竜の湯

【2007.5.29】  
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竜の湯
葛飾区高砂2−27−17
03-3659-1780
15:30-23:00、金曜休、番台。

アクセス:京成高砂駅を南へ降りたら駅前通りを道成りに西へ進む。新中川に出る手前2本目、信号のある交差点を左折して南下する。しばらく行って今度は一方通行の出口の路地を左折して少し進んだ左側にある。駅から5分の記載。


コメント:
蔦の絡まる唐破風屋根のある立派なレトロ銭湯だ。住宅街の中の一方通行の路地に面して建っているのだが、それだけにごく近隣の人々の専用風呂となっている模様。銭湯廻りを始めた2002年ごろに初めて訪れて以来、ずっと気になっていた銭湯だったが、やっと念願かなって入浴することができた(近隣の春日湯、梅の湯は入浴済)。玄関脇の左側は女湯の坪庭を削ってコインランドリーに、右側は男湯の坪庭を削って自転車置き場に改装されている。が、玄関廻りはほぼ昔のままのようで、かわいいまめタイルの床から左右の踊り場にあがり、下足箱に靴を入れてから木の引き戸を開けて中に。

背の低い番台だが横に衝立が増設されていて、パドックのようになっており、おじさんは正面のごく狭い場所しか見られないようになっている。ところでこのおじさんがとても丁寧に挨拶をされるので「一元さん」としてもほんとに気持ちがいい。脱衣場の雰囲気はそこそこ古そうだが、昭和中期的装いであり、天井は格子状ではないが、周囲に面白い木の飾りが施されている。坪庭は縮小されたとはいえ、植木鉢などが並べられていて、縁側沿いの長いすに座って庭を眺めながらくつろげるようになっている。島ローカーはなく、周辺壁にロッカーあり。男女境の壁は壁鏡だが、床屋さんにあるような立派な椅子が一つ置いてあって、この椅子の座り心地のいいことといったらない。入浴後は大様気分で頭を乾かすことができた。Houtowのアナログ体重計あり。冷蔵庫は入り口入ってすぐ脇に小さな横長ボックスタイプあり。

さて洗い場だが、ここはなかなかレトロ感満点、というのも
昔ながらの豆タイルがそのまま残されており、浴槽や島カランも最初のままと思われる。島カランは2列あるが、鏡も何もない台だけのタイプ(最近はなかなかお眼にかかれない)。壁際は一応固定シャワー付だが、立ちシャワーブースはない。カランの配置は8-6-6-6-6-7で、横にもワイドなゆとり空間だ。浴槽は浅・深の2タイプだが、なぜか深湯が2槽に区切られていて、全部で3槽となっている。浅湯には古いタイプの4点ジェットが3基噴出している。深湯の湯温は43℃ぐらいとやや熱めだが、浅湯は42℃ぐらいと温度差をつけてあり、「熱いのが苦手な人は浅湯へ」と但し書きがあるのは、何だが親切な感じだ。そして最後にビジュアルだが、正面は当然の如くペンキ絵、女湯側が富士山で男湯側は渓流に松の小島といった図、覚書はないが中島師のものか?(ちょっと古くてだいぶ剥げ剥げのカ所あり)。ところでこのペンキ絵の下には横長のチップタイル絵もあって湖の湖畔から望む富士山が描かれている。さらに男女境壁の上にもチップタイル絵があり、こちらは日光東照宮?でもないだろうが煌びやかな唐破風の神社仏閣が真ん中に描かれており、左端には紅葉の滝が描かれているなど、かなり珍しいものだ(やはり華厳の滝だろうか?)。

というわけで、住宅街の中にあって立派な唐破風屋根の竜の湯は、昭和中期から合いも変わらず綿綿と営業を続けているような地元に溶け込んだ昭和レトロ銭湯だ。

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