花和楽の湯


【2006.11.3】 
内部の写真へ続く
小川温泉、花和楽(かわら)の湯
埼玉県比企郡小川町大字角山26
0493-73-2683
10:00-24:00 (受付終了:23:00)、年中無休、フロント。

アクセス:東武東上線・JR八高線の小川町駅下車徒歩8分。駅を降りたら東武東上線の線路伝いに東へ戻り、突き当りを左折して鉄橋を潜る。道なりに進んで行き、しばらく行って最初の信号機付きの交差点の北西角にある。駅から8分の記載。車なら関越自動車道、嵐山小川ICで降りて5km。駐車場は多数。

・入館料(税込):大人1,050円  小人525円(満3歳〜12歳)
料金に含まれるもの:時間無制限/浴衣貸出/フェイスタオル貸出/バスタオル貸出/岩盤浴「瓦黄房」専用ウェア貸出/楽膳にて茶菓サービス。
・末広コース(80分):大人735円  小人370円(満3歳〜12歳)
料金に含まれるもの:時間制限80分/楽膳にて茶菓サービス
*オムツのとれていない乳幼児は、姫湯・殿湯の利用不可。
・貸し切り家族風呂(2時間単位、要予約):雲隠(8畳)4,200円/室  楽恋房(6畳)3,675円/室
・泉質:無色澄明無味硫化水素臭、pH値が10.1の強アルカリ性温泉、源泉温度27.8℃
http://www.kawarano-yu.com/index.htm

コメント
小川町は全国で51番目に認定された「小京都」(平成8年6月、全国京都会議入会)で、
武蔵の小京都といわれている(「小京都」のホームページ)。「小川といえば「和紙」といわれるほど有名な小川の和紙。中でも楮(こうぞ)だけを使用した「細川紙」はその独特の技術と、丈夫で素朴な紙質が賞賛され、国の「重要無形文化財」の指定を受けています。」小川町公式ウェブサイトより)。和紙の歴史は古く、1,300年も前から和紙づくりが行なわれていたらしい。当時、武蔵国には高麗の帰化人が多く、彼らによって武蔵の紙は広められたとのこと。そのほか、絹織物はもちろん、鬼瓦(立川式、鬼瓦師富岡さん親子)、水嚢(うどんやそばの水切りをするザル)、建具、日本酒(関東灘と評される銘酒は武蔵鶴、晴雲、帝松、そのほか、和紙の詩、武蔵の小京都、紙すき娘、和紙の里などの町おこし銘柄もある)などの地場産業がある。カタクリの花とオオムラサキ蝶も有名(おがわ・彩の国、商工会ホームページ)。

「温泉をやりたい」と思い立って温泉を掘り当てた、2003年当時33歳だった社長が資本金3,000万円で設立した有限会社の経営する天然温泉施設で、2004年4月27日開業。「大地にゆっくりとしみ込んだはるか800年も昔の水がおがわまちの瓦工場の跡地から良質の温泉になって こんこんと湧き出した」との触れ込みで、その名も「花和楽(かわら)の湯」というわけ。

外観は屋根の傾斜の大きい一見それこそ
瓦工場のような平屋の建物群。周辺を駐車場に囲まれているので、傍に寄るまでは建物の詳細がわからないが、花道は和風旅館のようにきれいに飾られており、嫌がおうにも期待感で胸が膨らむ。くの字に折れ曲がった石段を登り、大きな暖簾の掛かった玄関から中へ入る。軒には干しとうもろこしがぶら下がり、長閑な東屋の雰囲気を醸し出している。

玄関を入ると正面に下足箱の並ぶ部屋、そこに靴を預けて右に折れて、ロビースペースへ。
あちらこちらにきれいな花があしらわれており、感じのいい雰囲気に飾られている。フロントで受け付けたら左奥の入浴チェックインコーナーへ進む。左手にはおみあげコーナーがあって、地場の和紙や駄菓子、入浴剤等などが陳列されている。施設全体の規模は小さいながらも今流行の浴衣の貸し出しなどもあり、好みの柄をとサイズを選んで奥へ進む。ガラス越しに中庭が見えて、それを取り囲むように回廊が巡らされている。

まず廊下正面右寄りに岩盤浴の入り口があり(結構人気で予約制で記名板に名前を書き込んで、順番に中に入るシステム)、その両側に男女の脱衣場への入り口がある。早速、脱衣場で岩盤浴専用のコスチュームに着替えて、岩盤浴へ。岩盤浴は中国の黄土を使った?
「瓦黄房」という混浴の低温サウナ。まずは寝転んで一汗かいた後、いよいよ入浴施設へ。

ガラスの引き戸から中に入ると左側に
カランスペース(さらに手前に垢すりコーナー)、手前と左右にカランの並ぶこじんまりしたスペース(カランの数は4−4−5、リンプーとボディーソープ備付、ホース付きのモダンカラン)で、桶と椅子は木製。右手奥にスチームサウナ室があって、その間に挟まれるように大きくて深い水風呂があり、水中階段を降りていくような構造になっている。で、そのスチームサウナだが、1時間ごとに異なった香りのオイルを噴霧してくれるサービスがあり、これがなかなかの好評。右手手前大きな全面ガラス張り窓のある内風呂主浴槽がある。浴槽の中央に寄り掛かれる木枕があって、これがなかなか利用度が高い。浴槽正面に取り付けられた鬼瓦の口から温泉が注がれている。温泉なのでジェットなどの色物はなく、泉質で勝負というコンセプト。で、強アルカリの無色澄明無味の硫化水素臭は嫌味のないあっさりした温泉だ。

右手前の出口から
露天スペースへ。本陣という風情のある主浴槽(この日は祭日で一升瓶のお酒を入れるタイムサービスあり、そのときは人が一杯になり、手酌にお酒を注いでもらって呑む人も)。外には主に3つの岩風呂が広がっていて、秀吉、信長、家康と名前が付けられている。男女境側には櫓組みの浴槽(家康?)も。中央の一番外側はきれいな築山の庭園になっており、これを取り囲むように岩風呂が配されている。築山の傍らの高台には寝転んで寛げる畳様スペースもある。庭の奥の山の木々が紅葉していて、立派な借景になっている。

施設としては中央中庭の反対側に戸外の休憩スペース(
ランプで飾られた屋根付きの廊下で、ここは喫煙可)、そして一番奥左に手もみマッサージ室、右手に和食堂が離れのように配されており、なかなかいい雰囲気に造形されている。このほか室内部分には畳の休憩室家族風呂(予約制)もある。

というわけで、小川温泉、花和楽の湯はこじんまりとしていながらも、各所がきれいに飾られて、申し分のないサービスを提供しているくつろぎのニュー温泉施設だ。社長が若いせいか、受付の女の子を初め、若い従業員が目立つが、とても良くトレーニングされているようで、混雑時の応対などもてきぱきとして感じが良く、申し分がない。

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