えびす湯

【2006.9.30】  
内部の写真を見る

えびす湯
江東区亀戸7−23−9
03-3681-4813
14:30-23:00、月曜休、フロント→
廃業(2006.10.1)

アクセス:JR総武線の亀戸駅南口で下車したら南下して京葉道路を左折。しばらく進んで丸八道路を越え、さらに進んで亀七通りを左折。道なりに進んで数個目の路地を左折してすぐの右側。東武亀戸線の亀戸水神駅から行く場合は、駅前通りを右折して丸八通りを越え、亀戸中央公園の中を走る道を進む。総武線のガードを越えて最初の路地(亀七通り)を右折してはじめの路地を右折してすぐの右側。亀戸水神駅から2分。亀戸駅からは15分ぐらい。


コメント:残念ながら今月一杯で廃業と聞きつけて、今日最終日に滑り込みで訪問。以前下見に訪れたとき、
昔ながらの瓦屋根のレトロ銭湯ながら外壁を真っ白く塗られていて、白い築地塀から岩山が突き出ていたのがとても印象的でよく覚えていた。

玄関上には
摺りガラスにえびす湯と書かれており、その下にやはりえびす湯と書かれたオリジナル白生地の暖簾が掛けられている。玄関を入ると正面に改装されたサッシの引き戸があり、左右の踊り場に松竹錠の下足箱が並んでいる。その男女共通の入り口から中に入ると正面にフロント。穏やかな話しっぷりの旦那さんに料金を払って、右側のドーム状の入り口からさらに脱衣場へ進む。脱衣場の中は改装されてややモダンな感じだが、天井だけは昔ながらの格天井が残されている。手前側と右外側壁際にロッカーが並び、中央に長いすがあって、外側壁の奥に大きなガラスが張られた洗面台がある。体重計はKeihoku製で、空色に塗りなおされている?

浴室に入ると
正面に見事なペンキ絵があり、西伊豆の松の小島の奥に雲がたなびく富士山が堂々と描かれている(中島師の手によると思われるが、覚え書きはない)。ペンキ絵の下には「いらっしゃいませ、入浴は健康の元」と大きく描かれた横長看板が貼り付けられているのがユニークで、さらにその下には緋鯉、真鯉、斑鯉など12匹の鯉が泳ぐ見事な章仙作のタイル絵で飾られている。また男女境壁の上にも3服の額状のタイル絵があり、左が松茂る小島郡とはるか向こうにそびえる富士山、真ん中が花坂爺さん?、そして右が牡丹の静物画が描かれてる。

浴槽は
シンプルな浅・深2槽で、左がバイブラ、右が2点ジェット2基の浅湯で、いずれも43℃ぐらいのきもちいい湯加減の浴槽だ。なお、一番右端に今は使われていないスチームサウナ?の四角い個室あり。島カランは1列(シャワーなし)で、カランの配置は6-5-5-4。右端に立ちシャワーブース1基あり。床は新しいタイルに張りかえられているが、カラン周りは昔ながらの小さなブルータイルの幾何学模様が残されている。

最後にフロントスペース右側に庭に面した横長の休憩場があり、庭には小さな池、岩山、そしてなんと正面の外壁一面に、
中島師の手によるペンキ絵(渓谷の奥に見える富士山)が描かれており、庭の岩・緑の木々とペンキ絵が一体となっているのが見事。

そんなわけで、亀戸七丁目の住民のための銭湯といった感じのえびす湯は、心優しい旦那さんとその家族が牙城を守り続けてきたと思われる地元に愛された地域密着型のレトロ銭湯だ。「長い間お世話になりました」と挨拶する常連客に「かってを言ってすみません」と丁寧に挨拶されているのが印象的だった。残念だけれども仕方がないのかなという感じで、どうもお疲れ様でした。

ホームへ戻る東京銭湯リストへ戻る