訪問記 【2009.1.5】
1泊2日で上田から山間に入ったところにある歴史ある別所温泉へ。泊まったのは明治43年創業の老舗旅館、臨泉楼別荘。もともとは上田藩の出屋敷があったところ。木造4階建ての本館(昭和2年の増築)は別所温泉のシンボル的存在。平成9年に内装をリニューアルしているが、昭和の初期の大浴場に使われていた輸入タイル(おそらくマジョリカタイル)が今も使われている大正ロマン風の仕立てられた貸しきり風呂などがある。
ちょうど中央、観光案内所のあるところの向かい、湯川をわたって参道を登っていくところにある北向(まんま「きたむき」と読む)観音は出湯の効能を祀った神社でお湯の神様のようなもの。まだ松の内で出店もでていて、上田あたりから多くの参拝客が訪れていた。初詣をして外湯の共同湯で一風呂というわけで、なかなか魅力的な初詣でコースとなっている。。
共同湯は3つあって、大湯、大師湯、石湯の3つ。いずれも150円で朝の6時ごろからうやっている。建物は比較的新しいようなのだが、いずれも宮造りの立派な構えだ。中でも大師湯の浴槽は昔ながらのタイルが使われていて、お湯も源泉掛け流し。大湯は3号源泉(38.9℃)冬季に加温、石湯は4号源泉(50.9℃)加水、加温調節あり。大師湯だけが加水、加温なしの掛け流しなのだが、温めの3号線と熱めの4号線をミックスして調節している。桶はいずれもケロリン黄桶だが、大小のものがミックスで置いてあった。
昼間は外来客が中心のようだが、早朝や夕方は地元のひとでいっぱい。で、夜はどうなのかと行ってみたらやはり地元の働き盛りの若手の人が多いような。正月なんで、湯船で今年もよろしくなどと挨拶を交わしているところに、一人外来客として浸かる。この時期(真冬)浴衣で夜中に外湯に来る宿泊客は自分以外誰もいなかった。もっとも昼間でも宿泊客は可有無(見んな旅館の立派な風呂で満足している模様で、わざわざ共同湯には出向かない模様。今朝などは雪が降って文字通り雪駄で出かけるも人影なし。
そんなわけで3つの共同湯を夕に朝にと梯子して回り、もっぱら地元の人と一緒に源泉を楽しんだのであった。なお、宿泊客は何回は行っても無料。老舗旅館の大正浪漫風風呂や立派な露天はもちろん快適だった。時間の関係で上田の銭湯には寄れなかったが、湯三昧の2日間だったし、湯の神様で初詣できたのは幸先良しといういう感じ。
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