第三松の湯


【2008.3.30】  
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第三松の湯(鵜の木天然温泉)
大田区鵜の木2−11−11
03-3758-2845
15:30-25:00、不定休
、フロント。
アクセス:東急多摩川線の鵜の木駅で下車したら線路から離れるように南下する。最初の路地(細い路地を入れれば2本目)を左折してしばらく進んだ左角にある。駅から2分の記載。


コメント:
今日は東急多摩川線の下丸子駅下車で、登録文化財・昭和のくらし博物館を見学したあと、住宅街を抜けて線路の反対側にある第三松の湯へ向かった。昭和のくらし博物館はむかしはそこらじゅうに建っていたような普通の住宅(昭和26年築)。それもそのはずで館長の家族が暮らしていた家をそのまま展示したものということ。

さて、第三松の湯だが、ここは
天然温泉で、雪谷保健所に届けてある温泉地名が「鵜の木天然温泉」ということで、暖簾には第三松の湯(銭湯マップにはこの名前で登録)ではなくて鵜の木天然温泉と書かれている。平入りの瓦屋根の昔ながらの伝統的な一軒屋銭湯だが、玄関周りはちょっと改装されているようで、和風旅館の入り口のような風情がある。瓦屋根はちょっとゆがみもあってかなりレトロな感じなのだが、戦後の昭和24年築とのこと。

典型的な左右の下足箱に靴を入れて中に入ると、本来の番台の位置にこちら向きにフロントが作られていて右奥には横長のロビースペースあり。フロント左右には「男」、「女」と書かれた
縦長の大きな暖簾が架かっていて、男女の入り口がわかり安い。脱衣場は明るくて清潔な感じ。床はニス塗りの板で綺麗に掃除されている。天井は折り返し付きの格天井で、柱時計あり。手前側はガラス窓越しに縁側があって金属製テーブル、ベンチが置かれていおり、石を配した坪庭を眺めながら一服できるようになっている。脱衣場中央には箱型の小さな島ロッカーがあり、体重計は珍しいNamura scaleという会社のアナログ体重計。針が矢のようになっており、踏み台に金属板が貼り付けてあるのが面白い。男女境に化粧鏡があって、その脇に温泉の分析表が貼ってある。いわゆる重曹泉(ナトリウム炭酸水素塩泉)の低張性、弱アルカリ性、冷鉱泉(18℃)で、270L/分の湧出量と言うのはすごい。

浴室へ。正面には定番の
富士山のペンキ絵(丸山師によるものと思われる)があり、17.11.16、本栖湖と書かれており、小さな湖(ヨットが1隻)の向こうにそびえる穏やかな富士山が描かれている。島カランは1列で、カランの配置は5-5-5-6、立ちシャワーブースが1基あり。湯温・湯量は良好。浴槽は右側の深湯が自慢の黒い温泉で43℃ぐらいとかなり熱め。左側は7点ジェットの水枕付き座湯2基があり、左端がバイブラ湯(ここは誰かが埋めたのか42℃ぐらい)。そして極めつけは無料の立派な乾式サウナ(かなり高温で気色がいい)とその出口脇に小さいながらも温泉源泉の掛け流し(出しっぱなしにしないで下さいと書いてはあるが、出しぱなしに成っている)の水風呂があることだ。これがすばらしく心地がいい。なお、浴槽のタイルは比較的新しいもので、どこかで改装されたものだろう。

と言うわけで、天然温泉の第三松の湯(坪庭には立派な松ノ木があり、玄関の上に覆いかぶさるように生えている)は、レトロで小ぶりながらも温浴施設がきわめて充実した、地元の人にもかなりの人気の優良レトロ銭湯だ。

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