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内部の写真へ続く |
富士の湯 埼玉県春日部市粕壁3−7−36 048-752-4217 16:00-23:00、月曜休→廃業(2008.5.3)、番台。 アクセス:東武伊勢崎線春日部駅北口で降りたら線路に沿って西へ進む。線路を横断する通りに出たら右折して線路と反対方向へ向かって北上する。しばらく行った左側に富士の湯へ続く花道の入り口がある。駅から10分ぐらいか。 コメント: 春日部の富士の湯。竹の湯も廃業していて、春日部市最後の銭湯だったのだが、あと4日で終わり。長い花道の奥にひっそりと佇む一軒屋銭湯。一見、ちょっと大きめな個人のの2階建て住宅という感じで、玄関に看板や定番の下足錠付き下駄箱がなければ銭湯とは分からない。家の前の木々もこんもりしていて建物を隠しているのでなおさら。そんなわけで花道の入り口にインデアン砦にあるような鳥居型看板があって、富士の湯入り口と手書きで書いてある(すっかり老朽化していて字がかすれているので辛うじて字が読める状態)。 長い花道を進むと右手に独立したコインランドリー小屋があって、正面に銭湯の建物。避暑地のペンションというばそんな感じの建物で、妙に縦長で、右手に住まいと思われる2−3回部分に上がる階段あり。なお、裏手には車3−4台が停められるスペースがあって、薪が一杯積み上げられていた。 玄関は左右の踊り場に下足箱という典型的な構造。入り口引き戸の上のガラスに「男」、「女」と書き込まれている。中に入ると左手に番台があって、90歳は越えているのではないかと思われるお婆さんが番台を守っておられる。車を裏に停めたことを告げるも、耳が遠いいらしくて聞き返されてしまった。脱衣場は平天井(格子ではない)。ニス床の暗い空間が広がっていて、湯治場的な雰囲気だ。島ロッカーなどはない。男女境は鏡壁で、レトロな銭湯の定番的構造。右手はガラス戸に成っていて、外の空気が入れられるが庭などはない。右手前にのみロッカーがあって、上には常連の湯道具が並べられている。秤はヤマトのアナログ体重計。冷蔵庫は空っぽ(廃業前のためというわけでもなさそう)。壁の扇風機には10年分ぐらいの蜘蛛の巣が張っていて、びっくり。あの高さの掃除は老人夫婦には無理だったのだろう。 洗い場へ。タイルなどはほぼ昔のまんまなのだが、よく見ると男女境壁にはかつてタイル絵があったと思われ、縁取りだけが残っていて、中に新しい無地のタイルがはめ込まれている。浴槽の上にもやや当たらし目のタイルが・・・。それ以外はほとんど手を加えられていない。島カランは1列で、カランの配置は、5-4-4-5、湯温はちょうどいい。島カランにはシャワーはなくて、横長1枚の鏡で、下から向こうの人の股間が見える例のスタイル。両端のカランにはシャワーがあるが、半分ぐらいは壊れたまま。カラン周りの昔ながらの豆タイルがかわいらしい。そして浴槽は横長1槽で湯温は42℃強だが、井戸水(おそらく)で薪で沸かしたお湯だからよく温まる。最後に正面壁だがペンキ絵があるのだが、はげはげで何が書いてあるのか分からない。小川と祠のようなものが見えるが、珍しい絵柄だったものと推測される。 というわけで、外観は普通の2階建ての一軒家、中は古典的な地方銭湯の趣のオールド銭湯という感じ。見た目にもいっぱいいっぱいという感じで、長いあいだご苦労様という感じだ。しかし、春日部市から銭湯が消えてしまうわけで、あまりにも悲しい気がする。常連も完全に銭湯入浴の道が絶たれるわけで、常連がそんな会話をしていたのが印象的だった 。 |
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