訪問記 【2008.10.19】
今日は志村三丁目の松の湯へ。横長の箱型の外観の一軒家銭湯。もともとは看板建築のところをさらに改装したのか。よくよく見ると天井に五角形の湯気抜きが付いている(これが見られるのは練馬の朝日湯と葛飾のあたみ湯、他にもあったかな)。ところがどう角度を変えてみても煙突が見つけられない。燃料はガスなのだろうか、それにしてもはじめからガスというわけではないだろうし・・・。玄関は右端で玄関の左側にお洒落な木製の看板が取り付けられているなど綺麗に飾られている感じ。日中はややインパクトにかける外観だと思ったが、日が暮れると綺麗なネオンが点灯して魅力的な外観に変身する。
正面に下足箱(松竹錠)があって左に向いて自動ドアーからロビースペースに入る。ここのソファーテーブルには灰皿が置かれていて(脱衣場から中は完全禁煙)、喫煙者のスペースを残している。本来の正面にフロントがあって左右の縦長の暖簾を潜って脱衣場へ。壁際に並ぶロッカーもモダンな新しいもので、脱衣場も綺麗に改装されている。ただし、天井だけはシックで豪華な飾りのある格天井が残されていて、レトロファンには嬉しい。洗い場入り口左手に綺麗な化粧台が合って、体重計はデジタル、ドライヤーのタイマーもモダンなものだ。岩組みの露天風呂が脱衣場にせり出すように増設されている。
洗い場へ。脱衣場同様、大々的に改装されていてニュー銭湯の洗い場並だ。右手手前に露天への出入り口あり。露天風呂は岩組みと竹垣の壁で和風にしつられているが、壁際に窓があるだけで天井は吹き抜けではない。窓が開けられていて一応外気風呂になっている。石の構造物からお湯が注がれている。露天の入り口に並ぶようにサウナが併設されている(セット料金で700円)。ややこじんまりとしたスペースながら温度は熱々で快適な乾式サウナ室だ。サウナの左横に大きな水風呂、ライオンの飾りから水が注がれている。さらにL字状に浴槽が設置されていて、右奥の深湯はいろもの風呂が並んでいる。手前に電気風呂、奥は右から10点ジェットの樽風呂、2本のビッグジェットのエステ風呂、さらに7点ジェットと冷たい水枕付きの座湯、一番左に抹茶の香りぷんぷんの薬湯。湯温はどれも42℃調度ぐらいに設定されている。
島カランが1列あるものの壁カランは左側のみで、カランの配置は8−5−5、湯温・湯量は良好。カランは8角茶、桶はケロリン黄色で、座椅子は普及版。で、最後に正面壁だが嬉しいことに中島師の手による富士山のペンキ絵、覚書がないが比較的最近描かれたもののようで、富士山は男女に跨るように描かれていて、男湯側は霧に霞む渓流。最近中島さんの絵は新境地に達しているのかわびさび感の強い幽玄とも言えるような奥行きのある絵になっている。なんともいい感じだ。
というわけで、志村三丁目の(ニュー)松の湯は改装よろしく入浴施設はことのほか充実していてモダンで綺麗なばかりでなく、立派な格天井と見事なペンキ絵もあって新旧両方の欲求を満足させてくれる21世紀を見つめた超優良銭湯と思われる。
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