訪問記 【2009.4.7】
次は少し千葉も、という方針で今日はかねてから気になって行けていなかった鷺沼浴場(温泉)へ。ここは現役3師でない方のペンキ絵もあるようだ。
長い塀で囲まれた大きな敷地内の奥に建っていて、その塀沿いに回っていったら銭湯の裏側に出てしまった。大きな煙突があって、廃材がいっぱい積まれていた。右手の街道沿いにある鷺沼温泉専用駐車場には「廃材ありましたらご連絡ください。いつでも取りに伺います。」という看板あり。というわけで燃料は薪炊きのようだ。大きな煙突も健在。
表に回ると街道沿いに花道があり。ここを進んでいくとやたら綺麗。まるでニュー銭湯さくら(駒込)の花道のよう。近くに寄ると建物はトタン張りのバラック風(のまま)だが、玄関周りは和風に綺麗に改装されている。縦長の大きな暖簾にはSPAなんて書かれていて綺麗。屋根付きの誘導路は男女別々に分かれるようになっていて、玄関前に誘導。で、扉は以前のままのよう、あの独特の男湯、温湯の文字も健在。あとで解ったがここは経営者が韓国系の方ということで、あれはいわゆる外人が描いた漢字?だからユニークなのか。
昔ながらの木の引き戸を開けて中に入るとそこは昔ながらの超レトロ銭湯の脱衣場。左手には番台、男女境は鏡壁。天井は格天井で、シックな木の佇まい。ロッカーはなくてみんな乱れ籠を使っている。木製のベンチもあってのんびり寛げるいい空間だ。天井には3枚羽根の扇風機もある。冷蔵庫は縦長で本場キムチ(帰りに購入)も販売(500円)。体重計はTANAKAの黒文字のレトロなアナログ体重計。島ロッカーもないので、広々、伸び伸びとした空間だ。
浴室へ。島カランは1列でここにだけシャワーが3基ずつ取り付けられている。カランの配置は7−5−5−5だったかな。カランは5角の赤青、桶はケロリン黄桶で、椅子はM字緑(小かな)。カラン周りのタイルはちょっと当たらしめだが、壁や床の一部のタイルは昔のまま。亀の子型のタイルが厚木の亀の湯のものと同じだ。壁の一部にマジョリカタイルが残っている。男女境壁には鈴栄堂の3服のタイル絵、左はお宮寛七?、真ん中が森の丸太??、右は渓流の滝?が描かれている。浴槽上の横長のタイル絵も見事。蓮のある池に大きな鯉が4匹悠々と泳いでいる。そしてペンキ絵、河口湖越しの富士山だろうか。屋根付きのモーターボート。おむすび型の大きな島が描かれているのが珍しい。西伊豆三津5.6.13と覚え書きあり。
最後にここの売りの浴槽。黒湯の古典的な浅・深湯。深湯は45℃はある。常連のおじさんたちも皆浅湯に入っている。こっちは熱いですねえ、と話しかけたら深湯の奥から熱いのが出てきてるからなあ、などなど一気に会話が弾んで場がなごんだ。若い常連、浅湯も入れずに結局湯船に浸からずに出て行った。もったいない。最後に深湯に挑戦したが、久々に出てから足がじんじんする熱さ。他に入った人はいなかった。お湯は最高。
というわけで、鷺沼浴場はおんぼろ銭湯と聞いていたが、そんなことはない。格天井はあり、なかなか格式高い立派な超レトロ銭湯だ。黒湯温泉はいいし、ここはまた何回でも訪れたくなる名銭湯だ。玄関周りも綺麗に改装されていて、経営者もやる気満々だ。
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