訪問記 【2008.12.20】
今日は世田谷は芦花公園北の第二千歳湯へ。左脇は裏への通路になっている一軒家レトロ銭湯。正面は道路から少し引き込んだ花道の奥にあるのだが、両脇は住宅と一軒だけ飲み屋さんが(ぼたんとか書いてあったかな)。そんなわけで正面から全景を見ることができなくて右半分3分の1ぐらいが見えない。二重の千鳥破風の構造だが上の屋根はトタン貼りで、玄関上が瓦葺、立派な鬼瓦も乗っかっている。コインランドリーがあるものの右手の独立小屋となっているので、比較的両側の築地塀が残されていてポイントが高い(自動販売機は置かれているが・・・)。ランドリー前にはベンチとJTの灰皿が置かれていて風呂上りにくつろげるようになっている。
玄関を入ると両脇にレトロな木製の下足箱、そしておしどりの絵の入った最も古いタイプの下足錠が健在(文字だけのものが最古と思われるが・・・)。正面、番台裏に上から下まで縦長の見事なタイル絵があっておそらく尾長鳥が描かれていると思われるが、柚子湯(12月21日)のポスターが貼られていて、残念ながらタイル絵のほとんどが隠されている。玄関も脱衣場の境も昔ながらの木の引き戸が使われていて全体的には超レトロだ。
脱衣場に入ると右手に重厚な番台。料金を置くところがえぐれていて時代を感じさせるもの(高さは意外と低くて向こう側は結構容易に見えてしまう)。お遍路帳が満杯で困っていたら新しいお遍路帳をどこかに取りに行ってくれた。一元にもやさしく対応してくださる気さくな女将さんでやれやれという感じ。左手前には木の引き戸越しに坪庭もあるが、凝った造作にはなっていない。一応縁側があって、庭の一角の独立便所へ渡っていけるようになっている。島ロッカーは1列で斜めに置かれている。上にはショーケースに湯道具が陳列されている。男女境は鏡壁(結構低い)、体重計はKeihoku hakariの古いアナログ体重計。冷蔵庫は小岩井の横長のもの。天井は格子ではなくて平天井、柱時計はないが招き猫が真ん中に鎮座している。乱れ籠健在。外側に木のレトロなロッカーが残されていて、オシドリの比較的古い錠前が使われている。なお、テレビや鳴り物は何にもない。
浴室へ。正面はナカジマさんのペンキ絵、覚え書きはないが結構新しい感じがする。富士川の向こうに富士山という図だが、川べりが結構平坦で散歩でもできそうな川べりになっていて、なかなか珍しい構図ではないだろうか。女湯との境は小高い丘になっている。浴槽は浅・深湯のシンプルな構造で、浅湯にはバイブラと3点背ジェット2基、深湯には何もなくて水面が動いていない。湯温は43℃ぐらいで熱からず、温からず(短いロケット型煙突からは煙が出ていたから重油かな)。浴槽の淵は昔ながらの黄緑色のタイル。
島カランは1列で、カラン周りのタイルは比較的新しいものに貼り替えられている。カランの配置は6-4-4-5、左手に立ちシャワーブース1基。湯温・湯量は良好。カランは6角茶色、椅子は普及型で桶はケロリン黄桶(ときどきこんなに大きかったっけと思うことがあるので、中型の大きさのものがあるのかもしれない)。最後に男女境壁には立派なタイル絵。富士山と湖と和風な水車小屋。つまりここはダブル富士というわけ(男湯の話しだけど)。
というわけで、第二千歳湯は築地塀あり、レトロな下足錠の木の下足箱あり、木の引き戸あり、乱れ籠あり、重厚な番台あり、ペンキ絵と富士山のタイル絵ありと、けっこう超レトロファンとしてはポイント高い昭和の匂いぷんぷんのレトロ銭湯だった。
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