文花浴場


【2004.6.2】  
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文花浴場
墨田区文花1−11−8
03-3612-9548
15:30-23:00、木曜休→廃業(2004.6.6)、番台。
東部亀戸線の小村井駅で下車したら駅前通りを南下して行き、2つ目の交差点を右折。しばらく進むと右手に香取神社のある交差点に出る。交差点を挟んで神社の筋向いに文花市場があり、その裏手の方に団地が広がっている。右斜め前の細めの路地からこのエリアをぐるっと回っていき、左折して右折すると団地の向こう側のあたりに出る。少し進んでから団地の中へ入るように左折すると右側にある。駅から10−15分ぐらい。


コメント:東京ではめずらしく昭和モダンな外観で、美しい銭湯。都営団地の脇にあって、酒屋やら飲み屋などの小さな集落を形成しているところにある。入り口は少し引っ込んだところにあり、花道がある。両脇は狭苦しく、ビルと酒屋の壁が引っ付いている。建物上にはアーチ状の屋根が付いていて、夕日に照らされてオレンジ色に輝いている。玄関の両サイドはガラスブロック製。手製の清楚な暖簾の上のガラス窓にも「文」「花」「湯」と描かれている(そう、ここでは何箇所も文花湯と書いてあって、どこにも文花浴場とは書いてない)。両サイドの踊り場で靴を脱いで、下足箱に入れて中へ。
番台形式。脱衣場はやはり昭和中期?的で、島ロッカーに金魚鉢やらが載っている。手前に坪庭があって、そのすぐそばにソファーと灰皿が設置されていて、日差しのある時間帯はなかなかリラックスできそうだ。そそくさと服を脱いでさっそく、洗い場へ。タイルなどは比較的新しいものに貼り返られているようで、壁のペンキなども割合新しい。島カラン1列で、カランの配置は7-5-5-6(湯温等はふつう)、左手前に立ちシャワーブースが1基ある。そして、正面。ここには早川師による渓流の様子を描いたペンキ絵(和歌山、女湯は富士山)あり。浴槽は左から浅・深湯の2浴槽だが、右手前に膨らんでいて、ペンキ絵もL字形に側壁まで伸びている。湯温は42℃ぐらいで、浅湯にバイブラ、深湯に2点ジェット3基があるほか、赤と青の赤外線?で浴槽内がライトアップされていて、とても綺麗。さらにペンキ絵したのスペース一杯に鈴榮堂章仙作のタイル絵が張り巡らされている。これほど一面に張りつめられたタイル絵も珍しく、見応えがあるものだ。描かれているのは大きな鯉と金魚が多数。タイル絵の方もペンキ絵同様L字状に側面まで伸びている。その端の檻の中からお湯が注ぎ込まれている。
そんなわけで、外は昭和モダン、中も昭和中期的造りでありながら見事な久谷焼きのタイル絵があったりしてなかなか味な銭湯なのだが、どうやらほんとうに廃業してしまうようで残念至極だ。

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