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ニコニコ湯 nikonikoyu
板橋区徳丸1−25−2
03-3933-9463
16:30-23:00
月曜休、番台
支部ホームページ





訪問記 【2008.7.6】

東武練馬駅の北側は線路を境に板橋区で、その中でもニコニコ湯のある徳丸というエリアは妙に高台の上に形成されている。住宅街や商店街などもあるのだが、駅方面から行くと長い階段を上がっていかなければならず、車でアクセスするにはぐるっと回らなければならないような陸の孤島だ。


建物は二重の千鳥破風の立派な外観のレトロ銭湯なのだが、男湯側にはコインランドリーが併設され、また女湯側の庭に植えられた木が大きく育ちすぎて建物を隠すほどに成長している。おまけに玄関前の広いスペースが月極め駐車場になっているために、正面の景観を大きく妨げている。そんなわけで、せっかくの綺麗な外観の一部しか見通すことができない。


玄関を入ると左右に下駄箱のある典型的な造りで、引き戸を開けて中に入ると、左側に番台。女将さんに料金を払って、お遍路判子もしっかり押していただく。天井は折り返し部分もあるアイボリーに塗られた格天井(形は長方形も含む変則デザイン)で、島ロッカーがないから広々とした空間に感じされる。真ん中には畳み椅子やテーブルソファー(なぜか灰皿も)が置かれている。男女境は鏡壁で、オリジナルの壁は妙に低いので、天井までの通し柱までつけて壁を増設してあるのは珍しい。男性側に庭はなく、コインランドリーへの通路あり(そこに大きな灰皿有)。体重計はKeihokuのアナログ体重計


浴室に入ると島カランが1列あって、カランの配置は5-6-6-4、カランの湯量・湯温はきわめて良好で気持ちがいい。立ちシャワーブース2基。浴槽は左が深湯、右の浅湯にきて真ん中が円形のバイブラ湯、続いて8点ジェットの座湯2基があって、さらに右側壁際に足踏み石が敷き詰められた歩行スペースあり。湯温はどこも43℃強はあってかなり熱め、長くは入っていられない。最後にビジュアルだが、ペンキ絵がある。それが「利尻」と書いてあって、海岸越しに見た利尻富士?が描かれている。タッチもおなじみのペンキ絵師3師のものとは違っている。あとで女将さんに聞いたら専属の看板絵師にお願いしているとのこと。脱衣場に飾られている油絵数点(富士山もあり)もそのひとの作品だとのこと。やや油絵タッチだがなかなかよくかけていると思われる。


そんなわけで、ニコニコ湯は高台に隔絶されたエリアの住宅街の真ん中に建つ、地域に強く密着型の伝統的一軒家レトロ銭湯だった。綺麗な格天井もペンキ絵もあって、レトロファンには満足の行くいい銭湯だ。

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