緑湯

【2008.3.23】  
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緑湯
調布市多摩川5−11−2
0424-82-3361
16:00-23:00、月(および火)曜休→2008.3末で
廃業、番台。
アクセス:京王相模原線で調布駅から1つ目の京王多摩川駅で降りたら駅前を右側に出る。小さな駅前ロータリーのようになっているが、線路に沿って南下する。ローソンを越えてから始めの路地を左折、しばらく進んでさらに左折(北上)してすぐの左側。駅から2分の記載。


コメント:
京王多摩川の緑湯はつかさんの「銭湯ナイト2007」の宣伝の表紙にもなっていたのだが、今月限りで廃業との情報をもとに本日急行。 数年前に訪れたときはこんなにマンションがあっただろうかと思うぐらい、周辺をマンションに囲まれている。でも緑湯の建っている敷地はかなり広くて、併設のコインランドリーもはるかに離れたところにある。建物は多摩地区の銭湯らしくこじんまりとしてはいるが、瓦屋根と小さな千鳥破風のあるレトロ銭湯。築地塀なども伸び伸びと続いていて、それこそ緑も多くて安らぎを与えてくれるような郊外の銭湯だ。

玄関を入ると典型的な左右の下足錠。入り口は手押しの引き戸。脱衣場に入ると当然の如く
番台で、女将さんがきちんと挨拶をしてくれる。 天井は折り上げ付きの格天井3枚羽根の扇風機がぶら下がる。格子の枠の中に花鳥風月(というか花柄のみ?)の絵模様も貼り付けられている。乱れ籠も健在。手前側が大きなガラスの引き戸で坪庭が見渡せるが、夜はさすがに暗くて庭の様子はよくはわからない。脱衣場は右奥のもせり出ていて、なかなか広い空間になっている。男女境は鏡壁。メーカーは確認し忘れたが、アナログ体重計もきっちりと置かれている。中央には木製のテーブルと背もたれ付きの長いすが鎮座する。

さて、浴室だが、ご存知、浴室奥の真ん中に
正円形の浴槽あり。正面壁には丸山さんの描いた富士山(15.12.15、西伊豆)のペンキ絵、その下にはちょっと新し目ではあるが、鯉と金魚の泳ぐタイル絵、その右端にはなぜか岸で休む鴨が描かれている。男女境は洋風のタイル絵で、鹿やら白鳥か何かが描かれている。蔦が絡まっていて、途切れ途切れではある。カラン周りや床は昔ながらの小さな豆タイルで全く手が加えられていない。浴槽の手前に短い島カランが1列あって、カランの配置は9−5−5−5−2−2、湯量はやや弱く、湯温もやや温めなのはご愛嬌。緑のM字椅子のオンパレードで健在、男女境側にしかシャワーはない。立ちシャワーブースなどはない。浴槽は半分で仕切られていはいるが中でつながっている。湯温は1日の終わりということもあって42℃弱?バイブラがぼこぼこと湧き出ていた。

そんなわけで、緑湯はいかにも東京の郊外の銭湯らしく、こじんまりとしていて静かで安らぎを与えてくれるような昔ながらのレトロ銭湯だった。あと1週間でなくなってしまうのは本当に残念。女将さんの話によれば 開業は昭和30年で、50年以上続けてきたので自分たちも本当はなんとか続けたかったという。 珍しい円形の浴槽はお父様の発想だったとのことだ 。

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