訪問記 【2008.8.16】
もうすっかり夜の帳が下りていて、外観はほとんど分からないが、ここは白いペンキの漆喰がきれいな白夜の殿堂のような大きな千鳥破風の一軒家銭湯だ。下の破風は少し上に膨らんでいてむくり破風に属するかもしれない。で、もう一つのここの特徴は草花がずらっと並んでいてまるで花屋さんのように飾られていることだ。
玄関入ると昔ながらの木の造り。下足錠は何だっけ(はしごすると分からなくなること多々あり、たしかサクラ)。引き戸を開けて中に入ると小ぶりな折り返し付き格天井、右手には改装された低い番台。横向きに島カラン1列。Eikouのアナログ体重計。左横にトイレ、縁側などはない。驚くのはここも草花で一杯で植物園のよう。熱帯魚の水槽も2−3槽あり。1槽は空。男女境には鏡と化粧台両方あり。
さっそく、洗い場へ。ここは思ったほどレトロではなく、比較的綺麗に改装されている。島カランは1列でカランは確か7−6−6−6、だったかな。カランはWaguriの5角形茶色で、桶はケロリン桶。2つだけ緑M字椅子(小)あり。湯温・湯量は良好。浴槽はシンプルな浅湯と深湯で小さな水柱バイブラあり。で、正面は中島さんの富士山のペンキ絵。覚え書きがないが、西伊豆からの眺め、富士山が遠くに描かれていて小さいのが特徴(これ、描き時の心境によるのか?)、さらに男女境には熱帯魚系のチップタイル絵。今日は百木タイル店に銭湯ナイト3のための聞き取り調査(大げさ)に行って来たので、感慨も一入だ。このような一見して大量生産のように見えるチップタイル絵も窯元への注文生産で、絵師が1つずつ下絵を描くらしい。その絵師も今はもういないかもしれないとのこと(東京ではなく、窯元から依頼)。
そんなわけで、予てから入ってみたかった一乃湯は、草花で一杯の、色物系は比較的あっさりながらも、銭湯ファンを満足させる定番のペンキ絵とタイル絵のあるこじんまりとして静かな銭湯だった。商店街も比較的活気がある。
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