弘善湯

【2007..23】  
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弘善湯
世田谷区下馬2−36−15
03-3410-4126
15:30-24:30、不定休、番台。

アクセス:東急田園都市線三軒茶屋駅で下車したら玉川通り(および高速渋谷線)の南側に出る。横断歩道から見ると少し右に下ってから左折して、南へ向かう商店街へ入る。ずっと進んでいくとY字路で左からの道路と合流、さらに進んでいって左に曲がってすぐの左側。駅から10分。


コメント:
以前から気になっていた弘善湯(読み方に自身がないが、こうぜんゆでいいんだろうか)。一見すると昭和中期的な一軒家銭湯のようなのだが、よく見るとなかなかレトロな銭湯だ。それでいて玄関サイドに石が使われているなど、一風変わった重厚な感じもする。休みが不定休で何度か振られたが、今日はやっと入ることができた。

玄関周りは昔ながらの木戸が使われていて、嬉しいくらいにレトロ。ガラスも昔ガラスのままで
木枠には昔ながらの可愛らしいデザインの意匠があちこちに使われている。玄関両脇の窓部分の図柄は帆掛け舟の帆の様で、家紋までもが彫られている。古い花王石鹸の暖簾(これにも弘善湯と書かれているから使い続けているのか?)から玄関に入るといきなり「いらっしゃいませ」のアナウンスが流れるのはちょっと驚く(確かすぐ近くの千代の湯もそうだった)。番台裏の木戸のデザインにまたひとしきり関心。下足箱前の踊り場が2段になっているのは珍しい。

古い引き戸を開けて中に入ると、右手に番台(ちょっと風呂屋の番台に似つかわしくないような綺麗な女将さんが座っていて意外)。島ロッカーが真ん中に縦に1列置かれているので、一応番台と反対側に陣取る。男女の境は鏡壁、
Hokutowのアナログ体重計(うぐいす色)あり。天井は島格子模様だが、3枚羽の扇風機がぶら下がり、柱時計もある。手前には縁側に続いて坪庭もあるのだが、池の水は干上がっていて岩山と言う感じ。室内禁煙の煽りを受けて、縁側に日本たばこ(JT)寄贈と思われる例の重厚な灰皿が置かれている。

さて洗い場に入ると島カラン1列というか、左側にカラン4基の小さな島カランがあるので、厳密には2列(カランは4-6-6-7)。その小さなカランの裏が立ちシャワーブースになっていて、4基も立ちシャワーがある。左手前に
無料のスチームサウナがあるためか(無料と言うことを知らず、利用し損ねた)。カランのお湯の出はやや弱く、お湯が出るまでに時間がかかるのだが、出始めるとなかなか熱い。

そして、正面。
富士山の立派なペンキ絵、ただし覚書がなくて詳細不明だが、たぶん丸山師のものか?山中湖畔からの眺め?か、描いてからはだいぶ月日が経っている様子。浴槽は浅・深の古典的な2槽で、湯温は42℃ぐらい。全部薬湯で今日は緑の薬湯。左の浅湯の奥に檻があって中に白い岩石が封じ込められている。そこからお湯が注ぎ込まれていて、なんかご利益がありそうな感じ。あと、男女境にはカモメが飛ぶ海辺を描いたチップタイル絵。これも最近はだいぶ減ってきたので、最近では貴重な感じがする。

そんなわけで、三軒茶屋南の商店街はずれにある弘善湯は木枠の意匠にレトロなモチーフが多々残され、ペンキ絵、チップタイル絵と昭和の銭湯のテーストの残されたレトロファン満足の昭和レトロ銭湯だった。

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