稲荷湯


【2004.12.29】  


稲荷湯


【2004.12.29】  
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稲荷湯
北区滝野川6−27−14
03-3916-0523
14:50-25:30、日曜・祝日は13:50より 水曜休、番台。
J都営三田線の西巣鴨駅で降りたら明治通りを西へ進む。掘割のバス停あたりを右折して小さな商店街を北上していく。しばらく進んで細い路地を右折してすぐの右側。駅から6分の記載。


コメント:外観は典型的な宮造りではないが、京都の町屋風の立派な和風建築だ。年代的にはかなり時代をさかのぼるものと思われ、ひょっとすると(宮造り銭湯の台頭する前の)大正時代の建物かもしれない。
玄関から脱衣場へ通じる引き戸もレトロな木製のものだが、玄関正面だけは新しいタイルを使ってきれいに改装されている。下足錠はおしどりの典型的なもの。左手の番台で料金を払い脱衣場の中へ。少し横長に広がっていて、島ロッカーは縦向きと横向きに2つ。手前には立派な庭もあって、小さいながらも水車が回っていてライトアップもされている。天井は折り返し部分はないが伝統的な格天井造りだ。アナログ体重計はKeihokuのもの。
洗い場は中型の大きさで中央に島カラン、カランの配置は5-6-6-4、湯温・湯量は良好。右手前に立ちシャワーブース1基あり。カラン周りのタイルはきれいなものに張りかえられているが、浴槽だけは昔ながらの古いタイル張りが残されている。典型的な深湯と右手に広めの浅湯。こちらには2点ジェット2基とバイブラが設けられている。湯温は熱めの43℃で、深湯はなんと久々の46℃。一旦体を沈めるもすぐに降参(これはほんとうに久々のこと)。そして最後に正面のペンキ絵。早川師の手によるもので、16年3月17日、音止ノ滝とある(女湯側が富士山、早川師は最近滝の凝っている様子)。で、洗い場奥の建物の角が丸く円弧を描いていて、これにあわせるように滝も円弧を描いているのが見事。洗い場と脱衣場の境の柱が昔ながらの木製で、木桶が使われているところも売り。
というわけで、稲荷湯は一部改装されているものの昔ながらの木の香の雰囲気あふれる昔ながらの銭湯だ。


<稲荷湯4代目のご主人からメールを頂きました(2005.4.20)>
寛大なお言葉にただただ感謝の気持ちです。以下、メールの主要な部分を転写させていただきました。

東京都北区滝野川の稲荷湯です。以前、当銭湯を取材していただきまして有難うございました。HP上でも、とても綺麗な写真と共に載せていただき店主一同感謝しております。
当浴場は、昔ながらの銭湯で現在の店主で4代目です。
5代目も4代目と共に頑張っております。銭湯一筋でここまで営み、間もなく100年を迎えようとしております。毎日お湯は完全に抜き、湯舟の中を洗い、新しいお湯と共にお店を開いております。木桶を見ていただければ掃除等手を抜かず頑張っているとご理解いただければ嬉しいです。今後共お客様第一で営業して参りますので、宜しくお願い申し上げます。

尚、東京都大田区東雪谷3-30-14の稲荷湯は当店の支店になります。明神湯には行かれているので東急池上線の石川台駅はお分かりになると思いますが、
温泉稲荷湯へはまだ行かれていない様子ですので、紹介させていただきます。一昨年の8月より経営者が変わり、雰囲気も変えましたのでお時間有りましたら、是非お立寄り下さい。規模は小さいですが、都内では珍しく間仕切りのあるパドック型の銭湯です。黒湯は認可されている温泉成分ですので安心してお入りになれると思います。少々湯舟が小さいのが難点ですが・・・すみません。ちなみに、入口に設置してある1250cmの水槽はお客様に大変好評です。熱帯魚、海水魚等魚がおりますので、お子様にも喜んでいただけると思います。全部の水槽は、毎週水曜日と土曜日にレイアウトが変わりますので、お楽しみいただけると思います。夜は特に綺麗に写ります・・・。御来店お待ちいたしております。
大田区 温泉稲荷湯
東京都大田区東雪谷3-30-14
03-3729-4526
15:30-24:00、水曜休(定休日変更)、フロント。

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<稲荷湯を建築された棟梁のご家族からメールを頂きました(2007.1.29)>

はじめまして、滝野川在住のA.Tと申します。
掲題紹介のページを見ました。この建築は私の父が昭和5年に造ったものと聞いています。
父はすでに他界していますが、宮ずくりに興味を持ち戦前神社の建築も手がけていました。
貴ページでいろいろ紹介されていたのをたまたま見て、うれしく思っています。
時々なき父の遺作を眺めながら稲荷湯の前を通っています。


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