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栄湯 sakaeyu
大田区羽田4−121−15
03-3741-1564
15:00-24:00
第2、4木曜休→
廃業(2009.3.29)
フロント


訪問記 【2009.3.14】

今月29日で廃業してしまう羽田の栄湯へ(第2、4木曜休と書いてあったような)。このあいだ廃業したかもめ湯よりやや内陸?寄りの住宅街の中にある伝統的平入り瓦屋根の一軒家銭湯だ。かもめ湯よりはやや広い通りに面していて隣にはたばこ屋や向かいに綺麗な琉球料理の店などがある。いかにもかつての反映振りが窺われるような大きな銭湯だが、煙突や建物の外壁の傷みはけっこう来ている感じ。でも正面玄関周りは後から改装されたような四角いタイル貼りになっているので、古い館骨は昼間に遠めに見なければ良く解らないかもしれない。

右端に入り口があってL字状に下足箱(松竹錠)。左に折れてロビーに入ると本来の正面にフロントがあって、フロント前が四角い休憩スペースになっていてソファーテーブルなどが置かれている。廃業ぎりぎりまでピカピカに磨いて最後の客を送り出す銭湯もあるが、ここはいかにも廃業前を感じさせるようなというか、もう引越しが始まっているようで学校の部室のようだ。


女将さんはまだまだお若い方。サウナも頼むとサウナは無料とのこと。左右の男女入り口から脱衣場へ。天井は基本フラットだが、少し中央に段差があってブルーに色分けされている。高いところを取り巻く窓にはよしずが立て掛けてあったり、雰囲気造りの跡が見られる。ロッカーはL字状、窓や庭はなくて中央にはソファーテーブル。洗い場入り口左手に化粧台。体重計はHokutowの比較的古めのアナログ体重計。


洗い場へ。まず正面壁のビジュアル、大きなサイズのタイルを使ったタイル絵に眼を奪われる。手前に流れ落ちるような渓流が写実的に描かれたもので、これがなかなかの出来栄えで癒される感じの効果大。島カランは2列あってさすがに大型の銭湯という感じ。カランの配置は5−5−5−5−5−5、カランは6角茶で、桶はケロリン黄桶、椅子は普及版。カラン周りは比較的原色の黄色やオレンジのタイルが貼られていて派手な感じ。浴槽はけっこう充実していて、左が漢方薬湯(42℃弱のぬる湯)。右の中央が4点ジェットの座湯2基、右端がバイブラ付きの浅湯(湯温は42℃強)。

最後に外側に脱衣場にはみ出るような乾式サウナが増設されているのだが、残念ながら水風呂はない。その代わり反対側に立ちシャワーブース3基あり。一つはホース、真ん中は大きな如雨露で、右が3つの如雨露付き(これが残念ながらお湯のみ)。サウナは無料ながら温度は上々、しかし二段4人分のこじんまりしたものだ。


というわけで、羽田の栄湯はかつては随分大活躍したんだろうなと、かつてを感じさせるような伝統的昭和の大型一軒家銭湯だ。屋台骨はいいのだから需要さえあれば改装してまだまだ活躍できそうなそんな銭湯で残念。

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