幸の湯
北区中十条1−16−14
03-3900-4120
15:00-24:30、廃業、番台。
JR京浜東北線の東十条駅の南寄りで下車。改札を降りたところが陸橋になっているが、この通りを十条方向へ進み、最初の信号を左折してしばらく進んだ右側。駅から8分の記載。
コメント:典型的な唐破風屋根の東京2段型銭湯だが、懸魚はなくて薄茶色に塗られたあっさりとした外観だ。おまけに暖簾も掛けられていなくて、シンプルを信条にしているのだろうか。玄関を入ると正面に傘入れ箱あり。左右の踊り場から上にあがって下足箱(松竹錠)に靴を入れてサッシの引き戸から中へ。番台は昔のままの低めのもので、代金を置く台のところも年期が入ってえぐれている。脱衣場の中もかつてのままで、縦に島ロッカーが配置されていて上には銭湯グッズを入れたショーケースが置かれている。手前側がやや縁側様に引き込んだスペースがあり、テーブルにベンチが置かれている。引き戸の外はコインロッカーの裏側になっており、庭のあるべきスペースが狭められてただ地面がむき出しただけの空間になっている。男女境壁はやはり丈の低い板張りで、上に目隠し用の横長看板がずらっと並べられている。縦長の冷蔵庫、Keihokuの貫目盛り付きの古いアナログ体重計などが置かれている。テレビは完全に番台用に置かれているだけで、音量も消されていて脱衣場内には静けさが漂っている。
そんな雰囲気のためか、おもむろに服を脱いで浴室へ入る。正面は残念ながらよく見かける竹林のパネル。室内のタイルなどは比較的新しいものに張り替えられており、右手にはずらっと4基の立ちシャワーブースが並んで設置されている。で、島カランは2列、といっても立ちシャワーブース裏にはカランがないので、カランの配置は7-5-5-5、シャワーは壁側と右側の島カランにのみ設置されており(カランともども湯温・量ともまずまず)、横長の通し鏡が取り付けられている。浴槽はシンプルな深・浅湯(3点背部ジェット2基)の2槽で、色物などはない。湯温は熱めの43℃強といったところ。
そんなわけで、幸の湯は何もかもシンプルで、周囲も静かな東十条裏通り沿いにたたずむ昔ながらのゆったり銭湯だ。何はなくともペンキ絵があれば心が和むのだが、それだけが残念か(今からでも復活させて欲しいものだ)。 |