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梅の湯 渋谷区初台1−7−5 03-3370-5606 16:00-24:00、廃業、番台。 京王線初台駅の商店街は甲州街道によって分断されている。南口で地上に出ないと長い陸橋をはるばる渡らなくてはならない。さて、商店街(初台高盛会)を南下していくと右手に三河屋酒店のレトロな建物が。そこの交差点を左折してすぐの右側。駅から5分弱。 コメント:立派な2枚の千鳥破風がそびえ立つ寺社風建物(木彫り懸魚はなし)。玄関両脇にガラスブロック(正式名称不明)が使われているあたりは文京区の初音湯(平成15年廃業)と同じ時期の創業か。番台を抜けると昔ながらの定番の東京銭湯の風情だ。天井は高くて広々としている。つるつるに磨かれた床板も普段は何気なく見ているが、古風な銭湯ならではのものかもしれない。洗い場との境に壁にガラス板を目いっぱい使っているのも開放感を醸し出していていい。新しいはずの裸婦と海底のデザインもしっくりマッチしているようだ。洗い場の床タイルは細かくて変形丸型の昔ながらのもので、カラン周りに使われているタイルもレトロなものだ。浴槽は古典的な深湯と浅湯だが、結構強そうなバイブラが噴出していて気持ちが良い。正面にはもちろん大きな富士山のペンキ絵、山の手前に雲がたなびく図柄は最近の中島師によるものか(コメント記載無し)。そんなわけで、梅の湯はどこにでもあった典型的な東京型銭湯だが、だんだんどこにもあるわけではなくなってきてしまった。屋号の「梅の湯」も東京で最も多い名前のひとつなのだが、松竹梅の不動の地位も揺らぎ始めているのだろうか。また、梅の湯の店じまいは初台商店街の盛衰に連動した出来事のようにも見受けられ、甲州街道の向こう側の繁栄がこちら側に影を落としているのだとしたら・・・、などと思うと今の東京の再開発の方向性に疑問が残る。 |
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