく折り合っていないのは意外な感じがした。でも事情を聞けばうなずける部分も確かに多いぞ。すると三社祭はどういう位置付けになるのだろうか。そんなことはともかくとしてひさご湯は花やしきと運命を共にしているような地元の人に愛されているお洒落レトロな銭湯だった。

ホームへ戻る東京銭湯リストへ戻る