久保の湯

【2008.3.30】  
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久保の湯
北区東上十条2−8−16
03-3909-8307
15:30-25:00、月曜休
、フロント。
アクセス:埼京線の十条駅西口で降りたら線路づたいに南下して十条通りを越えたら線路から2本目の細い路地を入ってすぐの右側。駅から2分の記載。


コメント:
昼間は鵜の木の天然温泉のほぼ一番湯に入り、その後学芸大学のなぎら健壱さんが経営するもんじゃ焼きの店「らくらく」で、もんじゃ焼きを堪能。気がつけばとっぷり日が暮れて温泉力もすっかり醒めてしまったので、帰宅前にもう一軒というわけで、ちょっとだけ足を伸ばして十条駅至近の久保の湯へ。

路地をちょっと入ったところにある。こじんまりとはしているが
瓦屋根の立派なレトロ銭湯。二重の小ぶりな千鳥破風、玄関の両側に延びた築地塀といい、なかなかいい雰囲気を醸し出している。玄関上の木製の格子柵も美しく、レトロな和風の風情をたたえている。玄関を入ると正面に傘入れの棚があり、左右の踊り場には定番の下足箱。引き戸から中に入ると本来の番台の位置に反対向きに改装されたフロント。後はほとんど大きな改装はされてないので、脱衣場の中にフロントがパドックのようにはみ出している感じ。

脱衣場の天井は立派な
折り返し付きの格天井で、しっかり柱時計も鎮座している。床はニス塗りの板で、その真ん中には(例の)畳ベンチと小さ目の島ロッカーが1つポツンと置かれているだけで、広々とした感じ。テレビも音楽もないので、シーンと静まり返った感じなのがまた新鮮だ。体重計はKeihoku hakariの古いもので、男女境は鏡壁。レトロなAsahiの扇風機やら、男女境壁の上には医院や電気屋の立て掛け看板があり、壁には王子シネマと篠原演芸場のポスターなんかも貼ってあって、昭和の時代が行き続けている感じ。なお、縁側に続く坪庭がなかなか立派で、石橋のある現役のもあって中ぐらいの金魚が一杯泳いでいる。外トイレの電気が切れているのはご愛嬌。

さて、浴室。ほとんど改装などの手が加えられていない状態。真ん中の島カランにはシャワーがなく、
横長三角ミラーがあるだけ。カランの配置は6-6-6-5、湯量は良好。湯温はやや低め?浴槽は浅・深のシンプルな2浴槽のみで、深湯に少しバイブラ、浅湯には2点背中ジェットが2条あるだけ。湯温は43℃弱ぐらいといい感じ。浴槽のタイルは昔ながらのもので、内側の色がはげて色抜けしている。ただし、正面壁下は新しいタイルに張り替えられている。そして正面壁は定番の富士山のペンキ絵。覚え書きなどはないのだが、中島師の手によるものと思われ、西伊豆から見た富士山の遠景で、小さなヨットが多数と松の生える小島がいくつか描かれている。さらに男女境壁にはチップタイル絵があって、欧風の湖と山並みと古城?が描かれている。

というわけで、十条の駅裏路地にひっそりと佇む久保の湯は、静かでおちつきのある昔ながらの正統派の瓦屋根レトロ銭湯だ。日曜だというのにお客さんがちょっと少ないのが気にかかる。

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