訪問記 【2009.4.26】
3時から営業している朝日湯へ。なんというのかいわゆる宮造り銭湯とも一線を隔した、ちょっと地方色のある味のあるレトロ銭湯。花道の奥にそびえ立っている感じ。上の山小屋風の三角屋根の壁に大きく「朝日湯」と書かれている。暖簾は大きな2連で、両側に「ゆ」と書かれている。左側コーナーはコインランドリーになっている。玄関回りなどむかしのまま、玄関の床はレトロな楕円形の豆タイル、正面の傘入れの鍵はTOKYO、赤と緑のペンキがハゲハゲになっているが、男用と女用を色分けしたあったのか。左右の踊り場は奥に向かって長く、手前壁にカナリア錠の下足箱が並んでいる。左右の男女別々の入り口は昔ながらの木製の引き戸なのだが、機械をつけて自動ドアーにしてある。
中に入ると左手に丈の高い番台、女将さんに料金を払って2冊分の判子をもらう。最近は各区ごとにお遍路張が作られていて、大田区専用のお遍路張もゲット、さすがに3つ判子を貰うのは気が引けた。中の造りは典型的な配置で、男女境は鏡壁。天井は格子状ではないが、高い天井で山小屋風。島ロッカーは2列。体重計はHokutowの小さいものだが、壊れているようで家庭用の体重計が横においてある。右壁奥の外には縁側があって庭(草花のみ)を眺めながら寛ぐことができるようになっている。縁側の奥に外トイレあり。
早速、浴室へ。浴室はけっこう広くて島カラン2列、カランの配置は5-4-4-4-4-6、カランは和栗の円盤状赤青で、桶はケロリン黄桶、椅子はM字緑(大)。カラン回りのタイルも昔ながらの小粒なタイル貼り。浴槽は古典的な浅・深湯で、浅湯には2点背ジェット3基、深湯はバイブラになっている。湯温は42℃強でいいお湯だ。浴槽の蛇口回りに昔タイルも可愛らしい。そいてペンキ絵、「平成15年3月12日、富士川、早川」と書かれたもので、男女に跨るように大きな富士山、富士川は川の途中に段差があって小さな滝状に水が流れ落ちている。右側は縦長の岸壁で、すぼまるように描かれた富士川の上流がエメラルド色に塗られていて美しい。ただし、だいぶ傷みが激しくてハゲハゲなのは残念。よくよく見ていて、気が付いたのだが、富士山と岩肌の傷むはさほど出なく、空や雲の傷みが強い。上から何度も塗り重ねたところの持ちがいいということか。
女将さんは一元にも優しい方で、コーヒー牛乳を購入時に飴を2つ、帰りしなにもまた飴を2つ手渡してくれる。早い時間でお年寄りで賑わっており、朝日湯は古いけれども活気のある昔ながらの銭湯だった。
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