訪問記 【2008.12.21】
第二湊湯が今月29日までだということで、急きょ訪問。第一湊湯というのも昔はあったんだろうなあ。この第二の方は47年から営業と張り紙に書いてあるから、比較的後発の銭湯だったのだな。それでも平入りの瓦屋根の立派な一軒家銭湯だ。
第二湊湯は細い細い路地に面して建っているので、路地からは斜めにしか正面を見ることができない。ところが幸いなことに正面が3階建てのアパートになっていて、このアパートの階段の上から建物の全体が見渡すことができる。上から銭湯を眺めてみると何だか熱海かどこかの温泉場のようで実に風情がある。玄関周りは比較的モダンにも見えるが左右のガラス戸などはなかなかレトロ感に満ちている。
玄関を入ると両脇に下足箱(松竹錠)、正面には楕円形に膨らんだかさ入れがあり、番台裏の木の引き戸はなかなかレトロなデザインだ。珍しいことに脱衣場へ続くドアーは引き戸ではなくて手前に引っ張る開き戸だ。
中に入ると番台ではなくてこちら向きに造りなおされたフロント。脱衣場はこじんまりとしていて島ロッカー1列。天井は折り返し部分はないもののアイボリーに塗られた綺麗な格天井だ。男女境は鏡壁。体重計はHoktowの赤い針の古いタイプのアナログ体重計。引き戸越しには小さな坪庭(棕櫚の木が1-2本)もあって縁側から外トイレに行ける構造。外側の壁ロッカーの前にテーブル・椅子が並べられている。
浴室へ。正面はナカジマさんの渓流を描いたペンキ絵(女湯が富士山になっている)、覚え書きがないが、女湯のペンキ絵の端がハゲハゲになってるからちょっと前に描かれたものかな。浴槽は2浴槽で左の浅湯はバイブラのみ、右の深湯の左端には7点ジェットの座湯が1基ある。湯温は42℃強で今日は冬至で柚子湯(ちなみに江東区では65歳以上と小学生は無料)。
島カランは1列で、カランの配置は6-5-5-5、カランは6角茶で、桶は無地の黄色桶。椅子は半分が普及版で半分が緑M字椅子の小。カラン周りは比較的綺麗なタイルに貼り替えられていてきれい。湯温・湯量は良好。立ちシャワーブース1基。柱と釜場に続く戸の周りに小さなオレンジタイルが貼られているのがお洒落。浴槽入り口下にだけオレンジのマーブルタイルが残されているのが見どころ。
というわけで、清澄白川駅から1-2分の至近距離の路地の奥に佇む第二湊湯はこじんまりとしていながら綺麗に改装されていて、ペンキ絵もあって温泉場のようないい雰囲気のくつろぎの銭湯だった。なかなか落ち着ける銭湯なんだけれど、もったいないなあ。親父さんも元気そうに見えたのだが・・・
なお、第二湊湯と庭園で有名な常盤湯は川を挟んでその両側の至近距離で歩いてもすぐ。川を渡る橋は「高橋」と書いてたかばしと読む。常盤湯の傍には深川たかばし商店街があって、橋のたもとには風情のある高級どうなどぜううを食べさせる料亭がある。ちょっと先の大和?証券の建物もなかなかレトロだった。
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