松の湯

【2005.7.23】  
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松の湯
調布市布田2−28−8
0424-82-2864
16:00-23:00、
廃業、フロント。

調布駅北口から旧甲州街道へ出て右折。しばらく商店街を進んで左折してすぐの左側。駅から5分の記載。


コメント:残念ながら8月の21日をもって廃業、ということで廃業前に滑り込み入浴。銭湯マップに破風マークが付いているだけあって、立派な伝統的な東京型宮造り銭湯。ただし、唐破風ではなく、二重の千鳥破風というか入母屋造りといった外観。筋道からさらに引き込んだところに横向きに建っているので、正面から全貌が見られないのが残念だ。玄関前、草花などをお洒落に配しており、オーナーのセンスの良さを感じさせる。改装されて男女共通となった入り口から左折してロビースペースへ入る。半自動ドアを開けてすぐのところにフロントがあるのだが、珍しく席をはずしているようだったが、すぐに若いお兄さんが戻ってきた。料金を払って脱衣場へ向かうが、男女入り口の間に設けられた休憩スペースに飾られた布と枯れ枝を使ったオブジェが素人離れした飾りつけだ。
さて、コの時に回って中に入るとこれまたセンスのいい縦長のロッカー室、天井は昔ながらの格天井で正面には柱時計も吊るされているのだが、これらの古いグッズと違和感なくきれいに、そしてモダンに改装されている。脱場内のあちこちにも枯れ枝や布を使ったオブジェが飾られており、奥へ進むにつれて、オーナーのセンスの良さを確信した。体重計はデジタルもの。さて、浴室へ。左側には例によって脱衣場にせり出すような位置に湿式サウナがある。でちょっと意外だったのは、浴室全体が新しいタイルで見事に改装されていて、珍しくも浴槽群は東京の定位置の、奥の壁際ではなくて左手の壁際に立てにずらっと並べられている。手前から水風呂、薬湯(本日は紫根の湯)、浅風呂、そして最後に深湯の突き当りが2点ジェット(いわゆるボディーマッサージ?)と7点ジェットの付いた座湯。湯温は42℃強で、なぜか温さをかんじさせないちょうどいい湯加減だ。また、浴槽の縁取りには石が張られていて、ゴージャスな造りとなっている。というわけで、カランは主に右の壁際(10カラン)にあり、後は小さな片面カランが浴槽を背にして奥と手前に2つ(カラン3個づつ)ある。立ちシャワーブース1基。
入浴中もお兄さんはフロントと釜場を行ったりきたりしている、と思っていたら「シャワーは温くないですか?」と聞いてくる。随分面倒見のいい銭湯だと思ったら、なんと先ほどの震度4−5の地震で釜の火が一旦消えてしまったのだと。それで、お湯が温くなってしまってあわてて調節しているとのこと。それで、とうとう「しばらくシャワーのお湯出しっぱなしにしておきます」と言って片っ端からシャワーのお湯栓を捻っていったのには驚いた(確かにシャワーのお湯だけはちょっと温めだった。行き届かない銭湯では良くあることだけれど)。
ということで、松の湯は東京でも屈指の、居心地のいい優良銭湯だ。ここが廃業してしまうということは全く信じられない感じ。しかしにもかかわらず確かに土曜の7時にしてはお客さんの数が少ないような気もするが、恐らく廃業の理由は別なところにあるのではないか(とにかくごく最近お金をかけて改装したばかりの雰囲気だから)。

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