|
|
|
内部の写真へ続く |
根岸浴泉 埼玉県川口市大字安行領根岸356 048-265-9732 ?:00-?:00、月曜?休、番台。 アクセス:JR蕨駅が最寄の駅となる。駅北の通りを東に向かい、産業道路に出たら左折して北上する。しばらく行って右奥に不二家レストランのある交差点を今度は右折して道成りに進んでいく。道路は東向きから北向きに方向を換え、正面に外環道が見えてきたら少し手前の路地を右折してすぐの左手花道の奥にある。駅から歩くと20-30分はあるだろうか。実は東浦和駅から南下するほうが道も1本で近そうだ。 コメント:番地に安行と名のつく根岸浴泉を訪れて、故郷に錦を飾る。って、何のことかと言えば、そう私目は何を隠そう、安行の生まれなのだ。四半世紀ぶり以上、いや半世紀近く経っての再訪。というのも両親もこの地には数年間在住しただけで、その後は関わりがなかったわけで。ということで(だからどう?とはいうものの)、感慨もひとしおだった。 「植木の町」と聞いていたが、銭湯の周りも新興住宅ばかり、もう植木の町は存在しないのか。あとで地図で確認してみたら、外環道の辺りに単純に安行という名の地名があり、植物取引センターとか、花と緑の振興センターなどがあるのが、これらが植木の町の名残か(だとすると植木の栽培地が外環道に土地を提供して消滅したということか)。また、安行という地名の周辺に安行領根岸、安行領家、安行出羽、安行籐八、安行原、安行北谷、安行吉岡といった地名が取り囲んでいることが分かった。これら全てが旧安行村に属していたのかもしれない(植木職人の名前だろうか?)。 ところで、安行領根岸にある根岸浴泉。昭和中期的なトタン屋根の一軒家銭湯。例の北海道は二股温泉のラドン原石を使っているようで、カルシウム温泉という大きな看板が玄関正面上に掲げられている。外には角材が高く積まれていて、燃料は薪のようだ。郊外という立地条件もあって、結構車の駐車スペースもあり(土のままだが)、車で来る人も多い(さすがは郊外)。 左右に踊り場、下足錠は松竹で、男女別々の木の引き戸の上には男湯、女湯という摺りガラス文字があるあたりは、東京銭湯に同じ。脱衣場に入り、番台で埼玉料金410円を払う。格天井ではないが、比較的高めの位置に板張り。中央に島ロッカーがあって、男女境は鏡壁、脇にKeihoku hakariと書かれた古いアナログ体重計あり。手前脇の引き戸の奥は外トイレで、坪庭などはない(が、コインランドリーに改装される前は庭があったかもしれない)。 洗い場へ入ってびっくり。浴室の面積の半分近くを浴槽で占められている。というのもこじんまりとしたスペースなのにこれでもかというほどいろいろな浴槽がちりばめられている。右手前の脱衣場のすぐ傍から、水風呂、その向こうに2点ジェットとボタンで噴出するビッグジェットのあるエステ風呂が並んでいる(湯温はやや温め)。狭い廊下を挟んで正面に移って、右から薬湯(今日は森林という緑の湯、42℃強)、真ん中が例の二股温泉の石を通過したカルシウム温泉の浴槽、左が4点ジェットの座湯2基。さらに一番左にガラスで囲まれた四角いスペースがあり、スチームサウナ状になった浴槽(42℃強)が一つとうわけで、何というライナップの多さだろう。 島カランも左に寄った位置に一応2列あるが、1つは片側使用(裏は浴槽)で、カランの配置は5-5-5-5、立ちシャワーブースも1基あり。湯温・湯量は良好。ビジュアルは正面にペンキ絵、中島師によるものと思われるが、画題がなかなかいい。川幅一杯の横長の滝が描かれているのだが、大きく横一杯に書かれているのでなかなか迫力があり、これまであまり見たことがない構図で面白い。川中島に1本の松が生えていたりもする。また、ペンキ絵の下に今は珍しくなりつつある熱帯魚のチップタイル絵があり、いわし?のような魚がいるのが珍しい。男女境壁上には湖の畔、遠くに山並みの見える長閑な風景を描いたタイル絵もある。 というわけで、安行は領根岸にある根岸湯は、色物浴槽満杯、ペンキ絵やタイル絵もそれなりに見ごたえのあるような、小さいながらも堂々の昭和中期的銭湯であった。 |
|
ホームへ戻る| 各地銭湯リストへ戻る|