訪問記 【2009.3.28】
仁岸湯は二重の千鳥破風の立派な瓦屋根レトロ銭湯だ。面している道路が狭くて道の向かいからは建物全体を写真に納められないのだが、向かい側が広い駐車場になっており、そこからは金網越しに全体を眺めることができる。玄関上には暖簾とは別に蛍光灯の立派な看板が取り付けられている。昼間は風情がない看板に思えたが、夕方灯りが灯ったらなんとも暖かい感じがして、これが悪くない。暖簾を潜り玄関に入るとここの天井も格天井。定番の両脇の下足箱(鍵はサクラG)。アルミサッシのドアーから中に入ると番台を反対向きにしたフロント。フロントは脱衣場の中にあるので脱衣場の後ろ半分が見通せる構造。脱衣場との境にも縦長の暖簾が掛かっている。
脱衣場の天井は折り返しはなしの立派な格天井なのだが、中は少し改装されている。改装されたフロントと背中合わせに、脱衣場にせり出すように遠赤外線サウナ室がしつらえてある。また、庭があったと思われるスペースに脱衣場が拡張するように広げられていて、ソファーテーブルが置かれている。ロッカーは外壁際全面。体重計はデジタルで、冷蔵庫は牛乳の自動販売機(ニュー銭湯で良く見かけるもの)。
脱衣場へ。ここも何回か改装されている感じ。一番新しいのが島カランと浴槽で、御影石のような立派な石造りでゴージャスできれい。これを壊すのはもったいない。カランの配置は3−4−4−5、カランは8角銀、桶は仁岸湯と書かれたオリジナル黄桶、椅子は黄色い普及版。外側カラン周りは少し前に改装されたと思われる比較的綺麗なタイル貼りだ。
浴槽も改装されていて、右が天然石張りの薬湯(深湯で宝寿湯、温度は43℃弱と結構熱いいいお湯だ)。左は少し前にせり出すような形の浅湯で、横に10点ジェットの樽風呂と3点背ジェットの座湯1基があるのだが、どちらも稼動していない。正面壁は嬉しいことにペンキ絵だが、しばらく描きかえられていない感じ。中島さんの富士山のペンキ絵で、結構大きな湖越しに見る富士山(覚え書きはない)、あちこちにヨットという図。立ちシャワーブースは2基。サウナは「女将さんが、内のは温度が低いから」と言ってたようにぬるめ小さいサウナさだったが、バスタオルが借りられて100円プラスならまあいいか。建て替えたら立派なサウナを作るとおっしゃっていたので楽しみだ。
というわけで1年間の全面建て替のための休業に入る仁岸湯は、何回か改装されていて、石張りの薬湯が印象的だった、なかなか内部が綺麗で外観レトロな現役銭湯だった。
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