訪問記 【2008.12.23】
今日は台東区は三ノ輪の南東にある有馬湯。ボックス型の平屋の一軒家銭湯。玄関周りもコンクリートの打ちっぱなしなのか、玄関部分もモダンな感じ。それでいて決して新しいビルではない。さりげなく改装されているようで、古いものをうまく生かして違和感なくレトロとモダンが共存している感じ。
真ん中から入るとすぐに下足箱(透明扉でシリンダー錠)、右に折れてロビースペースに入ると本来の正面に斜めにフロント、ロビースペースは綺麗に改装されたモダンなスペース。暖簾を潜って(ってその左から暖簾を潜らなくても入れるようになっているのだが。。。)脱衣場へ。ここも白壁が美しく天井が尖がり三角で山小屋風、最近の改装後と思われる。男女境に化粧台。体重計は亀岡式のレトロで大きなアナログ体重計。で、脱衣場の右横から洗い場の方に向かって綺麗な造作の庭が広がっている。石段あり、池あり、手前にはちょっとモダンな縁側ありとなかなかすばらしい。おまけにクリスマスのブルーの電飾で飾られていて実に美しい庭だ。トイレは縁側奥の外(縁側に続くドアーは木製のレトロなもの)。
浴室へ。実にシンプルながら明るくて美しい。それでいてタイルは昔のままの四角い白タイル、側溝もタイル張りで昔のままのスタイル。島カランが2列あるが、右端は庭に面したガラス戸になっているので、カランの配置は7-5-5-5、カランは温泉マークの赤・青で、桶はなんと木桶。椅子は普及版。ここの天井はアーチ状で、東京型の2段式ではない。
浴槽はシンプル浅湯(2点背ジェット3基あり)と深湯(バイブラあり)で、浴槽のタイルも昔のままなのに綺麗。床の白に黄緑の縁取りがレトロモダン。正面壁は黄緑に塗りつぶされていてペンキ絵はないのだが、タイル絵がすばらしい。浴槽上は横長で何と鯉の滝登り(章仙作)。池に松が覆いかぶさっていて、鴨も1羽飛んでいる。そして男女境壁の上にも九谷のタイル絵。ここの絵柄は多彩で、和風の池、遠くに山々、湖岸には梅、紅葉、ボタンの華などが描かれ、鴨やキジや鷹までが描かれている。なかなかの力作だ。
そんなわけで、外観は一軒モダンにも見える三ノ輪近傍の有馬湯は、内外とも美しく、立派な庭とレトロなタイル絵もある、明るくて綺麗な不思議なレトロ銭湯だ。
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