外手湯


【2006.1.22】  
 
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外手湯
墨田区本所1−7−8
03-3623-2661
16:00-24:00、2006年1月
廃業、フロント。
アクセス:都営大江戸線の両国駅を下車したら清澄通りを北上してしばらく進む。本所1丁目のバス停のあたりを右折してすぐの右側。駅から歩くと8-10分ぐらいだろうか。


コメント:1月31日(2006年)で廃業との情報を聞きつけて、早速行ってきた。
「石ケン、シャンプー渡し口」があるということで話題の銭湯だった。この石鹸渡し口、なるほど面白いものだった。それにしても外手湯は、ほんとに立派な屋台骨のすばらしいレトロ銭湯。外観は唐破風屋根の上に立派な千鳥破風屋根のある威風堂々とした宮造り銭湯で、懸魚は幾何学模様の簡素なものだが、オリジナルの暖簾もなかなかいい感じだ。玄関内は広々していてゴージャスな感じで、入り口正面を埋め尽くした傘いれが見事。引き戸の扉を開けて中に入るとフロント前のスペースも伸び伸びとしていて、さながら旅館のロビーのような雰囲気だ。フロントの女将さんもしゃきしゃきと挨拶してくださってとても気持ちいい。

脱衣場と共通の格天井の素材もいいものが使われている感じで、折り返し部分のデザインも凝っている。3枚羽根の扇風機が合計で3機。床の手入れも行き届いていて、ぴかぴかに輝いている。脱衣場の外側壁にロッカー、中央にはソファーとテーブルが置かれており、男女境側に洗面台あり。体重計はYAMATOのデジタルで、年代ものの自動按摩器あり。脱衣場手前の外にある坪庭はやや子ぶりながら小池の傍らに灯篭なども置かれていて、今日は特に雪化粧をしていることもあってさらに風情を増していた。

浴室に入るとお客さんでいっぱいで、次から次へと入ってくる人がいて途切れない人気ぶり。浴室内の浴槽や島カランなどは比較的新しいタイルに張りかえられていて、しかもなかなか高そうな素材が使われている。島カランは1列で、カランの配置は6-5-5-5、湯温・湯量は良好。カラン上の窓枠にはサッシも使われているが、太枠は木の柱が残されていて風情がある。タイル絵がない代わりにポトスのような緑で飾られている。浴室左手前に立ちシャワーブース1基あり。湯船は右から手前にせり出た広い浅湯(バイブラあり、42℃)、5点ジェット付きの座湯と続き、最後に43℃とやや熱めの薬湯(本日は草津の湯)というラインアップ。浴槽の上には横一杯に富士山のペンキ絵。手前の湖にはヨットが一杯浮かんでいるから、富士五湖の山中湖あたりか?サインがないけど、丸山師風の繊細なタッチで描かれている。ここの洗い場は湯気が目一杯立ち込めているので、近くに寄らないとペンキ絵がよく見えない感じだ。

というわけで、外手湯は、草津の薬湯もいいし、広くてきれいな、居心地のいいレトロ銭湯だった。経営者のご夫婦も比較的若そうだし、「どうしてここが廃業するのか」理由がまったくわからず、
ただもったいないの一言だ。ん〜、ひたすら残念。

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