東京レトロを行く > 銭湯目次 > 東京銭湯

紀の国湯 kinokuniyu
板橋区坂下2−33−4
03-3960-2536
15:00-23:40
月曜休(祝日は翌日休)、
フロント
ホームページ


訪問記 【2009.3.8】


今日は板橋区でも一番北のはずれにある蓮根の紀の国湯へ。驚いたことにここは駅に超至近。蓮根の改札口出て右を向けばやや遠くではあるが、気の国湯のあるマンションと紀の国湯の電光掲示板が見える(これはマンションの裏側で明らかに駅への宣伝用)。実際駅から横断歩道を渡って紀の国湯のほうに抜ける路地はメインの抜け道(近道)になっているようで、人の流れが途絶えない。

で、夕方の5時半のたそがれ時。外観の写真を撮ろうと思ったが、銭湯に入る人、出てくる人の数が半端ではなく、いっこうに途絶える気配がない。20−30分は待っただろうか。こんな銭湯は初めてというか、いったい中はどうなっているのだろうかと不思議になった。


大きなマンションの1階部分を占拠している模様。マンションの入り口は駅側だが、銭湯の入り口は側面の小道沿いにある。玄関廻りにはネオンで縁取られた三角屋根型の飾りがあり、モダンで綺麗な感じだ。入り口の右側にはコインランドリーあり。自動ドアーから中に入ると右手にフロント、左手に脱衣場への入り口(暖簾がかかっている)あり、奥にはロビースペースがあるのだが、ここが結構広くてテーブル椅子が並んでいて、テレビを見ながら寛げる空間になっている。右奥にはカウンターもあって、生ビールや軽食も用意されている。

サウナも頼むとなんと合計900円(これはなかなかの値段だ)。早速脱衣場へ。壁側と中央に島ロッカーがある。天井は低くてちょうっと手狭なかんじだが、化粧台もあって明るく綺麗に整備されている。床はモダンなフローリング。体重計はクボタのデジタル体重計。サウナ利用者には専用の縦長ロッカーのキーが提供される。


浴室に入って、驚いた。物凄い人の数だ。あれだけ人が出たり入ったりしていたのもうなずける。カラン、ななんと空きがない!全てのカランが埋まっている。ぐるっと浴槽を見に行くと凄まじい光景。色物風呂もすべて埋まっていて、例えば樽風呂の前に順番待ちのように(普通なら人が入らないところに)人が浸かっている。広めの浅湯などももちろん二重、三重に人が入っていて、カランの開くのを待っているのだ。これは明らかに自分の銭湯体験上、過去最高の混雑振りだ。

ここで浴槽を説明しておくと、右手の壁際に浴槽が縦に並んでおり、手前側が広めの浅湯、角からお湯が絶えず注がれている石造りのコーナーあり。その手前にジェットバイブラの当たる水枕付きの寝湯2基あり。壁際に回って、8点ジェットの樽風呂と電気風呂が並び、さらに5点ジェットの座湯と2点ビッグジェットのエステ風呂が並ぶ(このあたりは深湯になっている)。浴槽の形は瓢箪型というか、単純な長方形ではなくて、奥に行くに従ってつぼまるような形。

で、左手のカランの奥が乾式サウナ室(温度は高く、広めの2段式で10人ぐらいは座れるだろうか。テレビも完備)。サウナの右手、一番奥に大き目の水風呂がある。ここも水が絶えず注がれていたような。浴槽は石の縁取りが施されたゴージャスな造りだ(温度は42℃強にちょうどよく設定されている模様)。そして水風呂と大浴槽の間を通って右側から外に出ると広い露天スペース。実際は外は見えずに外気風呂なのだが、やたら広い和風のスペースにしつらえてあり、ベンチなども数個置かれている。浴槽も広くて木の縁取りあり、床は石造りで、何とも温泉場のような感じ。お湯は温めでいつまでも浸かっている人が多い。さて、室内に戻って左手半分が洗い場になっているのだが、左手手前に立ちシャワーブース2基、島カランは1列でカランの配置は7−7−8、カランは6角銀、桶はケロリン黄桶で、椅子は普及版、湯温はばっちりで、カラン周りも石が使われていてゴージャスだ。

で、露天スペースにもカランが3つあって、何とここのカランは和栗の玉が2個とレアーな関西タイプの三角カランが1個だけ(なぜ1個だけ?建て替え前の銭湯で使っていたのだろうか)。室内、ビジュアルはないが、組合で売っている中島さんと佐怒?さんのシールペンキ絵(赤富士、逆さ富士富もうひとつ)があちこちに貼られていた。そうそう、電燈の周りにカジキマグロの飾りや貝殻のシェードが付いていたりして、杉並のう家和ごころの施工と似ているので、同じ業者かもしれない。



帰りしな旦那さんと話をする。こんなに賑わっている銭湯は初めてだと聞いたら、昨日の土曜日は人が少なくて、夜に雨が降るという情報があるから、この時間帯に集中したのではないかと・・・。ここは土日だけ温泉代わりに利用する人が多いらしい。新しく見えるけど、もう10年以上経っているとのこと。阪神淡路壇震災の直後の開業だからニュースを聞くたびに開業何年だなと計算できるとのこと。

そんなわけで、蓮根駅近傍の大きなビル銭湯の紀の国湯は、ニュー銭湯張りの大型入浴施設で、大きな露天あり、充実したサウナあり、おまけに生ビールと軽食サービスなある超人気銭湯で、明らかに未来を見据えた次世代型の模範銭湯だ。

東京レトロを行く > 銭湯目次 > 東京銭湯