さかえ湯


【2007.9.4】 
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さかえ湯
府中市八幡町2−30−20
042-363-4052
16:00-23:00/日曜は8:00-11:00も営業、 月曜休/祝日は翌日休、番台。


アクセス:京王線の東府中駅で下車したら、駅の北を並走する旧甲州街道で左折して西へ進む。京王線の線路を越えてさらに少し進んで、左折してすぐの右側。駅から6分の記載。

コメント
多摩地区では屈指のレトロ銭湯との誉れも高く、府中試験場で運転免許の書き換えをした帰りに訪問。下見に来たときの印象はあまり残っていなかったのだが、線路脇にひっそりと佇むさかえ湯の外観はなかなかの風情をかもし出していた。台風9号の北上の影響か、折から急にスコールのような雨が降り出したが、建物横の裏庭ではご主人が薪の処理に追われていた。

最近はあまり眼にすることが少なくなった
懸魚(鶴?)もしっかりあり、見あげれば上層の屋根は少し外側に膨らんだむくり破風屋根だった。こじんまりとはしているが昔ながらの黒瓦の立派な一軒家レトロ銭湯だ。玄関上の笠をかぶった裸電球もいい感じ。なお、築地塀も瓦の庇を頂いていい雰囲気だ。玄関右側はコインランドリー部屋に改装されている。「コーラーはやっぱりビンですね」という張り紙があり、レトロな看板(復元?)に「Yes、Coke?、100円、愛されて30年」とか書かれている。で、もしやと思い普段は入らないランドリールームに入ってみたら、なるほどビンコーラの自動販売機が置いてあった。これはおもいっきりレアだ。

さて、玄関はいると
下足錠はカナリアで、左右の入り口ドアーは何と木製の前後開閉扉。中に入ると天井高い典型的東京型の脱衣場。番台で料金を払って中へ進む。上のほうにも木製の引き戸がぐるっと付いていて、昔ながらの幾何学的な模様が施されている(あとで親父さんが長−い竹竿のようなもので開け閉めしていた)。L字状の脱衣場角は木の引き戸で外とつながっていて、小さな坪庭には鉢植えの木々が並べられていた。庭に薪用の角材が積まれているのも賑やかしだ。体重計は石田?のアナログ体重計で、丸い乱れ籠も現役で積まれている。男女境は背の低い鏡壁で、冷蔵庫は横長でアニメが横に描かれた「明治ビタ牛乳」の冷蔵庫

いよいよ洗い場へ。正面に
富士山のペンキ絵(平成14年9月17日、珍しく(マルヤマ画)(西伊豆)と覚書が書かれている)、ちょうど5年経っているが、結構きれい。そしてペンキ絵の下に九谷のタイル絵があって、18番の鯉の滝登りが描かれていえるではないか(これを見るのは文京区の月の湯以来か)。浴槽はつながった浅・深の2槽で、深湯の方は水枕付の7点ジェット付の座湯2基となっている。湯温は42℃ぐらいだが、薪で焚いたいいお湯だ。ところで、銭湯マップには「ミネラルが大変豊富な地下水を使用、。東京大学研究室照明」と書かれていて、こういうのを証明するのはどこの研究室なのだろうか。

島カランは1列(横長鏡付)で、カランの配置は6-5-5-5(7)、最後の
2つは立ちシャワーブースの下にあるもので、後でブースを付設したことがわかる。湯温・量ともに良好。最後にもうひとつ特筆すべきことがあって、それは男女境壁の無地の大きな白タイル(斜め張り)の周囲をマジョルカタイル(卍模様)が取り巻いていることだ。見事はエメラルドグリーンをしていて、それは美しいものだ。

と言うわけで、京王線支線(競馬場行き)の脇にひっそりと佇むさかえ湯は、昔ながらでほとんど手付かずの一軒家レトロ銭湯だった。入浴中に隣を走る電車のコトんコトンという音が聞こえてきて、昔の実家を思い出した(線路脇に建っていた)。

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