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星乃湯 hoshinoyu
葛飾区堀切4−24−12
03-3697-3959
16:00-23:00
月曜休、番台





訪問記 【2008.12.9】

堀切菖蒲園駅の西、荒川沿いの葛飾区側に建つ星乃湯へ。首都高速の高架下、高速道路に最も近い銭湯かな。ちょっと荒涼とした土地柄に感じされる荒野の一軒家的銭湯。周囲に住宅がないわけではないが、銭湯前の土地がずっと国有地の売り地になったままで空いているので、建物の全体が見渡せる。瓦屋根ではないが玄関上には千鳥破風の屋根があり、上は平入りの横長屋根となっている。屋根が金属製のためかなんか兜のような男性的な外観


玄関に入ると左右に下足箱(確か鍵はさくらのGの板錠)。引き戸から中に入ると左手に番台、1回改装したのかベ ニア板貼りの当たらし目のもの。天井は折り返し付きの格天井柱時計も飾られているが動いていない。外側はL字状に引き戸があって、庭もL字状に広がっている。灯篭もあって立派な庭のようだがライトアップはされていないので、夜は良くは見えない。縁側は玉石タイル張りで可愛らしく、奥まったところに外厠がある。島ロッカーは1列で男女境は鏡壁。体重計はKeihokuの銀針の細長のアナログ体重計。脱衣室の右手前が少し庭側に張り出していて、ソファーテーブルが置かれている。珍しく冷蔵庫が全くない。


浴室へ。島カランは1列で、カランの配置は6-5-5-4、カランはWaguriの碁石状の赤青で、湯温やや弱め?カラン周りのタイルは昔のままの緑の長方形タイルで、排水溝もタイル張り。椅子は普及版で、桶はケロリン黄桶。浴槽は古典的な深浅2槽で、深湯はバイブラ、浅湯は2点背ジェット2基あり。浴槽の淵に豆タイルが残っていて、可愛らしい。 そして正面は早川さんのペンキ絵。「平成20年1月24日、山梨」と書かれていて、山梨から見た富士山。霞んだ谷の向こうに富士山、近景に道があって山小屋が左右に2軒というちょっと変わった図柄。富士山がお椀型にこじんまりとしていて、早川さんにしてはおとなしい感じ。男女境壁はタイル絵で欧風の山並みと王城?の図。


というわけで、高速道路の高架下に並立する星乃湯は、男らしい外観で中にはレトロ銭湯の特徴(格天井、柱時計、灯篭のある庭、ペンキ絵、タイル絵)がほとんど揃った昔ながらの銭湯だ。音もテレビもなくて静かな感じ。

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