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田中湯 tanakayu
墨田区墨田5−46−5
03-3611-3277
15:30-23:30
月曜休、番台


訪問記 【2008.12.9】

レトロ銭湯で入っていないと ころを優先的に廻らなくてはと思い立ち、まだ入っていないレトロ銭湯をとりあえず5軒リストアップして今月はこの5軒を必ず廻ることにした。で、第一番に選んだのが田中湯。 田中湯はこじんまりした小さな銭湯だが、平入りの瓦屋根銭湯で、軒下に前方へ飛ぶ出す梁があって、町屋風のいい感じのレトロ銭湯。左右に下足箱があって下足箱は新しい透明プラスチック扉(鍵は松竹のシリンダ錠)に代えられているが、それ以外は昔のまま。玄関外にコインランドリーがない点もレトロ 銭湯としては配点が高い。


引き戸から中に入ると右手に番台、めずらしく若くて元気なお姉さんが番台を守っている。番台は昔のままの重厚な ものだが、横に板を貼り付けて視界をさえぎるように改装されている。お遍路判子(82番目)を押してもらったら 、あらもう少しですね。頑張ってくださいね、なんて屈託なく話すので、ん、若い人は違うなあと妙なところに関心 。 天井は互い違いの長方形板張りの変則格天井。島ロッカー1列。男女境は鏡壁、縦長の冷蔵庫あり。秤はKeihokuのアナログ体重計。男女境には化粧台があってクリスマスの飾り付けで可愛らしい置物があちこちに置いてあり、さすが経営者が若いことを反映している。


浴室へ。島カランは1列で、カランの配置は5-5-5-6、カランは6角茶で、湯温・湯量は良好。椅子は半分が緑椅子小で後は普及版。桶は文字なしの黄色桶。カラン周りは比較的新しいタイルに張り替えられている。左手に立ちシャワーブース1基あり。男女境壁はタイル絵で、欧風の山並みと古城といった図。正面壁は残念ながらビジュアルはなく、水色に塗られている板張り。柱は結構白木が残っていて、レトロな感じが残っている。浴槽は古典的な深・浅湯で、深湯はバイブラ、浅湯には豆タイルで造られた背もたれ2基があるのが珍しい。そこには3点背ジェットあり。横のから湯が注がれている。薪炊きのお湯で最初はちょうっと熱く感じられるが、体が温まるいいお湯だ。


というわけで、鐘ヶ淵駅近傍の細い路地に面して建つ田中湯は、むかしながらの住宅地に溶け込むように建っているこじんまりとした町屋風のしみじみ銭湯だ。

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