張り紙によれば建物の老朽化と
社会事情の変化云々と書かれて
あった。煙突のやたらと近くに、
後から建てられたマンションが
やはり災いしたのか?
昭和28年に開業以来、50年間お
世話になりましたと書いてあった。
番台の女将さんも身なりをきちんと
されていて一人一人に「長い間、
ありがとうございました。」と丁寧に
挨拶されていたのが印象的だった。
西永福の大黒湯が平成14年3月31日をもって廃業してしまった。
最終日、強い雨と雷が轟く中、最後の入浴をして名残を惜しんだ。
この日の夕方から夜にかけてはやたらとひどい雨となってしまって、まるで廃業を拒んで
いるかのようであった。
玄関前の松竹錠の傘たてがありがたかった。
何とかペンキ絵をデジカメにゲットしようとチャンスを狙ったが、結構お客さんが途絶える
ことなく、やむなく脱衣室から一枚、二枚。このときも欲室内には何人かが体を洗っている最中。
入浴心得や昔ながらの扇風機はいつものままで、今日が最終日と言うことを感じさせない。
傍らに置かれた按摩器も朝日新聞の看板も柱時計もいつものままだが、これらの
グッズは倉庫にでも入れられてしまうのか。
帰りしなにポカリスエットを買ったら最後だからどうぞと無料にしてくださった。
何かにつけ最後とか長い間となってしまうのが、心に痛かった。
名残を残しつつ外に出ると、すっかり雨は上がっていた。今日は少し湯加減が
ぬるめだったようだが、超音波や肩もみジェットはたいそう心地よかったことを
心に焼き付けて何時の日か再開業する?のを祈りつつ、帰宅。
ご苦労様でした。